児童発達支援の設備基準|必要な部屋・広さ・備品を詳しく解説
児童発達支援の開業準備を始めると、「発達支援室は何平方メートル必要なのか」「相談室や静養室は必ず作らなければいけないのか」「放課後等デイサービスと部屋を共用できるのか」といった疑問に必ずぶつかります。物件を探し始めた段階でこの点がはっきりしないと、判断が止まってしまいます。
この記事の結論
- 児童発達支援センターではない一般的な児童発達支援事業所には、発達支援室と、サービス提供に必要な設備・備品が必要です。ただし、発達支援室について全国一律の数値による床面積基準は定められていません。
- 一方、児童発達支援センターには、発達支援室について障害児1人当たり2.47㎡以上、遊戯室について1人当たり1.65㎡以上という基準があります。
- 数値基準がないことは、狭くてもよいという意味ではありません。利用定員、こどもの年齢・障害特性、支援内容、家具や教材の配置、避難経路などを踏まえ、安全かつ適切に支援できる広さが求められます。
- 指定基準を満たしていても、建築基準法・消防法・都市計画法その他の関係法令に適合しなければ、予定どおり開業できないことがあります。物件は、賃貸借契約や高額な内装工事の前に、指定権者・建築担当部署・管轄消防署へ相談してください。
宮城県・仙台市の指定申請では、平面図、各室の面積、設備・備品、写真などをもとに設備の適合性が確認されます。この記事では、宮城県・仙台市で児童発達支援を開業する方、特に放課後等デイサービスとの併設・多機能型を計画している方に向けて、設備基準を実務的な視点で整理します。
児童発達支援の設備基準の結論
児童発達支援の設備基準は、施設の名称ではなく、一般の児童発達支援事業所か、児童発達支援センターかによって大きく異なります。ここを取り違えると、必要のない設備を前提に物件を探してしまったり、逆に必要な確認を飛ばしてしまったりします。
新規参入で設置されることが多いのは、センター以外の指定児童発達支援事業所です。この類型については、指定通所支援基準第9条により、次の設備が求められます。
- 発達支援室
- 児童発達支援の提供に必要な設備・備品等
- 発達支援室に備える、支援に必要な機械器具等
設備・備品は原則として児童発達支援事業に専用するものですが、こどもの支援に支障がない場合は共用が認められる余地があります。ただし、単に同じ建物内にあるから共用できるという話ではありません。利用時間、定員、動線、安全性、保管方法などを含めて判断されます。
設備基準の早見表
| 区分 | 主な設備 | 数値による面積基準 |
|---|---|---|
| センター以外の 児童発達支援事業所 |
発達支援室、支援に必要な設備・備品等 | 発達支援室に全国一律の数値基準なし。ただし適切な広さが必要 |
| 児童発達支援センター | 発達支援室、遊戯室、屋外遊戯場、医務室、相談室、調理室、便所、静養室等 | 発達支援室:1人当たり2.47㎡以上 遊戯室:1人当たり1.65㎡以上 |
| 児童発達支援と 放課後等デイサービスの多機能型 |
各サービスに必要な設備。一定の場合に共用可能 | 共用の可否とは別に、定員・支援内容に応じた広さが必要 |
この記事では、特に断りがない限り、センターではない一般的な児童発達支援事業所を中心に説明します。児童発達支援の開業条件全体を確認したい方は、児童発達支援を開業するには?もあわせてご覧ください。
一般事業所と児童発達支援センターの設備は異なる
「児童発達支援」という名称が同じでも、一般事業所と児童発達支援センターでは役割が違い、適用される設備基準も異なります。
一般の児童発達支援事業所
一般事業所について、法令上明示されている中心的な設備は発達支援室です。発達支援室には、実施する支援に必要な機械器具等を備えます。
法令は、一般事業所について相談室、事務室、静養室などを一律に列挙していません。とはいえ、実際に運営を始めれば、保護者との相談、個人情報の管理、体調不良時の休息、衛生管理などに対応できる空間・設備が必ず必要になります。
仙台市の2026年3月版新規指定申請チェック資料でも、一般事業所について発達支援室とその他運営に必要な設備を確認するほか、相談内容が外部に漏れない相談環境、利用者の特性に応じた洗面所・便所、鍵付き書庫等が確認事項として挙げられています。
児童発達支援センター
児童発達支援センターには、一般事業所よりも具体的な設備基準があります。
- 発達支援室
- 遊戯室
- 屋外遊戯場(近隣の代替場所を含む)
- 医務室
- 相談室
- 調理室
- 便所
- 静養室
- その他、支援に必要な設備・備品等
センターの発達支援室は定員がおおむね10人で、障害児1人当たり2.47㎡以上が必要です。遊戯室は1人当たり1.65㎡以上とされています。治療を行う場合には、医療法上の診療所に必要な設備も必要となります。
「発達支援室は必ず1人2.47㎡」という説明に注意
一般事業所向けの記事やコンサルタント資料で、この数字が最低基準のように紹介されていることがあります。しかし、2.47㎡はセンターに対する法定基準です。一般事業所の法定最低面積として扱わないよう注意してください。
一般の児童発達支援事業所で必要となる部屋
一般事業所の法令上の中心は発達支援室ですが、指定申請と開業後の安全な運営を考えると、実務上は複数の空間を検討する必要があります。ここでは、物件を見るときにチェックしたい7つの空間を順に見ていきます。
1.発達支援室
発達支援室は、こどもへ日常生活上の基本的動作、知識技能、集団生活への適応等に関する支援を行う、中心的な空間です。
平面図には「プレイルーム」「教室」といった法人独自の呼称だけでなく、設備基準上の名称である「発達支援室」を必ず明記します。各室の面積も記載し、実地確認時の配置と一致させておきましょう。
次の点を確認します。
- 定員のこどもと必要な職員が安全に活動できるか
- 机、椅子、棚、遊具等を置いた後も十分な活動空間が残るか
- 個別支援と集団支援を行うための区画・可動間仕切りを設けられるか
- 転倒、衝突、指挟み、飛び出し等の危険を抑えられるか
- 出入口や非常口までの避難動線を確保できるか
- 職員がこどもの様子を把握しやすく、死角が生じにくいか
2.相談できる空間
保護者面談や支援会議では、障害特性、家庭状況、医療情報といった機微な情報を扱います。相談内容が外部へ漏れない環境は欠かせません。
独立した相談室を設けるのが最も分かりやすい方法ですが、物件の構造上どうしても専用室を確保できない場合もあります。その場合は、間仕切り、防音への配慮、予約時間の分離などでプライバシーを守れるかを、指定権者に相談してください。カーテン一枚で仕切っただけでは十分と判断されないこともあります。
3.事務・記録保管スペース
事務室は、請求業務、個別支援計画や支援記録の作成、職員間の情報共有などに使用します。こどもが自由に立ち入らないよう区分し、個人情報を含む書類は鍵付き書庫等で保管します。
パソコンや記録媒体についても、画面ののぞき見、持出し、紛失、不正アクセスを防ぐ運用が必要です。事務室を単なる物置として扱わず、業務と個人情報管理に必要な面積を最初から見込んでおきましょう。
4.洗面所・便所
洗面所と便所は、利用するこどもの年齢、身体状況、支援内容に合った仕様であることが求められます。
- 幼児が安全に使用できる便器・補助便座・踏み台
- 手洗いしやすい高さや水栓
- 必要に応じたおむつ交換スペース
- 職員が介助できる広さ
- 車いす利用を想定する場合の出入口、廊下幅、回転スペース
- 清潔区域と汚染区域を意識した動線
- 洗剤、薬品、清掃用具をこどもの手が届かない場所に保管する設備
便所の数やバリアフリー要件は、建物の用途、規模、利用者像、自治体の条例等によっても変わります。建築担当部署への確認が必要です。
5.静養・クールダウン・更衣の空間
一般事業所について、独立した静養室が全国一律に法定されているわけではありません。それでも、体調不良時の休息、刺激から離れて落ち着く場、年齢に応じた更衣などに使える空間は、支援の質と安全管理の両面から重要です。
こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインも、食事、静かな遊び、雨天時の活動、休息、更衣等に対応する空間を工夫して確保する必要性を示しています。
クールダウンのための空間は、懲罰的な隔離場所にしてはいけません。閉じ込めや死角を生じさせず、本人が安心して過ごせて、職員が安全を確認できる設計にします。
6.食事・おやつの空間
おやつや昼食を提供する場合は、活動用スペースとの使い分け、誤嚥・アレルギー対策、衛生管理、手洗い、食品保管、清掃方法を検討します。
調理の内容によって、必要な設備や保健所への確認事項が変わる可能性があります。弁当の受入れ、簡単な盛付け、施設内調理をひとまとめに考えず、計画段階で所管部署へ確認してください。
7.送迎・乗降・屋外活動のスペース
送迎車を使用する場合は、車両を購入できるかだけでなく、乗降時の安全を確保できるかが重要です。
- 道路上で危険な乗降をさせずに済むか
- 駐車場から玄関まで安全に誘導できるか
- 近隣住民や他テナントの通行を妨げないか
- 車内置き去り防止の確認手順を運用できるか
- 屋外活動に使う公園等までの経路に危険がないか
一般事業所に屋外遊戯場が一律必須とされているわけではありませんが、支援計画に屋外活動を組み込むのであれば、近隣環境や移動時の安全も物件評価に含めるべきです。
発達支援室の広さ・面積はどう考えるか
一般事業所の発達支援室には全国一律の数値基準がありません。ただし、「数値基準がない」と「広さを問われない」は同じではありません。
一般事業所に2.47㎡基準は直接適用されない
こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインは、一般事業所の発達支援室には床面積基準が定められていないと明記したうえで、センターの1人当たり2.47㎡を参考に、適切なスペースの確保に努める必要があるとしています。
したがって、定員10人の一般事業所で「24.7㎡あれば自動的に問題ない」とも、「24.7㎡未満なら直ちに指定不可」とも一律にはいえません。宮城県・仙台市の事前相談では、次の事情を平面図と事業計画により具体的に説明できるようにしておきます。
- 同時に利用するこどもの人数
- こどもの年齢、身体状況、障害特性
- 集団支援、個別支援、運動支援等の内容
- 職員人数と支援時の配置
- 家具、教材、遊具、機器を置いた後の有効スペース
- 柱、収納、造作物、扉の開閉範囲を除いた実際の活動空間
- 車いすや歩行器を使用する場合の動線
- 避難経路と非常口へのアクセス
面積は壁芯だけで判断しない
賃貸図面の面積には、壁厚、柱、収納、廊下、トイレ等が含まれていることがあります。物件全体の賃貸面積が広くても、発達支援室として実際に使える面積が足りない、というケースは珍しくありません。
平面図では、各室の用途と㎡数を明確にし、必要に応じて求積根拠を示します。固定棚、大型遊具、間仕切り等を置いた後も支援に支障がないことを確認してください。
余裕を持った面積が運営を安定させる
指定時にぎりぎりの設計にしてしまうと、開業後に定員や支援内容を変更したい場合、家具を追加した場合、車いす利用児を受け入れる場合に、対応しにくくなります。
もちろん面積の余裕は不動産コストとのバランスが必要です。しかし、面積を削りすぎると、事故リスク、活動制限、騒音、職員負担が増え、結果として追加工事や移転が必要になることがあります。児童発達支援事業所の物件選びでは、契約前に確認したい物件条件を詳しく整理しています。
児童発達支援で用意したい設備・備品
一般事業所に必要な備品は、法令に一律の製品名や数量が列挙されているわけではありません。実施する支援、こどもの障害特性・発達状況、定員、安全・衛生管理に合った備品をそろえることが基本です。
設備・備品の実務チェック表
| 分類 | 主な例 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 支援用 | 机、椅子、マット、教材、絵本、玩具、運動遊具、個別課題用品 | 支援プログラムと対応し、年齢・発達段階に合うか |
| 構造化・情報伝達 | 絵カード、スケジュール表示、パーティション、タイマー | こどもに分かりやすく、転倒・誤飲等の危険がないか |
| 安全対策 | 家具固定具、指挟み防止、転落防止、飛び出し防止、角の保護 | 避難を妨げず、施錠が閉じ込めにつながらないか |
| 衛生管理 | 手洗い設備、石けん、ペーパータオル、消毒用品、清掃用品、汚物処理用品 | 誤飲防止、使用期限、保管場所、感染症対応が適切か |
| 救急・健康管理 | 救急用品、体温計、緊急連絡手段、必要に応じた個別物品 | 使用方法、点検、個別対応、医療機関との連携が明確か |
| 個人情報管理 | 鍵付き書庫、施錠可能な事務スペース、アクセス管理されたPC | 紙・電子双方の記録を適切に管理できるか |
| 防災・消防 | 消火器、自動火災報知設備、誘導灯、非常用物品等 | 必要設備は建物用途・面積・収容人員等で異なるため消防署確認 |
| 送迎 | 車両、チャイルドシート等、点呼・確認用品 | 年齢・体格に適合し、置き去り・乗降事故を防止できるか |
この表はあくまで一般例です。すべての備品が全事業所で一律に法定されているという意味ではありません。逆に、支援対象や医療的ケアの内容によっては、表にない設備が必要になることもあります。
備品は「購入予定」ではなく指定時に使える状態へ
指定申請では、設備・備品一覧表、平面図、写真等により整備状況が確認されます。仙台市のチェック資料では、必要な工事が完了していること、指定対象となる各室の写真があること、平面図どおりに備品が配置されていることなどが確認事項とされています。
宮城県も、新規指定時の実地確認で、改修工事の未完了、平面図と現況の不一致、消防設備や用途変更手続の未完了等があれば、予定日に指定できないと案内しています。納品や工事の遅れは想定内の出来事です。開業スケジュールには余裕を持たせておきましょう。
放課後等デイサービス併設・多機能型の設備基準
児童発達支援と放課後等デイサービスを一体的に行う多機能型事業所では、一定の条件で設備を共用できます。ただし、多機能型だからすべての部屋を無条件に共用できるわけではありません。
指定通所支援基準第81条は、サービス提供に支障を来さないよう配慮しつつ、一体的に行う他の事業の設備を兼用できるとしています。また、一般事業所の設備についても、こどもの支援に支障がない場合には共用の余地があります。
共用を検討するときの確認事項
- 児童発達支援と放課後等デイサービスの提供時間が重なるか
- 同時に利用する人数を収容できるか
- 未就学児と就学児の年齢差・活動内容に対応できるか
- 同じ室内で異なる支援をしても、音、動線、安全面で支障がないか
- 教材、個人所有物、記録を適切に分けて保管できるか
- 各サービスの定員・人員配置・支援単位との整合が取れているか
- 平面図、運営規程、勤務形態一覧、利用予定表の説明が一致しているか
たとえば、午前は児童発達支援、放課後は放課後等デイサービスとして同じ発達支援室を使う計画は十分に考えられます。しかし、時間帯が重なる日や学校休業日の運用まで含めて、本当に支援へ支障がないかを検証する必要があります。
多機能型の定員や人員基準にも特例がありますが、これは設備共用とは別の論点です。詳しくは児童発達支援・放課後等デイサービスの多機能型をご確認ください。活動空間の広さは定員と職員数に直結するため、児童発達支援の人員配置基準とあわせて検討すると計画がぶれません。放課後等デイサービス側の設備要件については放課後等デイサービスの設備基準で解説しています。
設備基準だけでなく建築基準法・消防法も確認する
児童発達支援の物件は、指定通所支援の設備基準だけで判断することはできません。建築基準法、消防法、都市計画法、自治体条例、賃貸借契約・管理規約などを重ねて確認していきます。
建築基準法上の確認
既存の住宅、事務所、店舗等を児童福祉関係の事業所へ転用する場合、建物の用途、床面積、工事内容等によって、用途変更その他の手続が必要になることがあります。
確認済証や検査済証が見当たらない、現況が建築図面と異なる、増改築部分が未確認である。こうした物件は、適法性の確認に時間を要します。「200㎡以下なら何も確認しなくてよい」といった判断は危険です。確認申請の要否と、建築基準法へ適合しているかは、そもそも別の問題です。詳しい考え方は放課後等デイサービス開業と建築基準法でも解説しています(児童発達支援でも考え方は共通です)。
消防法上の確認
必要となる消防用設備は、建物の用途、規模、構造、収容人員、建物全体の利用状況等によって異なります。消火器だけで足りるとは限らず、自動火災報知設備、誘導灯等が必要になる場合があります。
テナントの一室だけを見るのではなく、複合用途となる建物全体で判定されることもあります。工事費と工期へ大きく影響するため、所轄消防署への事前相談は欠かせません。消防用設備の考え方は放課後等デイサービス開業と消防設備の解説もあわせてご覧ください。
賃貸借契約前に確認する
貸主や不動産会社が「福祉事業に使用できる」と説明しても、それだけで指定基準、建築基準法、消防法への適合が保証されるわけではありません。
賃貸借契約では、少なくとも次の点を確認します。
- 児童発達支援・放課後等デイサービスとして使用する承諾
- 内装工事、消防設備工事、看板設置等の可否
- 原状回復の範囲
- 指定を受けられなかった場合の解除条件を設けられるか
- 建物図面、確認済証、検査済証等を確認できるか
- 駐車・送迎、騒音、共用部分の利用条件
設備基準を満たさない物件を契約してしまうと、追加工事、開業延期、物件変更による大きな損失につながります。児童発達支援の開業資金を検討する際も、内装・消防・バリアフリー等の費用をあらかじめ見込んでください。
宮城県と仙台市での申請実務
宮城県内では、事業所所在地が仙台市内か、それ以外かによって指定申請の窓口・手続が分かれます。
仙台市内で開業する場合
仙台市は、新規指定申請の流れを次のように案内しています。
- 事前相談
- 建築基準法・消防法の手続等
- 管理者等の事前面談
- 指定申請書の提出
事前相談は、物件等の契約前かつ申請書提出期限の1か月前までとされ、平面図を添付して電子申請フォームから申し込みます。指定申請の提出期限は、指定希望月の2か月前の15日必着です。2026年8月時点の最新情報は、仙台市の公式ページで必ず再確認してください。
仙台市は、建築指導課および管轄消防署との事前協議も求めています。申請前には、障害福祉サービス指導課へ設備基準の適合状況を確認します。
平面図・設備関係では、次の内容を説明できるようにしておきます。
- 設備基準上の室名
- 各室の㎡数
- 備品配置後の有効な広さ
- 車いす利用を想定する場合の廊下幅・動線
- 他サービスとの共用の可否
- 発達支援室その他運営に必要な設備
- 相談内容の秘密を守れる相談環境
- 利用者の特性に応じた洗面所・便所
- 設備・備品一覧と各室の写真
- 鍵付き書庫等の個人情報保管設備
市内での開業手順をまとめて確認したい方は、仙台市で児童発達支援を開業する方法もご覧ください。
仙台市を除く宮城県内で開業する場合
仙台市外の宮城県内で開業する場合は、宮城県の案内・様式に従って申請準備を進めます。宮城県は、申請前の事前相談と、物件契約前の設備基準確認を推奨しています。
新規指定申請では、書面審査に加えて実地確認が行われます。平面図と現況の不一致、改修工事の未完了、建築・消防・都市計画関係の手続未了などがある場合、予定日に指定できないことがあります。
宮城県の指定申請では、平面図と設備備品一覧表の様式が公表されています。物件の所在地、各室名、面積、設備・備品を、申請書、付表、運営規程、写真等と整合させることが重要です。
また、県の手引きは、事業者があらかじめ市町村の障害福祉担当課と協議してニーズ等を把握することも示しています。利用者の支給決定を行う市町村と、事業所指定を行う宮城県の役割を混同しないようにしましょう。県内での手順は宮城県で児童発達支援を開業する方法で整理しています。
申請全体の準備については児童発達支援の指定申請をご覧ください。
よくある設備上の不備・失敗
設備基準の失敗は、物件契約後に発覚すると修正費用が一気に膨らみます。特に次の点に注意してください。
発達支援室の面積を物件全体の面積で判断した
廊下、事務室、トイレ、収納、柱等を含む賃貸面積と、実際に支援に使える面積は異なります。各室を実測し、備品配置後の活動空間を確認します。
法令上の最低面積がないため、狭くてもよいと考えた
一般事業所に全国一律の数値基準がなくても、適切な支援ができる広さは必要です。定員、利用児の特性、活動内容を具体的に示せなければ、適切性を説明できません。
発達支援室を通路として使う間取りにした
他室や非常口へ行くために支援中の空間を横断する設計は、活動への干渉、飛び出し、接触事故等の原因になります。職員・利用児・来客・送迎の動線を分けて検討します。
多機能型なら全設備を共用できると思った
共用には「サービス提供に支障がないこと」が前提として必要です。提供時間が重なるのに同一スペースしかない、定員分の活動空間がない、未就学児と就学児の安全な区分ができない。こうした計画は見直しが必要です。
契約後に建築・消防へ相談した
用途変更、消防設備、避難経路等の問題が後から判明すると、追加工事や開業延期につながります。仙台市、宮城県とも、契約・工事前の事前相談が重要だと案内しています。
平面図・写真・現況が一致していない
申請後に壁、室名、備品配置等を変更した場合は、申請書類の修正や指定権者への連絡が必要です。申請用の図面だけを整えて、現場が異なる状態にならないようにしてください。
図解|物件契約前から設備確認までの流れ
※地域、建物、事業内容により順序や提出書類が異なる場合があります。必ず所在地を管轄する指定権者と関係部署へ確認してください。
物件契約前の設備チェックリスト
- 一般事業所か児童発達支援センターかを区別した
- 児童発達支援と放課後等デイサービスを多機能型で行うか決めた
- 利用定員、対象児、支援内容、同時利用人数を整理した
- 発達支援室の実測面積と有効面積を確認した
- 家具・遊具配置後も安全な活動空間と避難経路が残る
- 相談の秘密を守れる空間を確保できる
- 事務・記録保管スペースと鍵付き保管設備を確保できる
- 洗面所・便所が利用児の年齢・身体状況に対応できる
- 静養、クールダウン、更衣、食事等に使える空間を検討した
- 車いす利用や介助を想定した出入口・廊下・便所を確認した
- 送迎車の駐車・乗降動線を確認した
- 多機能型で共用する室・時間・備品を整理した
- 指定権者へ契約前に平面図を示して相談した
- 建築担当部署へ用途・適法性・必要手続を確認した
- 管轄消防署へ必要設備・届出・検査を確認した
- 貸主から福祉事業の利用と必要工事の承諾を得られる
- 工事・備品納入・行政手続を申請期限までに完了できる
まとめ|設備基準は物件契約前の確認が重要
児童発達支援の設備基準について、特に重要な点は次のとおりです。
- 一般の児童発達支援事業所には、発達支援室と支援に必要な設備・備品等が必要です。
- 一般事業所の発達支援室には全国一律の数値面積基準はありませんが、定員・支援内容等に応じた適切な広さが求められます。
- 1人当たり2.47㎡は児童発達支援センターの発達支援室に対する基準であり、一般事業所の一律の法定最低面積ではありません。
- 放課後等デイサービスとの多機能型では設備を共用できる場合がありますが、支援に支障がないことを具体的に説明する必要があります。
- 指定基準だけでなく、建築基準法、消防法、都市計画法、賃貸借条件等を契約・工事前に確認することが重要です。
児童発達支援の開業では、物件、設備、人員、指定申請、資金計画を別々に進めると、後から計画が整合しなくなることがあります。全体の流れは児童発達支援の開業・指定申請完全ガイドで確認できます。
当事務所は、宮城県仙台市を中心に、宮城県全域・東北6県の児童発達支援、放課後等デイサービス等の指定申請・開業準備・運営支援に対応しています。代表行政書士の吉田貴之は、医療・福祉事業に約30年間携わり、認可保育園の園長として安全管理、人員確保、保護者対応等に取り組んだ経験があります。
物件候補の段階から、指定申請に必要な設備、人員、書類、スケジュールを整理します。建築・消防・登記・労務・税務等については、必要に応じて建築士、司法書士、社会保険労務士、税理士等と連携します。物件契約前に確認事項を整理したい方は、ご相談ください。
よしだ行政書士事務所が児童発達支援の設備確認・指定申請を支援します
- 候補物件の平面図をもとにした設備基準の適合確認
- 指定権者・建築担当部署・管轄消防署への事前相談資料の作成
- 平面図・設備備品一覧表を含む指定申請書類の作成と提出支援
- 児童発達支援と放課後等デイサービスの多機能型における設備共用の整理
宮城県名取市を拠点に、宮城県全域を中心に東北6県からのご相談に対応しています。オンライン相談、訪問相談、土日祝日の予約相談も可能です。
FAQ|児童発達支援の設備基準でよくある質問
凡例・注釈
- 児童発達支援事業所
- この記事では、主として児童発達支援センターではない指定児童発達支援事業所を指します。
- 児童発達支援センター
- 児童福祉法第43条に規定され、地域の中核的な支援機関としての役割を担う施設です。一般事業所と設備・人員基準が異なります。
- 発達支援室
- こどもへの発達支援を行う中心的な室です。旧資料では「指導訓練室」と表記されている場合がありますが、現行の指定通所支援基準では「発達支援室」とされています。
- 多機能型事業所
- 児童発達支援、放課後等デイサービス等のうち、2以上の事業を一体的に行う事業所です。
- 指定権者
- 障害児通所支援事業者の指定を行う行政機関です。宮城県内では、仙台市内の事業所は仙台市、仙台市外の事業所は原則として宮城県が窓口となります。
- その他
- 面積、共用、建築・消防上の取扱いは、事業内容、建物、申請時期等によって判断が異なる場合があります。
参考情報・参考資料
法令・国資料
- 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号。現行では内閣府令)
発行元:国/参照箇所:第9条、第10条、第11条、第68条、第81条
参照内容:一般事業所・センターの設備、発達支援室・遊戯室の面積、多機能型の設備共用
URL:https://laws.e-gov.go.jp/law/424M60000100015/最終確認日:2026年8月14日 - 児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)
発行元:こども家庭庁/参照箇所:施設及び設備
参照内容:一般事業所の発達支援室に数値面積基準がないこと、2.47㎡を参考に適切なスペースを確保すること、生活・静養等の空間、安全・バリアフリーへの配慮
URL:https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/0ff6d844-e785-416a-9bbc-194938099218/583292ad/20240709_councils_shingikai_shougaiji_shien_0ff6d844_04.pdf/最終確認日:2026年8月14日
宮城県資料
- 指定障害福祉サービス等事業者等各種届出に関する手引き(2026年7月掲載版)
発行元:宮城県
参照内容:事前相談、物件契約前の設備確認、申請期限、実地確認、設備上の不備例
URL:https://www.pref.miyagi.jp/documents/7274/tebikizentaiban.pdf/最終確認日:2026年8月14日 - 障害児通所支援事業者・障害児入所施設の指定申請等様式
発行元:宮城県
参照内容:平面図、設備備品一覧表等の指定申請様式
URL:https://www.pref.miyagi.jp/site/syoufuku-top/si230071.html/最終確認日:2026年8月14日
仙台市資料
- 障害福祉サービス事業者等の新規指定申請について(2026年7月1日更新)
発行元:仙台市
参照内容:事前相談、平面図の提出、建築・消防手続、管理者等事前面談、申請期限・提出方法
URL:https://www.city.sendai.jp/shogaishien-shido/jigyosha/fukushi/fukushi/shogai/jigyosho/shinki.html/最終確認日:2026年8月14日 - 別冊1 新規指定申請時の提出書類(2026年3月版)
発行元:仙台市/参照箇所:児童発達支援・放課後等デイサービスのチェック項目
参照内容:必要設備、面積、相談室、洗面所・便所、備品、個人情報保管、写真、多機能型の共用
URL:https://www.city.sendai.jp/shogaishien-shido/jigyosha/fukushi/fukushi/shogai/jigyosho/documents/r803shinki.pdf/最終確認日:2026年8月14日 - 【建築・消防】新規指定申請・事業所の所在地変更・共同生活住居の追加・事業所の増設の前に(2026年1月16日更新)
発行元:仙台市
参照内容:建築指導課・管轄消防署との事前協議、必要書類、指定日までの設備整備
URL:https://www.city.sendai.jp/shogaishien-shido/jigyosha/fukushi/kentikushoubou.html/最終確認日:2026年8月14日
本記事は2026年8月14日時点の情報をもとに作成しています。法令、通知、自治体の手引き・様式・申請期限は変更されることがあります。また、発達支援室の面積、相談環境、設備の共用、バリアフリー、建築基準法・消防法上の適合性は、事業内容、建物、申請時期等によって判断が異なります。個別の物件については、平面図と事業計画を示したうえで、所在地を管轄する指定権者および建築・消防の担当部署へ必ずご確認ください。児童発達支援センター、主として重症心身障害児を通わせる事業所、医療的ケア・治療を行う事業所、共生型サービスには追加・別個の基準があります。