放課後デイサービス加算について解説

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放課後等デイサービスの加算を詳しく解説|収入・人員加算・処遇改善加算の考え方

放課後等デイサービスの収入は、基本報酬だけで決まるわけではありません。職員を基準より手厚く配置する、専門職による支援を行う、家族や学校等と連携する、送迎を実施するなど、日々の支援体制と実績に応じて各種加算を積み上げる仕組みになっています。一方で、要件を満たさないまま請求すれば返還や行政指導の対象にもなり得ます。

新規参入を考えるとき、「どの加算が取れそうか」だけに目が行きがちですが、加算のために必要な人件費、記録業務、届出の時期、欠勤時の代替体制まで含めて事業計画を組むことが大切です。

この記事では、宮城県内で放課後等デイサービスの開業を検討している法人に向けて、基本報酬と加算の関係、児童指導員等加配加算、専門的支援関係の加算、福祉・介護職員等処遇改善加算、送迎加算、家族支援加算などを解説します。仙台市内は仙台市、仙台市を除く宮城県内は原則として宮城県が指定・届出の窓口となる点にもご注意ください。

重要:本記事の単位数・加算率は、2026年8月11日時点の国の公表資料を基にしています。実際の算定では、サービス類型、利用定員、利用児童の状態、支援時間、人員配置、職員の資格・経験、届出日、指定権者の取扱い等を必ず確認してください。

この記事の結論

  1. 加算は「支援体制・実績を報酬で評価する仕組み」であり、無条件の利益上乗せではない
  2. 児童指導員等加配加算は、基準人員を超える配置と常勤換算・資格・経験の確認が必要
  3. 処遇改善加算は2026年度の新しい区分・率で収支計画を作り、賃金改善等に充てる
  4. 加算による増収と加算維持のための追加コストを対にして試算する
  5. 仙台市内と仙台市外では届出先・様式・地域区分が異なる

この記事の対象読者

宮城県内で放課後等デイサービスの開業を検討している法人の方
加算の仕組みを理解して収支計画を立てたい方
処遇改善加算や人員加算の算定要件を確認したい方
すでに運営中で加算の見直しを検討している事業者の方
目次

放課後等デイサービスの収入は「基本報酬+加算-減算」で決まる

放課後等デイサービスの障害児通所給付費は、次の構造で計算されます。

基本報酬 + 算定要件を満たした 加算 - 該当する減算 = 請求単位数

請求単位数に地域区分ごとの1単位単価を掛けた額が給付費の基礎になります。利用者負担は原則1割ですが、所得に応じた月額上限があります。

基本報酬は定員と支援時間等で変わる

一般型(主として重症心身障害児を対象としない)の放課後等デイサービスでは、2024年度改定以降、基本報酬が支援時間による区分に分かれています。標準モデルである定員15名は「定員11人以上20人以下」に該当します。医療的ケア児に係る特別な報酬区分等を除く一般的な基本報酬は、2026年8月時点で次のとおりです。

支援時間区分支援時間基本報酬の例
区分130分以上1時間30分以下382単位/日
区分21時間30分超3時間以下406単位/日
区分33時間超5時間以下443単位/日

区分3は学校休業日に限られます。個別支援計画に定めた標準的な支援時間と実際の提供状況をもとに判断するため、単に事業所を長時間開けているだけで上位区分になるわけではありません。

加算は「利益の上乗せ」とは限らない

人員配置に関する加算は、追加職員の給与・社会保険料・採用費・研修費といったコストを伴います。処遇改善加算は、制度の目的に沿った賃金改善等を行い、計画書と実績報告書を提出しなければなりません。専門的支援実施加算や家族支援加算も、支援や面談を実施して記録を残して初めて算定できます。

つまり、加算額をそのまま営業利益に置き換える収支計画は危険です。「加算による増収」と「加算を維持するための追加コスト」は必ず対にして試算してください。

開業前に検討したい主な加算の全体像

放課後等デイサービスの加算は多岐にわたります。新規開業時には次のように分類すると、全体を把握しやすくなります。

放課後等デイサービス — 主な加算の分類 人員体制 児童指導員等加配加算 専門的支援体制加算 強度行動障害児支援加算 支援実績 専門的支援実施加算 個別サポート加算 入浴支援・自立サポート加算 等 家族・関係機関連携 家族支援加算(Ⅰ)(Ⅱ) 関係機関連携加算 事業所間連携加算 通所・時間 送迎加算 延長支援加算 職員処遇 福祉・介護職員等 処遇改善加算(Ⅰ)〜(Ⅳ) 利用児童の状態等 医療連携体制加算 人工内耳装用児支援加算 等 すべてを開業時から取得する必要はありません。 想定する児童像と支援方針 → 必要な人員体制 → 算定可能な加算を選ぶ、が基本の順序です。 開業前の検討ポイント 人員体制: 基準を超える常勤換算数、資格、経験年数 支援実績: 対象児童、計画、実施者、記録 家族・連携: 面談・訪問の実施、同意、記録 職員処遇: 賃金改善、キャリアパス、計画・報告

児童指導員等加配加算とは

児童指導員等加配加算は、指定基準上必要な児童指導員または保育士等に加えて、職員を追加配置した場合に算定を検討する人員加算です。放デイの収入計画で中心になりやすい一方、配置の数え方を間違えやすい加算でもあります。

まず基準人員を満たす必要がある

標準モデルの定員15名では、利用児童10人までの日は児童指導員または保育士を2人以上、11人から15人の日は3人以上配置する必要があり、少なくとも1人は常勤でなければなりません。

たとえば、ある時間帯の利用児童が12人で直接支援職が3人しか実働していなければ、その3人はすべて基準人員です。「定員10人なら2人でよいはず」として1人を加配扱いにすることはできません。

仙台市の注意喚起:児童発達支援管理責任者や直接処遇職員等の基準人員を満たしていない場合、児童指導員等加配加算等を算定できないと明示されています。やむを得ず定員を超えて受け入れた日に、加配予定者を基準人員へ充てざるを得なくなれば、その日は加算要件を満たせない可能性があります。

定員15名の場合の主な単位数

定員11人以上の一般型では、加配する職員の勤務形態、資格および児童福祉事業等の経験年数により、単位数が次のように分かれます。

加配職員の区分単位数の例
常勤専従・経験5年以上125単位/日
常勤専従・経験5年未満98単位/日
常勤換算・経験5年以上82単位/日
常勤換算・経験5年未満71単位/日
その他の従業者60単位/日

経験5年以上として届け出る場合は、資格証だけでなく実務経験を確認できる証明書等が必要です。過去の勤務先へ証明を依頼しても、対象事業・職種・従事期間・勤務日数等が確認できず、予定していた区分で届出できないケースがあります。採用内定後ではなく、応募・面接の段階から証明可能性を確認しておくことをお勧めします。

常勤2名と非常勤2名なら自動的に算定できるわけではない

標準モデルでは直接支援職を常勤2名・非常勤2名としていますが、在籍人数だけでは加算の可否は決まりません。次のような確認が必要です。

  • 営業時間を通じて基準人員が実働しているか
  • 非常勤2名を合計した常勤換算数がいくつか
  • 休憩、送迎、研修、会議、欠勤時間を除いて要件を満たすか
  • 加配対象者の資格・経験を証明できるか
  • 定員超過や急な退職が生じていないか

勤務形態一覧表だけに頼らず、日々のシフトと実績記録で確認できる仕組みを作ることが欠かせません。

専門的支援体制加算と専門的支援実施加算

専門職を採用すると、配置体制と実際の専門的支援をそれぞれ評価する加算を検討できます。この2つは名前が似ていますが、算定の考え方が異なります。

専門的支援体制加算

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理担当職員、一定の経験を有する保育士・児童指導員等を、基準人員に加えて配置する体制を評価する加算です。定員11人以上の標準モデルでは82単位/日が一つの目安になります。

注意:児童指導員等加配加算と同じ職員、同じ勤務時間を二重に評価できるとは限りません。どの職員を基準人員・児童指導員等加配・専門的支援体制のどこへ位置付けるかを、勤務表上で明確にする必要があります。

専門的支援実施加算

専門職が専門的支援実施計画を作成し、計画に基づく支援を実施した場合に、原則として月4回を限度に150単位/回を算定する加算です。体制加算を取得しているだけで自動的に請求できるものではありません。

対象児童の課題、専門的支援の目標、方法、実施者、実施日時、内容、評価等を記録します。通常の集団活動を行っただけで全利用児童へ一律に算定するような運用は避けなければなりません。

専門職採用は加算額だけで判断しない

専門職を常勤採用すると支援の質や事業所の特色を高められる一方、人件費も当然増加します。加算収入だけで給与全額を賄えるとは限りません。採用前に、対象児童数、実施可能回数、欠勤時の体制、他職員との役割分担、地域の採用相場を試算してください。

福祉・介護職員等処遇改善加算は2026年度の区分・率で確認する

福祉・介護職員等処遇改善加算は、職員の賃金改善、キャリア形成、職場環境改善等を目的とする加算です。2026年度報酬改定により区分と加算率が見直されています。

2026年8月時点の放課後等デイサービスでは、次の率が報酬算定構造に示されています。

区分加算率
処遇改善加算(Ⅰ)イ15.5%
処遇改善加算(Ⅰ)ロ16.1%
処遇改善加算(Ⅱ)イ15.2%
処遇改善加算(Ⅱ)ロ15.8%
処遇改善加算(Ⅲ)14.2%
処遇改善加算(Ⅳ)11.9%

率を乗じる「所定単位」は、原則として基本報酬と対象となる各加算の合計であり、処遇改善加算自体は除きます。利用実績や他の加算が増減すれば、処遇改善加算額も連動して変わります。

処遇改善加算は自由に使える売上ではない

処遇改善加算は、加算額に相当する賃金改善、賃金体系・昇給の仕組み、職場環境等要件、職員への周知、計画書・実績報告書の提出等が伴います。算定額を役員利益として残すことを前提にしてはいけません。

開業時には、次の準備と運用が必要です。

  1. 就業規則、給与規程、賃金台帳等の整合確認
  2. どの職員へ、基本給・手当・賞与等のどの方法で配分するかの設計
  3. キャリアパスおよび職場環境等要件への対応
  4. 職員への周知記録の整備
  5. 年度ごとの処遇改善計画書の提出
  6. 実績報告書と根拠資料の保存

仙台市では処遇改善加算を別ページで案内しています。仙台市外の事業所は宮城県の案内・提出方法を確認してください。年度途中からの算定、区分変更、事業所新設では提出期限や書類が異なることがあります。

送迎加算

一般型の放課後等デイサービスでは、居宅または学校と事業所との間の送迎を行った場合、原則として片道54単位を算定します。往路と復路を実際に行えば、それぞれが算定対象になり得ます。

ただし、送迎加算は車両を持っているだけでは算定できません。誰を、いつ、どこからどこまで送迎したか、運転者と添乗者、安全確認、実績記録等が必要です。同一敷地内の送迎には減算があり、医療的ケア児等には別の単位・条件が設けられています。

人員基準との関係に注意:送迎に直接支援職が出ることで、事業所内の基準人員や加配職員が不足すれば、人員加算を算定できない、または人員基準自体を満たさないおそれがあります。送迎加算による収入だけでなく、車両費、燃料費、保険料、整備費、運転時間、添乗体制を含めて判断してください。

家族支援加算

家族支援加算は、家族に対して計画的に相談援助等を行った場合の評価です。個別に行う家族支援加算(Ⅰ)と、グループで行う家族支援加算(Ⅱ)があり、それぞれ月4回を限度とします。多機能型事業所で同じ児童へ複数サービスを提供する場合は、サービスを合計した回数制限にも注意してください。

家族支援加算(Ⅰ)の主な単位数

方法単位数
居宅を訪問・1時間以上300単位/回
居宅を訪問・1時間未満200単位/回
事業所等で対面100単位/回
オンライン80単位/回

家族支援加算(Ⅱ)は、事業所等での対面が80単位/回、オンラインが60単位/回です。

日常の送迎時に数分話しただけでは、計画的な相談援助としての算定根拠が不十分になる可能性があります。家族の同意、相談テーマ、助言内容、所要時間、実施者、個別支援計画との関係を記録してください。

関係機関連携加算・事業所間連携加算

放課後等デイサービスでは、学校、相談支援事業所、医療機関、他の障害児通所支援事業所等との連携が求められます。一定の会議・情報連携等を行った場合、関係機関連携加算や事業所間連携加算を検討できます。

関係機関連携加算は、類型に応じて月1回または所定回数を限度とし、250単位、200単位、150単位等の区分があります。事業所間連携加算は、複数事業所を併用する児童について、セルフプランの場合等に事業所間で支援情報を共有し、役割分担を図る仕組みです。

単なる電話連絡や書類送付が直ちに加算対象になるわけではありません。対象となる連携先、会議の参加者、連携内容、保護者同意、記録、回数制限を確認してください。仙台市は事業所間連携加算確認書等を公表しているため、市内事業所はその運用も確認が必要です。

個別サポート加算・強度行動障害児支援加算

個別サポート加算(Ⅰ)は、一定の調査項目等に該当し、著しく重度または行動上の課題のある児童等への支援を評価する加算です。基本は100単位/日で、一定の要件を満たす場合は30単位が加算されます。

強度行動障害児支援加算は、対象児童に対し、所定の研修修了者を配置して支援計画に基づく支援を行う場合等に算定を検討します。算定開始から90日以内の上乗せもあります。

これらは事業所の独自判断だけで対象児童を決められる制度ではありません。受給者証、自治体の調査結果、必要な研修、支援計画、実績記録等を確認します。仙台市では個別サポート加算(Ⅱ)の事前協議等について独自の案内も掲載されています。

延長支援加算その他の加算

延長支援加算は、個別支援計画に位置付けた支援時間の前後に、預かりニーズに対応して延長支援を行った場合に検討する加算です。一般型では次の区分があります。

延長時間単位数
1時間未満61単位
1時間以上2時間未満92単位
2時間以上123単位

職員配置、計画上の必要性、実績時間を確認してください。

このほか、利用児童や支援内容に応じて次のような加算があります。

  • 医療連携体制加算
  • 入浴支援加算
  • 自立サポート加算
  • 通所自立支援加算
  • 人工内耳装用児支援加算
  • 保育・教育等移行支援加算
  • 利用者負担上限額管理加算

加算名だけを見て事業計画に入れるのではなく、対象児童が実際に見込まれるか、必要な専門職と設備を用意できるか、毎月継続して記録できるかを確認してください。

標準モデルによる月間収入の試算

ここでは、あらかじめ設定した標準モデルを用いて、基本報酬、人員加算、送迎加算、処遇改善加算が月間収入に与える影響を試算します。

標準モデルと追加仮定

項目モデル条件
地域仙台市内
類型一般型(主として重症心身障害児を対象としない)
定員15名
営業日月24日
管理者・児発管代表者1人が兼務できるものと仮定
直接支援職常勤2名、非常勤2名
平均利用児童数1日12名と仮定
授業終了後月20日、区分2・406単位と仮定
学校休業日月4日、区分3・443単位と仮定
人員加算児童指導員等加配加算82単位を全日算定できると仮定
送迎全利用児童について往復送迎、片道54単位と仮定
処遇改善加算(Ⅰ)ロ 16.1%を取得できると仮定
1単位単価仙台市の地域区分を10.36円として仮置き

この試算は収入を保証するものではありません。利用率、欠席、支援時間、送迎実績、加配職員の常勤換算・経験、処遇改善区分、地域区分、請求端数処理等により大きく変動します。「定員15名」と「毎日15名利用」は同じではありません。

試算結果

項目計算式単位数
基本報酬12人 ×(406単位 × 20日 + 443単位 × 4日)118,704
児童指導員等加配加算12人 × 82単位 × 24日23,616
送迎加算12人 × 54単位 × 2回 × 24日31,104
処遇改善加算算定前 小計118,704 + 23,616 + 31,104173,424
処遇改善加算(概算)173,424 × 16.1%約27,921
月間総単位数約201,345

給付費等の概算:約201,345単位 × 10.36円 = 約208万6,000円/月

処遇改善加算を除く概算は約179万7,000円です。処遇改善加算相当額は賃金改善等に充てる必要があるため、約208万6,000円をそのまま自由に使える売上・利益と考えることはできません。

このモデルで加配加算82単位を算定するには、非常勤者の合計勤務時間等が常勤換算要件を満たし、基準人員とは別に配置できていなければなりません。常勤2名+非常勤2名という在籍数だけでは算定を保証できない点に注意してください。

仙台市外で開業する場合

仙台市を除く宮城県内では、地域区分により1単位単価が仙台市と異なる地域があります。仮にその他条件が同じで1単位10円の地域であれば、201,345単位は約201万3,000円です。一方、家賃、人件費、採用の難しさ、送迎距離、利用児童数も地域によって変わります。

大崎市、石巻市、名取市、岩沼市、多賀城市、塩竈市、富谷市、登米市、栗原市、気仙沼市、郡部等で開業する場合も、指定窓口は原則宮城県ですが、地域区分、通学区域、送迎距離、競合事業所、採用市場を個別に調査してください。開業資金の試算とあわせて検討することをお勧めします。

加算届の提出時期と必要書類

加算は、要件を満たした日から自由に請求できるものではありません。事前届出が必要な加算は、指定権者へ期限までに書類を提出しなければ、希望月から算定できないことがあります。

仙台市の2026年3月発行手引きでは、届出期限が「15日」または「末日」とされる手続について、期限が閉庁日の場合は直前の開庁日となり、期限後に到達した場合は翌月以降の算定になる旨が示されています。加算ごとの期限と適用日は必ず別冊・様式で確認してください。

主な準備書類

  • 変更届出書
  • 障害児通所給付費の算定に係る体制等に関する届出書
  • 体制等状況一覧表
  • 加算ごとの届出書・確認表
  • 勤務形態一覧表
  • 雇用契約書、労働条件通知書等
  • 資格証、研修修了証、実務経験証明書
  • 組織体制図、支援計画、運用規程等
  • 処遇改善計画書

仙台市内の事業所は仙台市の様式、仙台市外は宮城県の様式を使用します。国の標準様式が同じでも、提出先、提出方法、添付資料、ファイル名、電子申請の可否等が異なる場合があるため、指定申請の流れとあわせて早めに確認しましょう。

加算の算定漏れ・返還を防ぐ管理方法

加算台帳を作る

加算ごとに、単位数、対象児童、必要職員、届出日、算定開始日、月・日ごとの上限、必要記録、確認担当者を一覧化します。制度改定時には旧単位・旧要件を忘れずに更新してください。

勤務予定と勤務実績を分ける

届出時の勤務形態一覧表を満たしていても、欠勤・早退・送迎・研修等により実績が足りなくなる場合があります。予定表とタイムカード・出勤簿・日々の配置表を照合する仕組みが必要です。

児童別に算定根拠を保存する

家族支援、専門的支援、関係機関連携、個別サポート等は、対象児童ごとに計画、同意、実施記録、回数を管理します。国保連請求ソフトへ入力した実績と支援記録を一致させてください。

要件を失ったら請求を止める

職員の退職、長期休業、資格要件の誤認、対象児童の状況変更等により要件を満たさなくなった場合は、請求を止め、必要な届出を行います。「翌月に人を採用する予定」という理由で算定を続けることはできません。

開業時によくある失敗

取得可能な最大加算を売上へ入れる

開業直後から利用率100%、全員往復送迎、複数加算を毎回算定する計画は、資金繰りを過大評価しがちです。利用率60%、80%等の複数ケースを作り、加算なし・一部取得・計画どおり取得の3段階で試算してください。

人員加算の職員を基準人員にも数える

加配は基準を超える配置です。利用児童数が増えた日や送迎時間帯に基準人員が増えれば、予定していた職員が加配ではなく基準人員扱いになります。

処遇改善加算を利益として計上する

処遇改善加算には賃金改善等の使途と報告義務が伴います。キャッシュフロー上の入金と、会計・労務上の支出を分けて管理してください。

記録を月末にまとめて作る

実施日時、参加者、所要時間、内容等を後から復元すると、請求実績との矛盾が生じやすくなります。支援当日に記録し、月次請求前に別担当者が確認する仕組みを作りましょう。

指定申請と加算設計は同時に進める

放課後等デイサービスの指定申請では、人員基準を満たすだけでなく、開業後の報酬請求まで見据えた体制づくりが重要です。

物件契約、採用、勤務表、運営規程、個別支援計画、収支計画をバラバラに作ると、「採用した職員では予定加算を取れない」「送迎に出ると基準人員が不足する」「処遇改善の給与規程が間に合わない」といった問題が起きかねません。指定申請の段階から加算設計を並行して進めることで、こうしたミスマッチを防げます。

よしだ行政書士事務所が放課後等デイサービスの開業・加算設計を支援します

  • 指定申請書類の作成・提出サポート
  • 必要人員の確認・加算届の準備
  • 開業スケジュール・収支モデルの整理
  • 処遇改善加算計画書の作成支援

宮城県名取市を拠点に、宮城県全域を中心に東北6県からのご相談に対応しています。候補物件の契約や職員採用を確定する前の段階からご相談ください。オンライン相談、訪問相談、土日祝日の予約相談も可能です。

まとめ

放課後等デイサービスの収入は、基本報酬、利用実績、各種加算、減算、地域区分によって決まります。特に押さえておきたいポイントは次のとおりです。

  • 加算は支援体制や実績を報酬で評価する仕組みであり、無条件の利益ではない
  • 児童指導員等加配加算は、基準人員を超える配置と常勤換算・資格・経験の確認が必要
  • 専門的支援体制加算と専門的支援実施加算は、配置と実施を分けて管理する
  • 2026年度の処遇改善加算は新しい区分・率で収支計画を作る
  • 送迎中も事業所内の人員基準と加配要件を維持する
  • 仙台市内と仙台市外では届出先・様式・地域区分を分けて確認する
  • 収入試算は利用率と取得加算を変えた複数ケースで作る

開業前に加算設計まで行うことで、採用条件、給与体系、支援内容、必要書類、資金計画の整合を取りやすくなります。

よくあるご質問

開業時から加算を算定できますか?
要件を満たし、必要な届出を期限までに行えば、開業時から算定できる加算があります。ただし、利用児童の状態や実際の支援実績を要する加算は、対象者・実績がなければ算定できません。
職員を1人多く採用すれば児童指導員等加配加算を取れますか?
人数だけでは決まりません。基準人員を満たしたうえで、常勤換算、勤務形態、資格、経験、実際の配置時間等を確認する必要があります。
児発管を加配職員として数えられますか?
児発管として配置すべき職員を、そのまま加配職員へ重複計上することはできません。兼務の可否や勤務時間の切分けは、本来業務への支障と加算告示の要件を個別に確認してください。
送迎加算は送迎車1台につき算定しますか?
車両単位ではなく、要件を満たす利用児童の片道ごとに算定します。実際の送迎記録と安全管理体制が必要です。
処遇改善加算は事業所の利益になりますか?
自由に利益へ回せる加算ではありません。加算額に対応する賃金改善等を実施し、計画・実績を報告する必要があります。
専門的支援体制加算と実施加算は同じですか?
異なります。体制加算は専門職等の追加配置を評価し、実施加算は専門的支援計画に基づく個別・集中的な支援実績を評価します。
加算届を出し忘れた場合、遡って請求できますか?
原則として、届出期限後に遡って算定することは期待できません。加算ごとの適用時期を確認し、指定権者へ早めに相談してください。
宮城県と仙台市で加算単位数は違いますか?
国の加算単位数・基本要件は共通ですが、地域区分による1単位単価、届出先、様式、提出方法、個別の運用確認先が異なります。
加算を多く取るほど経営は安定しますか?
必ずしもそうではありません。人件費や事務負担が加算収入を上回る場合があります。利用児童のニーズと支援方針に合う加算を選び、維持コストを含めて判断してください。

注釈・凡例

基本報酬
サービス類型、定員、支援時間、利用児童の状態等に応じて算定する基礎的な報酬。
加算
一定の人員体制、支援、連携、実績等を満たした場合に基本報酬等へ上乗せされる報酬。
減算
人員欠如、計画未作成、未公表、定員超過等の所定事由により報酬を減額する仕組み。
常勤換算
非常勤を含む職員の勤務時間合計を、事業所の常勤職員が勤務すべき時間数で換算する考え方。
地域区分
地域の人件費差等を反映するため、1単位当たりの単価を地域ごとに設定する仕組み。
届出
加算の中には事前の体制届等が必要なものがある。要件を満たすだけで自動算定できるとは限らない。

参考資料

  1. 厚生労働省「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定について」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000202214_00013.html
  2. こども家庭庁「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定について」
    https://www.cfa.go.jp/policies/shougaijishien/shisaku/r8hoshukaitei
  3. こども家庭庁・厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」(2026年3月26日掲載資料、放課後等デイサービス給付費47~50頁)
    https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/…/20260326_…_03.pdf
  4. こども家庭庁「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について(改正後全文)」
    https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/…/20260402_…_17.pdf
  5. 仙台市「障害児通所支援に関する留意事項」
    https://www.city.sendai.jp/shisetsushien/…/jitsusyo.html
  6. 仙台市「障害福祉サービス事業者等の指定・変更等の申請・届出について」
    https://www.city.sendai.jp/shogaishien-shido/…/shiteshinse.html
  7. 仙台市「福祉・介護職員等処遇改善加算」
    https://www.city.sendai.jp/shogaishien-shido/…/syogukaizen.html
  8. 宮城県「障害児通所支援事業者・障害児入所施設の指定申請等様式」
    https://www.pref.miyagi.jp/site/syoufuku-top/si230071.html

免責・注意事項

本記事は、2026年8月11日時点の法令・行政資料に基づく一般的な制度説明です。個別の加算算定や収入を保証するものではありません。法令、告示、通知、単位数、加算率、地域区分、様式、提出期限および行政運用は変更されることがあります。実際の指定申請・加算届・請求では、宮城県または仙台市の最新資料と個別の事前相談結果を確認してください。

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