目次
道路占用許可の図面作成|平面図・断面図・求積図・保安施設設置図について詳しく解説
道路占用許可を申請するときは、申請書だけでなく、位置図、平面図、断面図・立面図、構造図、求積図、保安施設設置図などの提出を求められることがあります。
図面は単なる添付資料ではありません。道路管理者が、占用物件の設置場所や大きさ、道路に残る通行幅、安全対策、占用面積などを確認するための重要な審査資料です。申請書の数量と求積図の面積が違う、平面図と断面図で足場の出幅が違う、保安施設設置図に歩行者の通路がない——こうした不整合があると、補正や再作成が必要になることがあります。
この記事では、宮城県・仙台市で道路占用許可を検討している建設業者、解体業者、設備業者、看板業者、建物所有者等に向けて、各図面の役割、記載事項、作成順序、よくある不備を詳しく解説します。
道路占用許可の制度全体を先に確認したい方は、宮城県・仙台市の道路占用許可完全ガイドもご覧ください。
この記事の結論
道路占用許可の図面作成で最も大切なのは、次の5点を一つの図面セットで説明できるようにすることです。
- どの道路の、どこを占用するのか
- 何を、どのような構造・寸法で設置するのか
- 占用面積または延長をどのように算出したのか
- 設置後も歩行者や車両が安全に通行できるのか
- 申請書、図面、工程、現況写真の内容が一致しているか
必要な図面の名称、縮尺、作成方法、提出部数は、道路管理者や占用物件、工事の有無によって異なります。最初に道路管理者を特定し、下書き段階で窓口へ相談してから仕上げることが、手戻りを減らす近道です。
道路占用許可の図面はなぜ必要なのか
道路法第32条は、道路に一定の工作物、物件または施設を設け、継続して道路を使用しようとする場合に、道路管理者の許可を受けることを定めています。
道路管理者は、申請書に書かれた名称や数量だけでなく、図面によって次のような事項を確認します。
- 占用予定地が道路区域内にあるか
- 車道、歩道、路肩、上空、地下のどこを使用するか
- 占用物件が道路や既存施設にどのように接するか
- 占用範囲が必要最小限となっているか
- 歩行者、車いす利用者、自転車、車両等の通行にどのような影響があるか
- 工事中の規制や安全施設が適切に計画されているか
- 占用料算定の基礎となる数量を確認できるか
- 掘削する場合に舗装や道路構造をどのように復旧するか
宮城県仙台土木事務所の案内では、道路占用許可申請の添付資料として、位置図、平面図、横断図、構造図、最低3方向からの現況写真、保安計画図などが挙げられています。仙台市も、位置図、平面図、立面図または断面図などを案内しています。
ただし、これはすべての申請で同一の図面が必要という意味ではありません。たとえば、歩道上空へ朝顔を突出させる場合と、道路地下へ給排水管を埋設する場合では、審査に必要な断面や構造の情報が異なります。必要図面は、占用物件と施工内容に合わせて組み立てましょう。
道路占用許可で使用する主な図面一覧
道路占用許可で使用される代表的な図面と、その主な役割は次のとおりです。
| 図面・資料 | 主な役割 | 主な記載内容 |
|---|---|---|
| 位置図・案内図 | 現場の場所を特定する | 所在地、路線、目標物、方位、施工箇所 |
| 平面図 | 道路を上から見た配置を示す | 官民境界、道路形状、占用範囲、寸法、残存幅員、周辺施設 |
| 断面図・横断図 | 道路と占用物件の高さ・幅・地下位置を示す | 道路幅員、高低差、突出幅、下端高さ、掘削深さ、土被り、舗装構成 |
| 立面図 | 建物側や道路側から見た形状を示す | 足場・朝顔・看板等の高さ、延長、出幅、支柱位置 |
| 構造図・詳細図 | 占用物件の構造を示す | 材質、部材寸法、基礎、固定方法、接続方法 |
| 求積図 | 占用面積・延長の計算根拠を示す | 区画寸法、計算式、区画別面積、合計数量 |
| 保安施設設置図・保安図 | 工事中の交通安全対策を示す | 規制範囲、歩行者動線、バリケード、カラーコーン、標識、誘導員等 |
| 現況写真・写真撮影方向図 | 図面と現場の対応関係を示す | 撮影位置、方向、境界、占用箇所、支障物 |
| 舗装復旧図 | 掘削後の復旧方法を示す | 掘削範囲、舗装構成、復旧幅、材料、施工区分 |
申請先によっては、「横断図」を「断面図」、「保安計画図」を「保安施設設置計画書」などと呼ぶことがあります。名称だけで判断せず、何を説明する図面なのかを確認しましょう。
位置図・案内図の作り方
位置図は、審査担当者が現場へ迷わず到達でき、対象路線と周辺状況を把握できる図面です。占用物件の細かな寸法を示す図面ではなく、「現場がどこにあるか」を示す役割を担います。
位置図に記載したい項目
- 占用場所の住所または地先
- 対象となる道路と路線名
- 方位(一般には北方向)
- 最寄りの交差点、公共施設、駅、店舗等の目標物
- 申請箇所を示す矢印、囲み、着色
- 必要に応じて工事区間の起点・終点
- 使用した地図の出典
宮城県大河原土木事務所の案内では、位置図の縮尺例として5万分の1程度が掲げられ、あわせて施工箇所周辺の位置関係が分かる図面を求めています。一方、縮尺や必要な範囲は申請先・案件によって変わるため、この数値を仙台市や他の道路管理者へそのまま当てはめることはできません。
地理院地図を利用する場合、国土地理院は、特定の相手に提出する申請書の添付資料として利用するときは、出典を明示して使用できる旨を案内しています。民間の地図サービスや住宅地図は、スクリーンショットを自由に申請書へ転載できるとは限りません。各サービスの利用規約と著作権を確認してください。
位置図でよくある不備
⚠ ありがちなミスに注意
- 縮尺が小さすぎて、現場周辺が分からない
- 申請箇所の印がなく、どこを指すのか分からない
- 路線名や上下線の区別が必要なのに記載がない
- 住所はあるが、道路のどちら側か分からない
- 地図の出典がない
広域図と詳細案内図を1枚に併記すると、場所を特定しやすくなる場合があります。
平面図の作り方
平面図は、道路と占用物件を真上から見た配置図です。道路占用許可の図面の中核となり、占用範囲、道路境界、通行可能な幅、周辺施設との関係を示します。
平面図に記載したい項目
- 方位と縮尺
- 道路の官民境界または道路区域界
- 車道、歩道、路肩、側溝、縁石等の区分
- 道路全幅、車道幅員、歩道幅員
- 建物、敷地境界、出入口
- 電柱、街路樹、標識、消火栓、マンホール等の既存施設
- 足場、仮囲い、看板、管路等の占用物件
- 占用物件の幅、延長、支柱位置等の主要寸法
- 占用範囲の着色、ハッチング、凡例
- 設置後に残る歩行者通路等の有効幅員
- 工事区間の起点・終点
- 断面図を作成した位置と見る方向
- 写真番号と撮影方向
宮城県仙台土木事務所は、平面図について「官民境界及び施工範囲が把握できるもの」と案内しています。ここで注意したいのは、舗装の端、縁石、側溝、塀などが、必ずしも道路区域界や官民境界と一致するとは限らないことです。
境界が不明なまま「敷地内の工事」と判断すると、実際には道路区域へ物件が出ていたということも考えられます。道路台帳、境界標、既存資料を確認し、判断できないときは道路管理者へ相談します。境界確定や測量が必要な場合は、土地家屋調査士、測量士等への依頼も検討しましょう。
足場・仮囲いの平面図で特に重要な点
歩道へ足場や仮囲いを設置する場合は、占用物件そのものの幅だけでなく、設置後にどの程度の通行空間が残るかが重要です。
たとえば、次の関係を図面上で確認できるようにします。
現況の歩道幅員 − 足場・仮囲い等の占用幅 = 設置後に残る通行幅
ただし、必要な通行幅は、道路管理者の基準、歩行者交通量、通学路、点字ブロック、車いすの通行、店舗出入口、バス停等の現場条件によって判断されます。「一定幅を残せば必ず許可される」とは限りません。
足場を歩道へ設置するケースについては、仙台市で工事用足場を設置するときの道路占用許可も参考にしてください。
地下埋設物の平面図で特に重要な点
給排水管、ガス管、電線・通信線等を地下へ設置する場合は、管路のルート、管種、口径、延長、既設埋設物との関係、道路横断位置、接続先などを示します。
掘削範囲と占用物件の範囲は同じとは限りません。平面図では、恒久的に道路を占用する管路と、施工のため一時的に掘削する範囲を、線種や着色を変えて区別すると分かりやすくなります。
断面図・横断図・立面図の作り方
断面図・横断図は、平面図だけでは分からない高さ、深さ、突出幅、道路構造との位置関係を示します。足場や朝顔では道路上空の状況、地下管路では埋設深さや舗装構成が重要です。
断面図・横断図に記載したい項目
- 道路区域界または官民境界
- 道路全幅、車道・歩道・路肩の各幅員
- 縁石、側溝、舗装、道路勾配
- 建物や敷地との位置関係
- 占用物件の幅、高さ、深さ
- 道路面からの高さ、上空への突出幅
- 設置後に残る通行幅・空間
- 基礎、支柱、固定部分
- 地下管路の口径、管種、土被り
- 掘削範囲と舗装構成
- 必要に応じて既設埋設物
宮城県の案内例では、路面掘削を伴う場合、横断図に舗装構成を記載することとされています。また、宮城県大河原土木事務所の案内では、横断図は100分の1程度、構造図は50分の1程度という例が示されています。これらは当該窓口の目安であり、案件ごとに適切な縮尺を確認する必要があります。
足場・朝顔・看板では立面図も有効
足場、朝顔、防護棚、突出看板、日よけ等は、建物側または道路側から見た立面図を付けることで、全体の高さ、設置延長、支柱間隔、下端高さ、突出部分を説明しやすくなります。
⚠ 寸法の不一致に注意
平面図に「出幅1.0メートル」、断面図に「出幅0.8メートル」と書かれているような不一致は、補正の原因になります。現地計測後に共通の寸法表を作り、その数値を各図面へ反映するとミスを防げます。
構造図・詳細図の作り方
構造図は、占用物件がどのような材料・部材で構成され、どのように設置・固定されるのかを示す図面です。宮城県仙台土木事務所は、構造図について、占用物件の構造が把握できるものとし、平面図・断面図に記載してもよいと案内しています。
構造図には、案件に応じて次の事項を記載します。
- 部材の名称、材質、規格、寸法
- 支柱、控え、基礎、アンカー等の位置
- 組立方法、固定方法、接続方法
- 地面・建物・既設構造物との関係
- 管路の材質、口径、継手、保護方法
- 看板・日よけ等の支持方法
- 必要に応じて荷重条件、構造計算書との対応番号
道路占用許可の審査は、行政書士が構造安全性を保証する手続ではありません。特殊な構造物、構造計算が必要な物件、既存建物への取付け等は、設計者、施工業者その他の技術者が作成・確認すべき資料を整理し、申請図面と一致させる必要があります。
求積図の作り方
求積図は、占用面積や延長の算出根拠を示す図面です。道路占用料(占用の対価として道路管理者に支払う料金)や許可数量の確認に関係するため、申請書の「規模・数量」と一致していなければなりません。
宮城県の複数の土木事務所の案内では、道路占用許可の提出書類として求積図が挙げられています。一方、仙台市の一般案内ページでは求積図という名称を列挙していません。仙台市で不要と断定するのではなく、占用物件と申請窓口に応じて確認することが必要です。
求積図に記載したい項目
- 占用範囲を示す外周線
- 計算区画ごとの辺長
- 長方形、三角形等に分けた区画番号
- 区画ごとの計算式と面積
- 区画別面積の合計
- 管路等の場合は延長の算出根拠
- 恒久占用と一時占用がある場合の区分
- 端数処理前後の数値
- 平面図の占用範囲と対応する凡例
単純な長方形であれば、基本的には「幅×延長」で面積を算出できます。形状が折れ曲がる場合や幅が変化する場合は、複数の長方形や三角形へ分割し、区画ごとに計算します。
求積の例
仮に、歩道上の占用範囲が次の2区画に分かれるとします。
- A区画:幅0.80m × 延長8.00m = 6.40㎡
- B区画:幅0.60m × 延長2.00m = 1.20㎡
- 合計:7.60㎡
※ これは計算方法を説明するための例です。実際の占用数量の測り方、上空物件・地下埋設物の投影方法、単位、端数処理、占用料算定上の取扱いは、道路管理者の条例・基準・指示を確認してください。
求積図でよくある不備
⚠ ありがちなミスに注意
- 平面図の占用範囲と求積図の外周が違う
- 申請書の数量と求積結果が一致しない
- 計算式だけで、どの区画を計算したか分からない
- 単位がメートル、センチメートルで混在している
- 一時的な工事範囲と許可対象の占用範囲を混同している
- 端数処理の時点や方法が不明である
占用料の仕組みについては、道路占用許可の費用・占用料・道路使用許可手数料で詳しく解説しています。
保安施設設置図・保安計画図の作り方
保安施設設置図は、占用物件の完成形を示す図面ではなく、工事中または設置期間中に、歩行者や車両をどのように安全に通行させるかを示す図面です。
宮城県仙台土木事務所は、保安計画図について「実際に施工する際の保安施設配置等を記載」するものと案内しています。机上の標準図を添付するだけでなく、現場の道路形状、交差点、出入口、交通量、作業範囲等を反映させることが重要です。
保安施設設置図に記載したい項目
- 道路形状、交差点、車道・歩道の区分
- 作業範囲、資材置場、工事車両の位置
- 車線規制、片側交互通行、通行止め等の規制方法
- 歩行者通路と迂回経路
- バリケード、カラーコーン、コーンバー
- 工事看板、予告看板、矢印板
- 夜間照明、点滅灯、反射材等
- 交通誘導員の配置位置
- 車両、歩行者、自転車の進行方向
- 店舗、住宅、駐車場等の出入口への対応
- 緊急車両の通行や連絡体制
- 規制を行う時間帯
保安施設の種類や配置間隔を、確認せずに全国共通の数値として記載することはできません。道路管理者の基準、所轄警察署との協議、現場条件、施工者の安全計画を踏まえて作成します。
道路使用許可の図面との関係
道路上で工事・作業を行い、交通に影響が生じる場合は、道路占用許可とは別に道路使用許可が必要となることがあります。
宮城県警察は、道路使用許可申請の添付書類として、道路使用場所・区間の付近の見取図、工作物を設ける場合の設計図・仕様書、道路使用の方法・形態を具体的に説明する資料を各2部案内しています。
道路管理者へ提出する保安計画図と、警察へ提出する道路使用方法の図面は、目的や提出先が異なります。しかし、規制範囲、工事時間、歩行者動線、誘導員の位置などが食い違っていてはいけません。共通の現場計画を基に作成し、それぞれの窓口が求める情報へ調整しましょう。
両制度の違いは、道路占用許可と道路使用許可の違いをご覧ください。
現況写真と図面を対応させる方法
現況写真は、図面に記載した道路形状、境界、占用位置、周辺施設が現場と一致していることを確認する資料です。宮城県仙台土木事務所は最低3方向からの撮影を案内していますが、必要枚数や撮影内容は申請先と案件によって異なります。
写真には、次の工夫をすると対応関係が分かりやすくなります。
- 写真番号を付ける
- 平面図に撮影位置と矢印を記載する
- 写真台帳に撮影方向と説明を書く
- 占用予定範囲を線や矢印で示す
- 官民境界標や既存施設が見える写真を含める
- 道路の上り・下り、起点・終点が分かるようにする
- 寸法確認が重要な箇所はスケール等を写す
工事後の完成写真も、許可内容どおりに施工されたことを確認できるよう、施工前と近い方向から撮影すると比較しやすくなります。
図面作成の基本手順
道路占用許可の図面は、上記の順序で作成すると数値の不一致を防ぎやすくなります。以下、各ステップの要点を説明します。
1.道路管理者と申請窓口を特定する
国道、県道、市町村道という名称だけでなく、路線、所在地、管理区間を確認します。仙台市内にある道路がすべて仙台市管理とは限らず、国や宮城県が管理する区間もあります。
申請先の調べ方は、宮城県・仙台市の道路占用許可の申請方法も参考にしてください。
2.申請先へ事前相談する
次の情報を整理し、必要図面、縮尺、提出形式、部数を確認します。
- 占用物件の種類
- 占用場所と路線
- 設置目的
- 占用期間、工事期間
- 掘削の有無
- 歩道・車道への影響
- 道路使用許可その他手続の予定
宮城県内でも、通常2部提出と案内する窓口や、原則電子メールによる提出を案内する窓口があります。別の土木事務所の案内をそのまま流用しないよう注意しましょう。
3.現地を計測・撮影する
道路幅員、歩道幅員、占用予定範囲、建物との距離、段差、高さ、既存施設、出入口等を確認します。道路境界が不明確な場合は、見た目だけで決めず、道路台帳や境界資料を確認します。
4.平面図を基準に配置を決める
現況を平面図へ落とし込み、占用範囲、残存通路、周辺施設との関係を整理します。断面位置、写真撮影位置も平面図へ記載します。
5.断面図・立面図・構造図を作成する
平面図で確定した寸法を使用し、高さ、深さ、出幅、構造を説明します。技術者が作成した仮設計画図や施工図を使う場合も、道路占用申請の範囲が判別できるよう整理します。
6.求積図を作成する
平面図の占用範囲から面積・延長を算出し、申請書の規模・数量へ反映します。端数処理は申請先の指示に従います。
7.保安施設設置図を作成する
実際の施工手順と交通規制を踏まえ、歩行者・車両の安全な動線を示します。道路使用許可を申請する場合は、警察提出資料とも整合させます。
8.図面間・申請書との整合性を確認する
最後に、図面一覧と数値一覧を作り、名称、寸法、数量、期間、位置を照合します。図面の作成日、図面番号、縮尺、改訂番号を付けておくと、補正時の差し替えミスを防ぎやすくなります。
図面の縮尺はどの程度にすればよいか
縮尺は、申請先が指定する場合はその指示に従います。指定がない場合も、寸法と周辺状況を判読できる縮尺を選び、事前相談で確認するのが安全です。
宮城県大河原土木事務所の道路占用許可案内には、次の縮尺例があります。
| 図面 | 同事務所の案内例 |
|---|---|
| 位置図 | 1/50,000程度 |
| 平面図 | 1/500程度 |
| 横断図 | 1/100程度 |
| 構造図 | 1/50程度 |
この表はあくまで同事務所の案内例です。仙台市、国管理道路、他の宮城県土木事務所、市町村道に一律適用される共通基準ではありません。
また、紙へ印刷するときは、PDF化やプリンター設定で図面が自動的に縮小されていないか確認しましょう。「用紙に合わせる」で印刷すると、表示縮尺と実寸が合わなくなることがあります。主要寸法は数値でも明記し、縮尺だけに依存しない図面にすることが大切です。
CADで作成しなければならないのか
道路占用許可の図面について、すべての案件でCAD作成を求める全国一律のルールがあるわけではありません。簡易な物件では、既存図面へ必要事項を明瞭に加えた資料で相談できる場合もあります。
ただし、手書きであれば必ず受理されるという意味でもありません。寸法を正確に読み取れない、線が重なる、縮尺が不明、修正履歴を管理できない図面は、審査資料として不十分となる可能性があります。複雑な足場、地下埋設物、道路掘削、構造検討を伴う案件では、施工業者や設計者が作成したCAD図面を基礎にする方が適切なことがあります。
重要なのは作図ソフトの種類ではなく、申請先が必要とする情報を、正確かつ判読可能な形で示すことです。
図面で補正になりやすいポイント
次のような不備は、事前相談や提出後の補正につながりやすいため注意が必要です。
⚠ 1.申請書と図面の数量が一致していない
申請書、平面図、求積図で、幅、延長、面積が違うケースです。修正した図面だけを差し替え、申請書の数量を直し忘れることもあります。
⚠ 2.道路境界が示されていない
建物や縁石は描かれていても、どこから道路区域なのか分からない図面では、占用範囲を判断できません。
⚠ 3.残存幅員が分からない
足場の幅だけが記載され、設置後に歩行者が通れる幅が示されていないケースです。点字ブロック、支柱、段差等を含めた実際の通行空間を確認しましょう。
⚠ 4.平面図と断面図が対応していない
断面図が道路のどの位置を切った図なのか、どちらを向いて見ているのか分からないケースです。平面図へ切断線と矢印を記載します。
⚠ 5.工事中の範囲が示されていない
完成後の占用物件だけが描かれ、組立・掘削時に必要な作業帯、資材、工事車両、交通規制が示されていないケースです。
⚠ 6.保安図が現場と一致していない
標準図をそのまま使用し、交差点、店舗出入口、歩道、バス停等が反映されていないケースです。実際に施工できる配置へ修正しましょう。
⚠ 7.古い図面を再利用している
前回工事の図面や設計変更前の図面を流用し、現況、工期、占用範囲が違っているケースです。現場と最新版の施工計画を照合します。
道路占用許可の図面作成チェックリスト
基本情報
- 路線名、所在地、道路管理者を確認した
- 道路区域・官民境界の根拠を確認した
- 占用物件の名称、構造、寸法、数量を確定した
- 占用期間と工事期間を区別した
- 道路使用許可その他の関連手続を確認した
図面共通
- 図面名、縮尺、方位、作成日、図面番号を記載した
- 単位を統一した
- 現況と計画を線種・色・凡例で区別した
- 占用範囲を明確に表示した
- 平面図、断面図、構造図の寸法が一致している
- 申請書と求積図の数量が一致している
- 白黒印刷でも判別できる
安全・現場対応
- 歩行者・自転車・車両の動線を示した
- 残存幅員を記載した
- 出入口、交差点、点字ブロック、街路樹等を反映した
- 保安施設と交通誘導員の位置を示した
- 道路使用許可の資料と規制内容が一致している
- 現況写真の番号・方向を平面図と対応させた
道路占用許可の図面作成を行政書士へ相談するメリット
道路占用許可では、図面だけを作成しても、申請書の物件名・数量・期間、道路使用許可の計画、工事工程と一致していなければ手続は進みません。行政書士へ相談することで、申請全体の観点から必要書類と確認事項を整理しやすくなります。
当事務所では、宮城県仙台市を中心に、宮城県内の道路占用許可および関連する道路使用許可の相談、申請書類作成に対応しています。
主な確認・支援内容は次のとおりです。
- 道路管理者と申請窓口の確認
- 占用物件、設置場所、期間等の整理
- 道路管理者への事前相談事項の整理
- 申請書と添付図面の整合性確認
- 道路使用許可その他関連手続の確認
- 許可後の着工届、完成届、変更・更新等の案内
測量、設計、構造計算、施工計画、交通誘導計画等が必要な案件については、行政書士だけで完結するとは限りません。図面の種類や専門性に応じて、施工業者、設計者、土地家屋調査士、測量士等との役割分担を整理します。当事務所が個別案件で対応できる図面作成の範囲は、資料と計画を確認したうえでご案内します。
オンライン相談、訪問相談、土日祝日の予約相談にも対応しています。工事日が決まっている場合は、図面が完成してからではなく、計画段階で早めにご相談ください。
よしだ行政書士事務所が道路占用許可の申請を支援します
- 道路管理者の特定と事前相談の整理
- 申請書・添付図面の整合性確認と書類作成
- 道路使用許可その他関連手続の確認・対応
宮城県名取市を拠点に、宮城県全域を中心に東北6県からのご相談に対応しています。オンライン相談、訪問相談、土日祝日の予約相談も可能です。
まとめ
道路占用許可の図面は、占用場所、物件の構造・寸法、占用数量、安全対策を道路管理者へ説明するための重要な資料です。
特に重要なのは、次の点です。
- 道路管理者を特定し、必要図面・縮尺・提出方法を事前確認する
- 平面図で道路境界、占用範囲、残存幅員を明確にする
- 断面図・立面図で高さ、深さ、突出幅、道路との関係を示す
- 求積図の計算結果を申請書の数量と一致させる
- 保安施設設置図へ実際の道路形状と歩行者・車両動線を反映する
- すべての図面、現況写真、工程、道路使用許可資料を整合させる
必要図面は、道路管理者、占用物件、掘削の有無、現場条件によって異なります。図面を作り込んだ後に申請先が違うことや追加図面が必要なことが判明すると、大きな手戻りになります。工事計画の早い段階で道路管理者へ相談し、申請全体を見据えて準備しましょう。
道路占用許可の準備期間や審査期間については、道路占用許可は何日かかるかもあわせてご確認ください。
よくある質問
注釈・凡例
- 道路区域
- 道路法上、道路として管理される区域。見た目の舗装範囲や土地の登記上の境界と常に一致するとは限りません。
- 道路管理者
- 道路を管理する国、都道府県、市町村等。路線・区間により異なります。
- 道路占用
- 道路に一定の工作物、物件または施設を設け、継続して道路を使用すること。
- 占用物件
- 電柱、管路、足場、看板等、道路占用許可の対象となり得る工作物・物件・施設。
- 求積図
- 占用面積・延長等の計算根拠を図と計算式で示す資料。
- 道路使用許可
- 道路上の工事、作業等を交通安全・交通秩序の観点から所轄警察署長が審査する許可。
- 道路工事施行承認
- 道路管理者以外の者が道路に関する工事・維持を行う場合に必要となる、道路法第24条の承認。道路占用許可とは別制度です。
監修:よしだ行政書士事務所
代表行政書士:吉田貴之
所属:宮城県行政書士会
行政書士登録番号:第16061015号
参考資料
- 道路法(昭和27年法律第180号)(e-Gov法令検索、第32条、2026年8月18日最終確認)
- 道路法施行規則(昭和27年建設省令第25号)(e-Gov法令検索、第4条の3・様式第5、2026年8月18日最終確認)
- 道路占用許可(仙台市、2026年1月27日更新、2026年8月18日最終確認)
- 道路関係許認可(宮城県仙台土木事務所)(宮城県、2026年3月5日更新、2026年8月18日最終確認)
- 道路に関する申請書様式(宮城県大河原土木事務所、2025年10月24日更新、2026年8月18日最終確認)
- 道路(占用許可、工事の承認、幅員証明、道路施設破損の復旧申請等)(宮城県東部土木事務所登米地域事務所、2025年11月18日更新、2026年8月18日最終確認)
- 道路使用許可(宮城県警察、2026年8月18日最終確認)
- 基準指針等(参考資料)(宮城県、「道路工事現場における保安施設設置基準」平成19年4月、掲載ページ2026年6月22日更新、2026年8月18日最終確認)
- 地図の利用手続きを確認する(国土地理院、2026年8月18日最終確認)

行政書士 吉田 貴之(よしだ たかゆき)
宮城県名取市を拠点に建設業許可・
産業廃棄物収集運搬許可を専門に
サポートしています。
要件確認から申請まで一括代行。
初回相談・要件診断は無料です。
📞 022-382-8723











この記事へのコメントはありません。