放課後等デイサービスの防災マニュアルとは?地震・火災・風水害への備えを解説

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放課後等デイサービスの防災マニュアルとは?地震・火災・風水害への備えを解説

「非常災害対策計画を作ったら、防災マニュアルはもう必要ないのでしょうか?」

放課後等デイサービスの開業準備では、非常災害対策計画、消防計画、BCP、安全計画など、災害や安全に関する書類が次々と登場します。名前がよく似ているものも多く、「同じような書類を何種類も作らなければならないのか」と戸惑う方も少なくありません。

結論からお伝えすると、防災マニュアルとは、地震・火災・風水害などが発生したときに、職員が「いつ、誰が、何をするか」をその場で迷わず判断できるようにするための、実務上の行動手順書です。

指定基準では、非常災害に関する具体的計画の策定、通報・連絡体制の整備、職員への周知、定期的な避難・救出等の訓練が求められています。ただし、全国一律に「防災マニュアル」という名称の独立した文書を作成しなければならない、と定められているわけではありません。

だからこそ実務では、法令上必要な非常災害対策を土台にしながら、事業所の所在地のハザード、建物の構造、利用児童の障害特性、医療的ケア、送迎ルート、保護者への引渡し方法まで具体化した防災マニュアルを整備しておくことが有効です。

この記事では、宮城県・仙台市で放課後等デイサービスの開業を検討している方に向けて、防災マニュアルの位置付けから、地震・火災・洪水・土砂災害・津波・大雪・停電・断水への対応、送迎中の災害対応、備蓄、訓練までを解説します。

この記事の結論

  1. 防災マニュアルは、災害時に職員が行動するための具体的な手順書です。
  2. 指定基準上は「非常災害に関する具体的計画」等が必要ですが、「防災マニュアル」という名称の独立文書が全国一律に必須とされているわけではありません。
  3. 地震・火災だけでなく、所在地に応じて洪水、内水氾濫、土砂災害、津波、台風、大雪等も想定します。
  4. ハザードマップは事業所所在地だけでなく、避難経路や主要な送迎ルートも確認することが重要です。
  5. 保護者への連絡方法、児童の引渡し、送迎車両ごとの行動基準も事前に決めておきます。
  6. 障害特性や医療的ケアの内容によって、避難方法や必要な備蓄は異なります。
  7. 防災マニュアル、非常災害対策計画、消防計画、避難確保計画、BCP、安全計画は目的や法的位置付けが異なります。
  8. マニュアルは作って終わりではなく、職員周知、訓練、記録、見直しまで行うことが重要です。
宮城県・仙台市で放課後等デイサービスの新規開業を検討している法人・個人の方
非常災害対策計画は作ったが、防災マニュアルとの違いが分からない方
地震・火災だけでなく、洪水・土砂災害・津波・送迎中の対応まで整理したい方
開業後の運営指導で確認される防災関連書類を把握しておきたい方
目次

放課後等デイサービスの防災マニュアルとは?

防災マニュアルは、災害が起きた際の具体的な行動手順をまとめたものです。

例えば、大きな地震が発生したときに、

  • 誰が児童の安全確保をするのか
  • 誰が出入口を確保するのか
  • 誰が人数確認をするのか
  • 誰が情報収集をするのか
  • どの条件で避難を開始するのか
  • どこへ避難するのか
  • 誰が保護者へ連絡するのか
  • 送迎車両はどこへ避難するのか

を、その場で初めて考えるのでは遅い場合があります。

防災マニュアルの役割は、平常時に判断基準と役割分担を決めておき、災害時の迷いをできるだけ減らすことにあります。

単なる「避難経路を書いた紙」でも、「消防計画のコピー」でもありません。利用児童の安全を守るための実務手順として作成するものです。

防災マニュアルは必ず必要?

指定通所支援の運営基準では、非常災害対策として、次のような内容が求められています。

  • 消火設備その他の非常災害に際して必要な設備
  • 非常災害に関する具体的計画
  • 非常災害時の関係機関への通報・連絡体制
  • これらの従業者への定期的な周知
  • 定期的な避難、救出その他必要な訓練

ただし、2026年8月時点で確認した指定基準上、「防災マニュアル」という名称の独立した文書を全国一律に作成することそのものが規定されているわけではありません。

したがって実務では、次のように理解しておくと分かりやすいでしょう。

非常災害に関する具体的計画等の内容を、職員が実際に動けるレベルまで具体化した手順書として、防災マニュアルを整備する。

重要なのは文書の名前ではなく、実際に災害が起きたときに機能する内容になっているかどうかです。

非常災害対策そのものについては、放課後等デイサービスの非常災害対策とは?避難計画・訓練・消防対応を解説もあわせてご確認ください。

なぜ放課後等デイサービスに防災マニュアルが必要?

放課後等デイサービスには、一般の事務所とは異なる事情があります。

児童は学校終了後に複数の学校から集まり、事業所内で活動したのち、車両で自宅へ送迎されるのが一般的です。つまり、災害が起きる場所は「事業所内」とは限りません。

さらに、利用児童によっては次のような事情もあります。

  • 大きな音に強い不安を感じる
  • 非常ベルでパニックになる
  • 危険を理解しにくい
  • 突然走り出す
  • 言葉だけの指示が伝わりにくい
  • 車いすを利用している
  • 歩行に介助が必要
  • 医療機器を使用している
  • 常用薬が必要

そのため、一般的な「地震が起きたら避難する」という計画だけでは足りません。誰を、誰が、どの方法で、安全に避難させるのかまで考えておく必要があります。

防災マニュアルには何を書く?

防災マニュアルは、少なくとも次の項目を整理すると実務で使いやすくなります。

基本情報

  • 事業所名・所在地
  • 管理者
  • 防災担当者・代行者
  • 職員の緊急連絡先
  • 利用定員
  • 建物の構造・使用階
  • 消防設備
  • 指定緊急避難場所・指定避難所等
  • 災害別の避難先
  • 避難経路・代替経路

災害発生時の役割分担

  • 全体指揮
  • 119番・110番通報
  • 初期消火
  • 避難誘導
  • 救出・介助
  • 応急救護
  • 児童・職員の人数確認
  • 保護者連絡
  • 学校・行政・法人本部等への連絡
  • 非常持出品・備蓄の搬出

災害別の行動手順

  • 地震
  • 火災
  • 洪水・内水氾濫
  • 土砂災害
  • 津波
  • 台風・暴風
  • 大雪・路面凍結
  • 停電
  • 断水

放課後等デイサービス特有の項目

  • 学校迎え中の災害対応
  • 自宅送迎中の災害対応
  • 車両ごとの避難先
  • 児童の所在確認
  • 保護者への連絡
  • 引渡しルール
  • 障害特性別の配慮
  • 医療的ケア児への対応
  • 個別の服薬・医療情報
  • 車両内備蓄

なお、これらすべてが「防災マニュアル」という名称の文書に法令上の個別記載義務として定められているわけではありません。指定基準上の必須事項と、実効性を高めるための実務上の推奨事項を分けて整備することが大切です。

災害別の備えと対応

地震への備え

宮城県では大規模地震を経験していることもあり、地震対策は特に重要です。

揺れている最中

まず優先するのは児童と職員の身の安全です。

  • 机等が利用できる場合は頭部を保護する
  • 窓ガラス、棚、テレビ等の転倒しやすい家具から離れる
  • 児童の飛び出しを防ぐ
  • 無理に屋外へ飛び出さない
  • 火元確認は安全を確保してから行う

感覚過敏やパニックがある児童については、普段から「地震のときの姿勢」「避難時の合図」を絵カード等で練習しておくことも考えられます。

揺れが収まった後

  • 児童・職員の負傷状況を確認
  • 利用児童の人数を確認
  • 出入口を確保
  • 火災・ガス臭・漏水等を確認
  • 建物の損傷状況を確認
  • 気象庁、自治体、防災無線等から情報収集
  • 避難が必要か判断
  • 保護者へ状況を連絡

建物内に留まることが危険であれば避難しますが、屋外にも落下物、倒壊物、電線等の危険があります。事前に避難経路を歩いて確認しておきましょう。

大きな地震が発生 まず身の安全を確保する(机の下等) 揺れがおさまるのを待つ 負傷者の確認・児童の人数確認 出入口の確保・火災やガス漏れの確認 気象庁・自治体等から情報収集 避難の要否を判断する 保護者へ状況を連絡する

その後

  • 余震への警戒
  • 保護者への引渡し
  • 避難先への移動
  • 送迎の中止・変更
  • 事業継続・臨時休業判断
  • 建物・設備の安全確認

までを想定します。

火災への備え

火災発生時は、初期消火だけに意識が向くと避難開始が遅れる危険があります。基本的な流れは、次のとおりです。

  1. 火災を発見する
  2. 周囲へ知らせる
  3. 119番通報する
  4. 可能な範囲で初期消火する
  5. 児童を避難誘導する
  6. 人数を確認する
  7. 消防隊へ逃げ遅れ・出火場所等を伝える

初期消火は、職員自身の安全を確保できる範囲で行います。炎や煙が拡大している場合に、避難を遅らせてまで消火を続けるべきではありません。

消防計画の作成や防火管理者の選任が必要かどうかは、放課後等デイサービスであることだけで一律に決まるものではありません。建物用途、収容人員、複合用途、建物全体の状況等を踏まえて所轄消防署へ確認します。

消防法関係については、放課後等デイサービス開業と消防法も参考にしてください。

風水害への備え

台風や大雨は、地震と異なり事前に予測できる場合があります。そのため防災マニュアルでは、「発生してからどうするか」だけでなく、いつ事業所を休業するか、いつ送迎を中止するか、いつ保護者へ連絡するかといった事前判断を決めておくことが重要です。

確認する情報としては、次のようなものがあります。

  • 気象警報・注意報
  • 自治体の避難情報
  • 河川水位・洪水情報
  • 土砂災害に関する情報
  • 道路通行止め
  • 公共交通の運休
  • 学校の休校・下校時刻変更

警報が出てから全員を一斉に帰宅させるのではなく、道路状況や保護者の迎えの可否も踏まえ、早めの判断を行える仕組みを作ります。

洪水・内水氾濫への対応

洪水と内水氾濫は同じではありません。洪水は河川の氾濫等による浸水、内水氾濫は下水道等の排水能力を超える大雨などによって市街地に水がたまる現象です。

仙台市では、洪水・土砂災害に加え、内水浸水想定区域図も公開されています。確認したい項目は、次のとおりです。

  • 事業所が浸水想定区域に入るか
  • 想定浸水深
  • 建物の階数
  • 最寄りの避難場所
  • 避難場所までの道路が冠水しないか
  • 送迎ルートにアンダーパスや低地がないか

水が道路に流れ始めてからの徒歩・車移動は危険になる場合があります。早期避難を基本にしつつ、外へ出る方が危険な場合の屋内安全確保や垂直避難も事前に検討します。

土砂災害への対応

事業所が土砂災害警戒区域等にある場合だけでなく、避難先までの道路や送迎ルートが区域を通る場合にも注意が必要です。防災マニュアルでは、次の内容を整理します。

  • 土砂災害の危険区域
  • 避難情報を確認する担当者
  • 避難開始の判断基準
  • 斜面から離れた避難先
  • 通行できない場合の代替ルート

大雨時には、普段使用している道が危険になることがあります。地図上だけでなく、実際に道路状況を確認しておくことが重要です。

津波への対応

宮城県沿岸部、仙台市沿岸部では津波対策が重要です。一方、内陸部の事業所まで一律に同じ津波対応を求めるのではなく、事業所・学校・送迎ルート・外出先が津波の影響を受ける区域かを確認して決めます。

津波対応では、次のような内容を事前に確認します。

  • 津波浸水想定
  • 津波警報・大津波警報
  • 津波避難エリア
  • 津波避難施設
  • 高台までの避難経路
  • 車両から降りて避難する基準
  • 車避難による渋滞リスク

仙台市のハザード情報では、2026年3月23日に宮城県が津波防災地域づくりに関する法律に基づく津波災害警戒区域を指定したことも案内されています。沿岸部で物件を検討する場合は、古い資料だけで判断せず最新情報を確認してください。

台風・暴風への対応

台風や暴風では、建物内にいても飛来物や窓ガラス破損の危険があります。次の内容を決めておきます。

  • 屋外活動を中止する基準
  • 窓際から児童を離す
  • 屋外の飛散物を事前に固定・撤去する
  • 停電に備える
  • 送迎中止・早期帰宅の判断
  • 保護者への事前連絡

特に、利用開始後に警報級の天候となる見込みが高い場合は、「迎えに行ってから考える」のではなく、学校迎え前の段階で利用中止や保護者引取りへの切替を判断できるようにしておきましょう。

大雪・積雪・路面凍結への対応

宮城県では冬季の積雪や路面凍結が送迎に大きく影響します。防災マニュアルには、次の内容を入れておくと実務的です。

  • 積雪・凍結時の送迎可否
  • スタッドレスタイヤ等の車両対策
  • 通行を避ける坂道・狭路
  • 代替送迎ルート
  • 事業所入口の除雪
  • 転倒防止
  • 送迎中止・利用中止の基準
  • 保護者への連絡方法

「雪が降ったら必ず休業」など一律に決めるのではなく、地域、道路、運転者、車両、利用児童の状況を踏まえた判断基準を整備します。

停電への対応

停電すると、単に照明が消えるだけではありません。次のようなものが使えなくなる可能性があります。

  • 冷暖房
  • 電話
  • Wi-Fi
  • パソコン・電子記録
  • 自動ドア
  • エレベーター
  • 冷蔵庫
  • 医療機器
  • 充電式機器

特に医療的ケア児が利用する場合は、電源が必要な機器の有無、内蔵バッテリーの持続時間、予備電源、避難先での電源確保等を個別に確認します。

断水への対応

断水時には、次のような点に影響します。

  • 飲料水
  • トイレ
  • 手洗い
  • 食事
  • 清掃
  • 衛生管理
  • 感染症対策

備蓄水は、単に「人数×飲料水」だけでなく、事業所でどの程度の時間待機する可能性があるか、トイレをどうするか、食事提供があるか等を踏まえて考えます。

災害別ポイント早見表

災害主な確認事項特に注意したい点
地震建物の耐震性、家具の転倒防止、避難経路屋外の落下物・倒壊物にも注意
火災初期消火の範囲、避難誘導、119番通報消火より避難優先の判断基準
洪水・内水氾濫浸水想定区域、想定浸水深、避難路の冠水道路が冠水する前の早期避難
土砂災害警戒区域、避難先までのルート普段使う道が危険化する場合あり
津波浸水想定、高台までの避難経路車避難による渋滞リスク
台風・暴風飛来物対策、休業・送迎中止基準警報級の見込みは事前判断が重要
大雪・路面凍結送迎可否基準、代替ルート、除雪坂道・狭路の通行回避
停電電源が必要な設備・医療機器の把握医療的ケア児は個別に確認
断水飲料水・トイレ・衛生管理への影響待機時間を踏まえた備蓄量

避難場所・避難経路の考え方

避難場所はどう決める?

避難先を「近くの小学校」と決めるだけでは不十分な場合があります。自治体の防災情報では、次のように名称が似ていても役割が異なる施設があります。

  • 指定緊急避難場所
  • 指定避難所
  • 津波避難施設
  • 福祉避難所

また、福祉避難所は災害時に必ず直接避難できる場所とは限りません。自治体の開設・受入ルールを確認してください。

災害別に「どこへ逃げるか」を考えることも重要です。洪水時に川沿いの避難先へ向かったり、津波時に海側へ移動したりする計画になっていないか確認します。

避難経路は1つでよい?

実務上は複数の経路や代替避難先を検討することが望ましいです。次のようなことが起こり得るためです。

  • 火災で正面玄関が使えない
  • 地震で塀が倒壊した
  • 洪水で道路が冠水した
  • 土砂災害で道路が通行不能
  • 電柱・電線が倒れた

ただし、「法律上必ず2ルート必要」と一律に断定するものではありません。建物・消防法令上の避難経路要件は別途確認したうえで、防災マニュアルでは実際の災害時に使える代替手段を考えます。

ハザードマップをどう活用する?

ハザードマップは、物件契約前から確認したい資料です。少なくとも、次の場所は確認しましょう。

  • 事業所所在地
  • 第1避難先までの経路
  • 第2避難先までの経路
  • 学校周辺
  • よく使う送迎ルート
  • 公園などの主な外出先

仙台市では「仙台市総合ハザードマップ」等により、地震、津波、洪水、ため池、土砂災害、内水などを確認できます。

なお、ハザードマップは将来起こる災害を完全に予測するものではありません。区域外だから安全と決めつけず、周辺地形や過去の冠水、道路条件も確認します。

物件選びについては、放課後等デイサービスの物件選びの記事も参考にしてください。

送迎中に災害が起きた場合

放課後等デイサービスで特に見落としやすいのが送迎中です。

例えば学校から事業所へ向かう途中に大地震が起き、事業所へ戻る道路が通れなくなる可能性があります。沿岸部では津波警報により、事業所へ戻ること自体が危険な場合もあります。

そこで、車両ごとに、次の内容を決めておくと有効です。

  • 想定する避難場所
  • 運転者が単独で判断できる範囲
  • 車両を停止する場所
  • 津波時に車両を離れる基準
  • 事業所への連絡方法
  • 保護者への連絡方法
  • 乗車児童の人数確認
  • 車内備蓄
送迎中に災害が発生(地震・津波警報等) 車両を安全な場所に停止させる 乗車している児童の安全を確保する 乗車人数を確認する 状況に応じて避難場所へ移動、または車内で待機する 事業所へ状況を連絡する 保護者へ連絡し、引渡し方法を確認する

送迎表には児童の氏名だけでなく、災害時に必要となる最低限の緊急情報を、個人情報保護に配慮した方法で確認できるようにしておきます。

保護者への連絡・引渡し・安否確認

保護者への連絡

災害時は携帯電話がつながりにくくなる場合があります。電話だけに依存せず、次のような複数の連絡手段を検討します。

  • SMS
  • メール
  • 連絡アプリ
  • 災害用伝言サービス
  • 事業所ホームページ
  • 法人のSNS等

ただし、特定のサービス利用が指定基準上必須という意味ではありません。「災害時はこの手段を第1順位、第2順位とする」と保護者へあらかじめ周知しておくと混乱を減らせます。

児童の引渡し

災害時には、通常の送迎を中止し、保護者へ事業所や避難先まで迎えに来てもらう場合があります。事前に、次の内容を決めておきます。

  • 原則として誰へ引き渡すか
  • 保護者以外へ引き渡す場合の条件
  • 本人確認方法
  • 引渡し場所
  • 引渡し時刻
  • 引渡し記録
  • 保護者が来られない場合の対応

特に大規模災害では、保護者が勤務先からすぐに移動できない場合があります。「連絡がつかなければ自宅へ送る」といった一律対応が危険になることもあります。

安否確認

災害時の安否確認は、まず現在事業所が預かっている児童と職員の所在確認が最優先です。さらに実務では、次のような対象も確認できる仕組みが必要です。

  • 送迎車両に乗っている児童
  • 学校で引渡し前の児童
  • 外出活動中の児童
  • 出勤予定職員

欠席児童について、どこまで事業所が安否確認するかは法令上の一律義務とは別に、法人方針や地域状況に応じて決めておくとよいでしょう。

障害特性・医療的ケアに応じた対応

障害特性に応じた避難

防災マニュアルは全員同じ動きにすることを目的とするものではありません。例えば、次のような個別対応を考えます。

  • 車いす利用児は段差・階段の移動方法を検討
  • 歩行困難児は介助者を決める
  • 感覚過敏がある児童はイヤーマフ等を準備
  • 非常ベルに強い恐怖がある児童は個別誘導
  • 飛び出しのある児童は担当職員を明確化
  • 聴覚障害がある児童には視覚的な指示
  • 視覚障害がある児童には声掛け・誘導方法を統一
  • 言語理解が難しい児童には絵カード・写真等を活用

安全計画や個別支援情報と整合させることも重要です。

医療的ケア児の防災

医療的ケア児が利用する場合は、一般的な防災用品だけでは不十分なことがあります。保護者、主治医、看護職員等と確認しながら、次の内容を整理します。

  • 医療機器
  • バッテリー
  • 予備電源
  • 酸素
  • 吸引に必要な物品
  • 常用薬
  • 緊急連絡先
  • 医療機関
  • 避難時に必要な持出品

医療的ケアの内容は児童ごとに異なるため、マニュアルだけで一般化せず、個別の指示・計画と連動させます。

防災備蓄

防災備蓄には何を用意する?

実務上の例としては、次のようなものが考えられます。

飲料水・保存食・簡易トイレ・衛生用品
救急用品・児童ごとの常用薬・必要物品
懐中電灯・乾電池・モバイルバッテリー・携帯ラジオ
毛布・防寒用品・マスク・手袋・ウェットティッシュ
紙の緊急連絡先・児童の緊急時情報
ヘルメット・防災頭巾等・車両用の備蓄

必要品は事業所の災害リスクと利用児童によって変わります。

備蓄は何日分必要?

「放課後等デイサービスは必ず3日分」「必ず7日分」と、指定基準上の全国一律の最低量として断定するのは適切ではありません。

行政の一般防災情報では家庭等に対して複数日分の備蓄を推奨する例がありますが、事業所としては、次の内容を踏まえて必要量を設定します。

  • 利用児童数
  • 職員数
  • 営業時間
  • 帰宅困難となる可能性
  • 保護者引渡しまでの時間
  • 避難先
  • 地域の孤立リスク
  • BCPで想定する業務継続期間

防災マニュアルでは「災害直後の安全確保・待機」に必要な備蓄を中心にし、BCPではその後の事業継続に必要な物資も考えます。

防災備蓄とBCP備蓄の違い

防災備蓄とBCP備蓄は完全に別物ではありません。防災マニュアル側では、避難・安全確保・一時待機・保護者引渡しに必要な物品が中心です。BCPでは加えて、サービス継続、代替拠点、職員参集、記録・通信、事業再開まで考えます。

同じ水やバッテリーを「防災用」「BCP用」と二重に購入する必要はありません。備蓄一覧を一元管理し、目的と必要量を整理すると運用しやすくなります。

BCPについては、放課後等デイサービスのBCPとは?業務継続計画の作成・研修・訓練を解説をご覧ください。

防災マニュアルと関連する規程・計画との違い

防災マニュアルは、他の規程・計画と競合するものではなく、それぞれ役割を分担しながら組み合わせて機能するものです。全体像は次の図のとおりです。

防災マニュアル (実務手順書) 非常災害対策計画 (上位計画) 消防計画 (消防法令) BCP (事業継続計画) 安全計画 (年間の安全確保計画) 避難確保計画 (対象施設のみ)

防災マニュアルと非常災害対策計画の違い

項目防災マニュアル非常災害対策計画
主な役割職員が実際に行動するための具体手順指定基準上求められる非常災害に関する具体的計画
地震災害別手順を具体化想定災害として計画
火災通報・避難等を具体化設備・通報・避難等を計画
風水害休業・早期避難等を具体化所在地の災害リスクに応じて計画
通報・連絡体制誰がどこへ連絡するかまで具体化体制整備が必要
避難・救出職員ごとの行動を具体化定期的な訓練が必要
訓練マニュアルの実効性を検証指定基準に基づく訓練を実施

両者は競合するものではありません。非常災害対策計画を上位計画として、防災マニュアルで行動レベルまで具体化する形も考えられます。

防災マニュアルと消防計画の違い

項目防災マニュアル消防計画
主な目的災害全般の実務対応消防法令上の防火管理・消防対応
地震対象内容に含む場合あり
火災対象中心
洪水・津波等所在地に応じ対象通常は別の防災計画等も検討
法的位置付け独立文書名として全国一律義務ではない防火管理義務等の対象では法令に基づき作成・届出

消防計画があるから、防災マニュアルや指定基準上の非常災害対策が不要になるわけではありません。

防災マニュアルとBCPの違い

項目防災マニュアルBCP
主な目的災害直後の安全確保・避難必要な支援の継続・早期再開
初動中心含む
避難中心関連事項として扱う
業務継続主目的ではない中心
備蓄安全確保・待機中心継続運営も考慮

BCPがあっても、防災マニュアルの役割がなくなるわけではありません。

防災マニュアルと安全計画の違い

安全計画は、設備の安全点検、日常生活・事業所外活動の安全、職員の研修・訓練等を年間を通じて計画的に行うものです。防災マニュアルは、その中でも特に災害発生時の具体的行動に焦点を当てます。

安全計画は2024年4月1日から義務化されています。詳しくは、放課後等デイサービスの安全計画とは?策定・研修・訓練・保護者周知を解説をご覧ください。

防災マニュアルと避難確保計画の違い

避難確保計画は、すべての放課後等デイサービスに一律で必要なものではありません。水防法や土砂災害防止法等の対象となる要配慮者利用施設では、所在地や市町村地域防災計画上の位置付け等に応じ、避難確保計画の作成・訓練等が義務となる場合があります。

仙台市では、洪水浸水想定区域や土砂災害警戒区域等の対象となる要配慮者利用施設について、避難確保計画の作成・提出や訓練を求めています。仙台市の案内では、対象施設の避難確保計画に基づく訓練は年1回以上とされています。

したがって、「防災マニュアルを作ったので避難確保計画は不要」とは考えないようにしてください。

防災訓練の考え方

防災訓練は年何回必要?

「防災マニュアルの訓練は年◯回」とひとまとめにするのは適切ではありません。制度ごとに確認します。

指定基準上の非常災害訓練

指定基準では、非常災害に備えて定期的に避難、救出その他必要な訓練を行うことが求められています。

消防法令上の訓練

防火管理、用途、収容人員等によって消防法令上必要となる消火・避難訓練等が異なります。所轄消防署へ確認してください。

避難確保計画上の訓練

対象施設では、避難確保計画に基づく訓練が必要です。仙台市では年1回以上の訓練実施と実施結果報告を案内しています。

つまり、「年1回やれば全部の制度を満たす」とは限りません。

防災訓練では何を確認する?

訓練では、単に建物の外へ出るだけでなく、次のような要素を組み合わせます。

  • 職員の役割分担
  • 119番通報
  • 児童の避難誘導
  • 人数確認
  • 避難先までの所要時間
  • 車いす等の介助
  • 保護者連絡
  • 医療的ケア児の持出品
  • 送迎中を想定した連絡
  • 停電時の行動
  • 通信障害時の連絡

訓練後は「できた・できなかった」を記録し、防災マニュアルを修正するところまでが重要です。

机上訓練も活用する

すべての災害を実地訓練だけで再現することは困難です。例えば、次のような想定は、図上訓練やケース検討、ロールプレイが有効です。

  • 送迎中に震度6強の地震
  • 津波警報で事業所へ戻れない
  • 大雨で第1避難経路が冠水
  • 停電と通信障害が同時発生

BCPの研修資料でも机上訓練が活用されています。ただし、制度上実地訓練が求められているものを、机上訓練だけで置き換えられるとは限りません。制度ごとの要件を確認します。

マニュアルの見直し・減算・運営指導

防災マニュアルは定期的に見直す

見直しのきっかけとしては、次のようなものがあります。

  • 実際に災害が発生した
  • 避難訓練で問題が見つかった
  • ハザードマップが更新された
  • 建物を改修した
  • 職員が入れ替わった
  • 送迎ルートが変わった
  • 利用児童が変わった
  • 医療的ケアの内容が変わった
  • 避難先が変更された

「作成年月日だけ更新した同じマニュアル」にならないよう、実態に合わせて修正します。

防災マニュアルに減算はある?

2026年8月時点で、放課後等デイサービスの報酬制度において、「防災マニュアル未整備減算」という名称の独立した減算を前提に運用する制度とは整理されていません。また、「防災訓練未実施減算」という独立名称の減算と、指定基準上の非常災害対策義務は分けて考える必要があります。

一方で、BCPについては業務継続計画の策定等が運営基準上義務化され、報酬上の取扱いも別途設けられています。「減算がないなら整備しなくてよい」という意味ではありません。指定基準違反、消防法令上の問題、水防法等に基づく義務違反と、報酬上の独立した減算は別の問題です。

運営指導では何を確認される?

運営指導では、自治体の確認項目や事業所の状況により異なりますが、防災・非常災害関係として準備しておきたいものは、次のとおりです。

  • 非常災害に関する具体的計画
  • 防災マニュアル等の実務文書
  • 緊急連絡体制
  • 避難先・避難経路
  • 訓練実施記録
  • 職員への周知記録
  • 消防計画・消防署関係書類
  • 消防設備点検関係書類
  • ハザード確認資料
  • 避難確保計画・訓練報告(対象施設)
  • BCP
  • 安全計画

「書類があるか」だけでなく、実際に職員へ周知し、訓練し、見直しているかを説明できるようにしておきましょう。

法令上の必須事項と実務上の推奨事項

整理すると、次のように考えると分かりやすくなります。

指定基準上必要な事項

  • 非常災害に必要な設備
  • 非常災害に関する具体的計画
  • 関係機関への通報・連絡体制
  • 職員への周知
  • 定期的な避難・救出その他必要な訓練
  • BCP、安全計画等の各制度上必要な事項

消防法令等で対象に応じて必要な事項

  • 防火管理者
  • 消防計画
  • 消防訓練
  • 消防設備
  • 各種届出

水防法・土砂災害防止法等で対象施設に必要な事項

  • 避難確保計画
  • 避難訓練
  • 自治体への提出・報告等

防災マニュアルとして実務上追加すると有効な事項

  • 災害別アクションカード
  • 役割分担表
  • 児童別避難支援カード
  • 車両別避難先
  • 送迎ルートハザードマップ
  • 引渡しカード
  • 備蓄管理表
  • 防災用品点検表
  • 紙の緊急連絡先
  • 災害用伝言サービスの利用方法

これらの実務書類をすべて独立ファイルにする必要はありません。事業所が使いやすい形に整理しましょう。

開業前にはどこまで整備すればよい?

時期整備・実施すること
物件検討時洪水・土砂・津波・内水等のハザード、避難経路、消防・建築条件を確認
契約前必要に応じ消防署・建築関係部署へ相談
指定申請前非常災害対策計画、消防関係、防災関係書類の準備状況を確認
開業前防災マニュアル、役割分担、緊急連絡先、避難先、備蓄、引渡しルールを整備
開業前後職員へ周知し訓練を実施
開業後訓練・設備点検・備蓄点検を継続
災害・訓練後課題を記録しマニュアルを更新

建物については、防災だけでなく建築基準法上の用途・避難・改修等も確認が必要です。詳しくは放課後等デイサービス開業と建築基準法等、関連する建物記事もあわせて確認してください。

宮城県・仙台市で開業する場合の確認ポイント

仙台市内

仙台市では、総合ハザードマップ等で、地震、津波、洪水、土砂災害、内水、ため池等を確認できます。

特に物件契約前には、住所を入力して「事業所が区域内に入っているか」だけでなく、避難先までの道路や送迎ルートにも危険がないか確認してください。

また、洪水浸水想定区域・土砂災害警戒区域等の要配慮者利用施設では、仙台市地域防災計画上の位置付け等を確認し、避難確保計画の対象となるか確認します。

指定申請・運営関係では、仙台市の障害児通所支援担当部署、集団指導・運営指導資料等の最新版も確認してください。

仙台市を除く宮城県内

宮城県内では、宮城県のハザード情報に加えて、事業所所在地の各市町村が公開する、ハザードマップ、地域防災計画、指定緊急避難場所・指定避難所、要配慮者利用施設に関する情報、消防本部の手続を確認します。

沿岸部、河川周辺、山間部、豪雪の影響を受けやすい地域などでは、必要な対策が異なります。

宮城県と仙台市で指定基準自体に違いがない部分について、無理に地域差を作る必要はありません。一方、提出窓口、様式、避難確保計画、防災情報等は地域ごとに確認します。

放課後等デイサービス防災マニュアルでよくある間違い

  • 火災しか想定していない — 消防訓練だけで防災全体をカバーしたことにはなりません。所在地に応じて地震、洪水、土砂災害、津波等を確認します。
  • ハザードマップを確認していない — 物件契約後に浸水想定区域等だと分かると、避難計画や設備、保護者説明にも影響します。
  • 避難先を現地確認していない — 地図上では近くても、階段、狭い道路、急坂、横断歩道等が児童の避難に適さない場合があります。
  • 避難経路が1つしかない — 災害時に道路が使えないことを想定し、代替ルートを検討します。
  • 職員の役割が曖昧 — 「みんなで避難誘導」では、通報、人数確認、持出し等が抜けることがあります。
  • 保護者引渡しルールがない — 誰に、どこで、どう確認して引き渡すかを決めておきます。
  • 送迎中対応がない — 事業所外で児童を預かっている時間も重要です。
  • 医療的ケア児の電源対策がない — 停電と避難を同時に考える必要があります。
  • 備蓄の期限が切れている — 購入しただけでなく定期点検を行います。
  • BCPと防災マニュアルを同一視している — 安全確保と事業継続では主目的が異なります。
  • 消防計画があるから防災マニュアルは不要と考える — 消防法令上の計画と、災害全般の実務対応は分けて考えます。
  • 訓練記録がない — 実施日、参加者、想定、課題、改善事項を残します。
  • 何年も更新していない — 利用児童、職員、送迎ルート、ハザード情報が変わればマニュアルも見直します。

開業・運営チェックリスト

  • 事業所所在地の地震・洪水・内水・土砂・津波等のハザードを確認した
  • 避難先を災害別に確認した
  • 避難先まで実際に歩いて確認した
  • 代替避難経路を検討した
  • 非常災害に関する具体的計画を整備した
  • 防災マニュアルに職員の役割分担を記載した
  • 119番等の通報担当を決めた
  • 利用児童の人数確認方法を決めた
  • 保護者への連絡方法を複数検討した
  • 保護者への引渡しルールを決めた
  • 送迎中の災害対応を決めた
  • 車両ごとの避難先を確認した
  • 障害特性に応じた避難支援方法を整理した
  • 医療的ケア児の電源・薬・医療機器等を個別確認した
  • 防災備蓄を整備した
  • 備蓄の期限管理方法を決めた
  • 消防計画・防火管理者等の要否を消防署へ確認した
  • 避難確保計画の対象施設か確認した
  • BCP・安全計画と内容を整合させた
  • 職員へ周知した
  • 訓練を実施し記録した
  • 訓練後にマニュアルを見直した

よしだ行政書士事務所が放課後等デイサービスの防災マニュアル整備を支援します

  • 指定基準上必要な非常災害対策計画・運営規程の整備
  • ハザード情報を踏まえた防災マニュアルの作成支援
  • 非常災害対策計画・消防計画・BCP・安全計画との整合確認
  • 宮城県・仙台市それぞれの指定申請・運営指導への対応

宮城県名取市を拠点に、宮城県全域を中心に東北6県からのご相談に対応しています。オンライン相談、訪問相談、土日祝日の予約相談も可能です。

まとめ

放課後等デイサービスの防災マニュアルで最も重要なのは、「防災マニュアルという書類を1冊作ること」ではありません。

事業所所在地や送迎ルートのハザードを確認し、災害ごとの行動を決め、職員の役割を決め、避難先・避難経路を確認し、保護者への連絡・引渡し、備蓄、障害特性に応じた支援方法まで具体化することが重要です。

そして、次の流れで運用していきます。

  1. ハザードを確認する
  2. 災害ごとの対応を決める
  3. 職員の役割を決める
  4. 避難先・避難経路を確認する
  5. 送迎中対応を決める
  6. 保護者連絡・引渡し方法を決める
  7. 備蓄を整える
  8. 職員へ周知する
  9. 訓練する
  10. 訓練・災害後に見直す
  11. 非常災害対策計画・BCP・安全計画等と整合させる

放課後等デイサービスの開業時は、防災だけでなく、人員基準、設備基準、消防法、建築基準法、運営規程、非常災害対策、BCP、安全計画等を同時並行で整備する必要があります。

指定申請については、放課後等デイサービス 指定申請の流れ・必要書類・審査もあわせて確認してください。

当事務所では、宮城県・仙台市で放課後等デイサービスの新規開業を検討している事業者向けに、指定申請、開業準備、規程・指針・計画・マニュアル類の整備について相談を受け付けています。

よくある質問

防災マニュアルは必ず必要ですか?
「防災マニュアル」という名称の独立文書を全国一律に作成する義務があるわけではありませんが、指定基準では非常災害に関する具体的計画の策定や、通報・連絡体制の整備、職員への周知、定期的な訓練が求められています。これらの内容を、職員が実際に動けるレベルまで具体化した手順書として整備することが実務上重要です。
非常災害対策計画と防災マニュアルは同じですか?
完全に同じではありません。非常災害対策計画は指定基準上の計画にあたり、防災マニュアルはその内容を職員の具体的な行動へ落とし込む実務文書として整理すると分かりやすくなります。
消防計画があれば防災マニュアルは不要ですか?
不要にはなりません。消防計画は消防法令上の防火管理等を中心とした計画であり、洪水や津波、送迎中の災害、保護者への引渡しなどまで含む防災実務とは目的や範囲が異なります。
地震・火災以外も想定する必要がありますか?
必要です。事業所所在地のハザードに応じて、洪水、内水氾濫、土砂災害、津波、台風、大雪なども検討することが重要です。
送迎中の災害対応も必要ですか?
重要です。放課後等デイサービスでは児童を車両で預かっている時間が長いため、車両ごとの避難先や連絡方法をあらかじめ決めておく必要があります。
保護者への引渡しルールは必要ですか?
実務上、事前に決めておくことが重要です。保護者以外へ引き渡す場合の条件、本人確認の方法、引渡し場所や記録の取り方なども検討しておきます。
防災備蓄は何日分必要ですか?
指定基準上、全国一律の最低量として「必ず◯日分」と単純化されているわけではありません。利用児童数や職員数、保護者への引渡しまでにかかる時間、地域のリスクなどを踏まえて必要量を設定します。
防災訓練は年何回必要ですか?
制度ごとに異なります。指定基準上は定期的な避難・救出等の訓練、消防法令上は対象に応じた訓練、避難確保計画の対象施設では同計画に基づく訓練が必要です。仙台市の避難確保計画対象施設では、年1回以上の訓練実施が案内されています。
宮城県と仙台市で違いはありますか?
指定基準の基本的な考え方は共通していますが、申請窓口や様式、運営指導、ハザード情報、避難確保計画の提出先などは地域によって異なります。事業所の所在地に応じて、宮城県または仙台市の最新情報を確認することが大切です。
防災マニュアル以外にどんな規程・計画を整備すればよいですか?
放課後等デイサービスの開業では、防災マニュアルのほかにも運営規程、非常災害対策計画、BCP、安全計画、身体拘束等の適正化に関する指針など、複数の規程・計画を整備する必要があります。全体像については、規程・指針・計画・マニュアル群の総合ガイド記事もあわせてご確認ください。
凡例・注釈
法令上必要:指定基準、消防法令、水防法等により、対象事業者・対象施設に義務付けられる事項。
条件付きで必要:建物条件、収容人員、区域指定、市町村地域防災計画上の位置付け等により義務の有無が変わる事項。
実務上推奨:全国一律の独立した法定書類・法定項目とは限らないものの、災害時の安全確保や運営実務上、整備が有効な事項。

参考資料

  1. 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(国)/非常災害対策、業務継続計画、安全計画等/https://laws.e-gov.go.jp/law/424M60000100015(最終確認日:2026年8月26日)
  2. 障害福祉サービス事業所等における自然災害発生時の業務継続ガイドライン(厚生労働省)/自然災害BCP、防災計画との関係、平時の備え、災害発生時対応/https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17517.html(最終確認日:2026年8月26日)
  3. 障害児支援における安全管理について(こども家庭庁)/安全計画、職員周知、研修・訓練、見直し/こども家庭庁公表資料(最終確認日:2026年8月26日)
  4. 要配慮者利用施設における円滑かつ迅速な避難のために(国土交通省)/避難確保計画、対象となる要配慮者利用施設、訓練・報告/国土交通省公表資料(最終確認日:2026年8月26日)
  5. 要配慮者利用施設における避難確保計画作成の義務化について(仙台市)/対象施設、避難確保計画の作成・提出、年1回以上の訓練、訓練結果報告/https://www.city.sendai.jp/kekaku/…(最終確認日:2026年8月26日)
  6. 仙台防災ハザードマップ(仙台市)/洪水、土砂災害、地震、津波、避難、最新の区域情報/https://www.city.sendai.jp/anzensuishin/…(最終確認日:2026年8月26日)
  7. ハザードマップ等(各種災害の危険予測地図)(仙台市)/地震、津波、洪水、ため池、土砂災害、内水等を確認できる総合ハザード情報/https://www.city.sendai.jp/kikikanri/…(最終確認日:2026年8月26日)
  8. 仙台市内水浸水想定区域図(仙台市)/内水氾濫と洪水の違い、内水浸水想定区域/https://www.city.sendai.jp/gesuido-kekaku/…(最終確認日:2026年8月26日)
  9. 小規模社会福祉施設における避難訓練等指導関係資料(総務省消防庁)/初期消火・避難誘導時の安全確保、消防計画を踏まえた訓練/https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/items/220313_yo130.pdf(最終確認日:2026年8月26日)

情報確認日:2026年8月26日

本記事は2026年8月26日時点で確認できる法令・行政資料をもとに、放課後等デイサービスの開業・運営実務を一般向けに整理したものです。

指定申請時の提出書類、消防法令上の取扱い、防火管理者・消防計画の要否、避難確保計画の対象、運営指導の確認方法等は、建物、所在地、区域指定、自治体の運用、制度改正等によって異なる場合があります。

実際の開業・運営にあたっては、宮城県、仙台市、所在地市町村、所轄消防署、建築関係部署等の最新資料・個別案内をご確認ください。

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