児童発達支援の指定申請|流れ・必要書類・審査を解説【宮城県・仙台市】
児童発達支援を開業するには、児童福祉法にもとづき、事業所の所在地を管轄する指定権者(都道府県・政令指定都市など)から「指定障害児通所支援事業者」の指定を受けなければなりません。
結論からいうと、指定申請は、申請書を窓口へ出すだけの手続ではありません。法人の設立、物件の確保、人員の採用、設備の整備、運営体制の構築、資金計画の策定――これらを並行して進めつつ、建築・消防など関係法令への適合も確認したうえで書類を整えます。書類どうしの数字や勤務時間、部屋の用途、運営方針に矛盾がないことも、審査では重視されます。
宮城県内でも、事業所が仙台市にある場合は仙台市へ、それ以外の地域では原則として宮城県へ申請します。さらに宮城県所管では、サービスの種類や事業所所在地により提出先・相談先が分かれるため、物件を契約する前に担当窓口を確認しましょう。
実際には、児童発達支援と放課後等デイサービスを同じ事業所で行う「多機能型」での開業も少なくありません。ただし、同じ建物・同じ職員を使うからといって、申請上も一つのサービスとして扱われるわけではなく、各サービスの指定基準・利用定員・営業時間・人員配置・支援内容を区別して申請する必要があります。
本稿では、2026年8月15日時点の宮城県・仙台市の公式情報をもとに、指定申請の流れ、必要書類、審査のポイント、多機能型で申請する場合の注意点をまとめます。児童発達支援の開業条件を先に確認したい方は、児童発達支援を開業するには?必要な資格・条件・指定基準もあわせてご覧ください。
この記事でわかること
- 児童発達支援の指定申請とは何か、利用申請との違い
- 仙台市と宮城県で異なる申請先と期限
- 事前相談から指定日までの9ステップ
- 主な必要書類と準備のチェックリスト
- 審査で確認される5つのポイント
- 放課後等デイサービス併設・多機能型の注意点
- 申請が遅れる原因とその対策
児童発達支援の指定申請とは
児童発達支援の指定申請とは、児童福祉法にもとづき、事業所所在地を管轄する都道府県等へ書類を提出し、障害児通所支援を提供する事業者として指定を受けるための手続です。
児童発達支援は、おもに就学前の障害のある子どもに対して、日常生活の基本的な動作の指導、知識技能の習得、集団生活への適応訓練などを行う障害児通所支援のひとつです。指定を受けた事業者は、市町村から通所給付決定を受けた児童にサービスを提供し、法定代理受領の仕組みを通じて障害児通所給付費等を請求します。
ここで区別しておきたいのが、「事業者の指定申請」と「サービス利用の申請」です。
| 手続 | 対象 | 主な窓口 |
|---|---|---|
| 事業者の指定申請 | 児童発達支援を運営する法人・事業所 | 宮城県または仙台市などの指定権者 |
| サービス利用の申請 | 児童発達支援を利用する児童・保護者 | 児童の居住地を管轄する市町村 |
本稿で扱うのは、開業する事業者側が行う「事業者の指定申請」です。保護者が市町村へ行う通所受給者証の申請とは別の手続ですので、混同しないようにしましょう。
法人であることが必要
児童発達支援の指定を受けられるのは法人に限られます。株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人、社会福祉法人など法人の種類はさまざまですが、法人の種類だけで可否が決まるわけではありません。定款の目的に児童発達支援事業が含まれているか、役員体制に問題はないか、欠格事由に該当しないかなども確認されます。
個人で開業計画を立てること自体は可能ですが、個人事業のまま指定を受けることはできません。法人を新たに設立する場合は、定款目的と登記内容が児童発達支援事業に対応するよう、指定権者への事前相談と法人設立手続を並行して進めることになります。
指定基準は「人員・設備・運営」の三本柱
指定審査では、おもに次の三つの基準を確認します。
| 基準 | 確認される内容 |
|---|---|
| 人員基準 | 管理者、児童発達支援管理責任者(児発管)、児童指導員・保育士等が必要数配置されているか |
| 設備基準 | 発達支援室、相談室、事務室、洗面所・便所など必要な設備と安全性を確保しているか |
| 運営基準 | 運営規程、重要事項説明、個別支援計画、安全管理、虐待防止、感染症対策、業務継続計画(BCP)などの体制が整っているか |
それぞれの基準の詳細は、児童発達支援の人員配置基準、児童発達支援の設備基準、児童発達支援の運営基準でそれぞれ個別に解説しています。
宮城県と仙台市では指定申請先が異なる
宮城県内で児童発達支援を開業する場合、仙台市内の事業所は仙台市へ、仙台市外の事業所は原則として宮城県へ指定申請します。
判断基準は、申請者(法人)の本店所在地ではなく、開業する事業所の所在地です。たとえば法人本店が仙台市にあっても、事業所を名取市に開く場合は宮城県が指定権者となります。
| 事業所所在地 | 指定権者 | 主な確認先 |
|---|---|---|
| 仙台市内 | 仙台市 | 仙台市健康福祉局 障害福祉サービス指導課 |
| 仙台市以外の宮城県内 | 宮城県 | 所在地を管轄する県保健福祉事務所・地域事務所等(サービス種別によって県障害福祉課の場合あり) |
宮城県の案内では、児童発達支援センターを除く一般の児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援などは、原則として最寄りの県保健福祉事務所・地域事務所が相談先とされています。一方、児童発達支援センターや指定障害福祉サービスとの多機能型などでは、県障害福祉課が窓口になるケースもあります。
したがって、宮城県所管で開業するときは、「市町村名」「予定するサービス」「一般の児童発達支援事業所か児童発達支援センターか」「多機能型の組み合わせ」を伝え、最初に提出先を確定しておくことが大切です。
地域別の開業実務は、仙台市で児童発達支援を開業する方法と宮城県で児童発達支援を開業する方法でも整理しています。
仙台市と宮城県の申請スケジュール比較
| 項目 | 仙台市 | 宮城県(所管区域) |
|---|---|---|
| 事前相談の時期 | 物件等の契約前かつ申請期限の1か月前まで | 窓口により異なる。早めに確認 |
| 管理者等事前面談 | 申請期限の1週間前まで | 制度として明示されていない場合あり |
| 指定申請書の提出期限 | 指定希望月の2か月前の15日まで | 指定希望日のおおむね1か月以上前までに受理 |
| 指定日 | 毎月1日 | 窓口へ確認 |
| 提出方法 | 持参または郵送(メール不可) | 窓口へ確認 |
※宮城県所管では、所在地・サービス種別により担当窓口や期限の運用が異なります。必ず管轄窓口へ直接お問い合わせください。
児童発達支援の指定申請から開業までの流れ
指定申請は、事業計画→事前相談→物件・法令確認→人員確保→書類作成→申請→補正→指定の順に進めるのが基本です。ただし、各工程をひとつずつ順番に片付けるのではなく、物件・人員・資金・法人手続・書類作成を並行して準備するのが実際の進め方です。
- 事業計画とサービス構成を決める――児童発達支援のみか放課後等デイサービスも実施するか、単独型か多機能型か、利用定員・営業日・営業時間・サービス提供時間、主な対象児童と支援内容、送迎の有無、必要職種・採用時期、物件面積・部屋配置・改修内容、初期費用と運転資金を整理します。
- 指定権者へ事前相談する――物件契約や内装工事を先に進めると、基準上の問題が判明しても後戻りが難しくなります。候補物件の平面図、事業計画、人員予定を用意し、契約前に相談しましょう。仙台市は「物件等の契約前かつ申請期限の1か月前まで」が目安です。
- 物件の建築・消防・設備基準を確認する――建物用途と用途変更手続の要否、検査済証の有無、消防用設備・避難経路、発達支援室の面積や相談室のプライバシー確保、建物所有者の承諾などを確認します。
- 職員を確保し、人員配置表を作る――児発管の実務経験と研修要件、児童指導員・保育士等の資格要件、管理者と他職種の兼務可否、休憩・送迎・欠勤時にも基準を満たせるかを確認し、勤務形態一覧表へ反映します。
- 運営書類と指定申請書を作成する――宮城県は2026年7月2日掲載のページに改正後の申請書・付表を公開。仙台市もZIP形式で書類一式を公開しています。様式が改正されることがあるため、必ず申請時点の公式ページから取得します。
- 管理者等の事前面談を受ける(仙台市)――仙台市では、申請期限の1週間前までに管理者と児発管等が同席する事前面談が必要です。事業の内容や基準の理解を、自分の言葉で説明できるよう準備します。
- 期限までに指定申請書を提出する――仙台市の期限は指定希望月の2か月前の15日まで。宮城県所管ではおおむね1か月以上前までの「受理」を意識します。
- 審査・補正へ対応する――不足書類や記載誤りがあれば追加提出・修正を求められます。補正が間に合わなければ、希望する指定日に開業できない場合もあります。
- 指定通知を受け、事業を開始する――人員、設備、備品、マニュアル、契約書類、請求体制を整え、利用児童を受け入れられる状態にしておきます。
全体の日程感については、児童発達支援の開業スケジュールで詳しく解説しています。また、放課後等デイサービスの指定申請手続については、放課後デイサービス指定申請の流れもご参照ください。
仙台市で4月1日に開業する場合の逆算スケジュール
指定申請の主な必要書類
児童発達支援の指定申請では、法人・事業所・人員・設備・運営・給付費算定に関する書類を一式で提出します。必要書類の範囲は、指定権者、サービス種別、建物の状況、法人形態、届出する加算、重症心身障害児・医療的ケア児への対応などにより増減します。以下は、一般的な児童発達支援事業所を想定した代表的な書類です。
| 区分 | 主な書類 | 確認される内容 |
|---|---|---|
| 申請の基本書類 | 指定申請書、サービス別付表、多機能型付表 | 申請者、事業所、定員、営業日、サービス内容 |
| 法人関係 | 登記事項証明書、定款、役員等に関する書類、誓約書 | 法人格、事業目的、欠格事由等 |
| 人員関係 | 勤務形態一覧表、組織体制図、経歴書、資格証、研修修了証、実務経験証明書、雇用関係書類 | 必要職種、資格、勤務時間、専従・兼務、常勤性 |
| 設備関係 | 平面図、各室の面積表、写真、位置図、建物の使用権限を示す書類、建築・消防関係書類 | 設備基準、部屋の用途、安全性、使用権限、法令適合 |
| 運営関係 | 運営規程、重要事項説明書、利用契約書、事故・苦情対応、虐待防止、身体拘束適正化、感染症対策、BCP、安全計画等 | 基準に沿った運営体制が具体化されているか |
| 支援関係 | 支援プログラム、個別支援計画関係様式、アセスメント・モニタリング様式 | 5領域との関連、家族支援、移行支援、地域連携を含む支援体制 |
| 給付費関係 | 体制等に関する届出書、体制等状況一覧表、加算の根拠資料 | 基本報酬区分、加算・減算の届出内容 |
| その他 | 事業計画、収支予算、損害賠償保険、協力医療機関関係、苦情受付体制等 | 継続運営、安全管理、関係機関との連携 |
申請書・付表
申請書には法人と代表者、事業所の名称・所在地、指定を受けるサービスなどを記載します。付表には、定員、従業者、営業日・営業時間、主たる対象者、設備などサービスに固有の情報を記載します。
児童発達支援と放課後等デイサービスを多機能型で行う場合、宮城県の様式には多機能型事業所用の付表が用意されています。ただし、多機能型付表があるからといって、サービス別の情報整理が不要になるわけではありません。
人員関係書類
人員の審査では、資格証があるかどうかだけでなく、「誰が、どの職種で、何曜日の何時から何時まで働き、どの業務を兼務するか」が細かく確認されます。
勤務形態一覧表、組織体制図、雇用契約書、運営規程で職種名や勤務時間が一致していなければなりません。児発管の実務経験と研修要件を証明する書類は、勤務先・期間・業務内容・従事日数の記載が要件判断に影響しますので、証明元への作成依頼にかかる時間も見込んで早めに準備しましょう。
平面図・写真・建物関係書類
平面図には、各室の名称、寸法、面積、用途、出入口などを明記します。申請書、付表、平面図、写真で部屋の名称が異なると、確認に時間がかかり補正の原因になります。
賃貸物件の場合は、契約書上の使用目的や転貸・改修の制限にも注意が必要です。指定申請上の設備基準に加えて、建築基準法の確認結果や消防関係の届出書の写しなど、指定権者が求める資料も準備します。
運営規程と重要事項説明書
運営規程には、事業の目的・方針、従業者の職種と員数、営業日・営業時間、定員、支援内容、利用者負担、通常の事業実施地域、緊急時対応、虐待防止などを定めます。
運営規程だけを整えても、付表や勤務形態一覧表、料金・実費負担の額、重要事項説明書との内容が一致していなければ補正の対象になり得ます。テンプレートの名称をそのまま置き換えるだけでなく、実際の運営計画に合わせて作成してください。
支援プログラムの届出
児童発達支援の事業者は、5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)とのつながりを明確にした支援プログラムを作成・公表する必要があります。
仙台市では、新規指定を受ける事業所について、指定申請時に支援プログラムの公表に関する書類を提出するよう案内しています。多機能型事業所の場合はサービスごとに届出が必要です。児童発達支援と放課後等デイサービスでは対象児童、生活場面、支援目標が異なりますので、一つの支援プログラムを名称だけ変えて提出するのではなく、それぞれのサービスに応じた内容を検討しましょう。
指定申請の準備チェックリスト
- 法人設立済み/定款目的に児童発達支援事業を記載
- 指定権者・管轄窓口を確認し、事前相談を完了
- 候補物件の建築・消防・設備基準の適合を確認
- 建物所有者から福祉事業使用の承諾を取得
- 児発管の実務経験証明書・研修修了証を収集
- 児童指導員・保育士等の資格証・雇用契約書を準備
- 勤務形態一覧表を作成し、全時間帯の配置を確認
- 運営規程・重要事項説明書を作成(付表・勤務表と整合確認)
- 支援プログラムを作成(多機能型はサービス別に)
- 個別支援計画の様式・アセスメントシートを準備
- BCP・虐待防止・感染症対策・安全計画等のマニュアルを整備
- 加算の届出書類を準備
- 平面図・写真・位置図を最新の状態で用意
- 申請書・付表・添付書類一式を最終チェック
- 管理者等事前面談の予約を完了(仙台市)
指定審査で確認される主なポイント
指定審査では、書類がそろっているかだけでなく、事業所が指定基準に適合し、申請内容どおりに運営できるかが確認されます。ここでは、特につまずきやすい5つのポイントを整理します。
1.書類同士の整合性
審査で見落とされがちなのが、書類どうしの不一致です。たとえば次のようなケースは、それぞれ補正を求められる原因になります。
よくある不一致の例
- 付表の営業時間と運営規程の営業時間が違う
- 勤務形態一覧表と雇用契約書の勤務時間が違う
- 平面図と写真で部屋の名称・用途が違う
- 定員と必要職員数が対応していない
- 重要事項説明書の実費と運営規程の費用が違う
- 児童発達支援と放課後等デイサービスの定員・支援時間を混同している
各書類を担当者ごとに分けて作成すると、こうした不一致が起こりやすくなります。申請前に「法人」「人員」「設備」「運営」「報酬」の各項目を横断的にチェックすることが大切です。
2.人員配置が実際の運営時間に対応しているか
人員基準は、単なる在籍者数では判断できません。サービス提供時間に必要な職員が配置され、休憩、送迎、会議、研修、欠勤を考慮しても基準を下回らない体制であることが求められます。
児童発達支援と放課後等デイサービスを併設する場合は、同じ職員を二つのサービスに同一時間帯で重複配置していないかも確認されます。放課後等デイサービスの人員基準もあわせて押さえておくと安心です。
3.物件と設備が適法・安全であるか
発達支援室の面積だけでなく、相談のプライバシーが守られるか、動線に危険がないか、避難経路を確保できるか、必要な消防設備があるかなども重要なチェックポイントです。
申請期限の直前に消防設備工事や用途変更の必要性が判明すると、指定希望日を延期せざるを得ないこともあります。指定審査と建築・消防の確認は別々の手続ですが、互いに影響し合いますので、並行して進めましょう。物件の確認ポイントは、児童発達支援事業所の物件選びでも詳しくまとめています。
4.運営体制が具体的に準備されているか
運営規程や各種マニュアルが「存在する」だけでは十分とはいえません。責任者、委員会、研修、訓練、記録方法、緊急連絡体制などを、実際の組織と人員で無理なく実行できる内容にする必要があります。
とくに、虐待防止、身体拘束等の適正化、感染症対策、業務継続計画(BCP)、安全計画、事故対応、苦情対応、個人情報保護などは、開業後の運営指導でも確認される重要事項です。
5.継続して運営できる計画か
指定は、開業日だけの条件確認ではありません。利用者が少ない開業初期でも賃料や人件費を支払えるか、採用した職員を維持できるか、給付費が入金されるまでの運転資金を確保できるか――こうした点を事業者自身が確認しておく必要があります。
資金計画の立て方については、児童発達支援の開業資金はいくら?も参照してください。開業後の収益構造を理解するには児童発達支援は儲かる?も参考になります。
放課後等デイサービス併設・多機能型で申請する場合の注意点
多機能型とは、同一事業所で複数の障害児通所支援等を一体的に行う事業形態ですが、各サービスの指定基準と申請内容は区別して整理する必要があります。
児童発達支援と放課後等デイサービスは、同じ障害児通所支援でありながら、対象はおもに未就学児と就学児に分かれ、利用時間、学校との連携、送迎、支援目標なども異なります。
申請にあたっては、少なくとも次の事項を明確にしておきましょう。
- サービスごとの利用定員
- サービスごとの営業日・営業時間・サービス提供時間
- 同一時間帯の利用児童数
- 職員が従事するサービスと時間帯
- 共用する部屋と専用する部屋
- 児童発達支援と放課後等デイサービスそれぞれの支援内容
- 学校休業日の放課後等デイサービスの体制
- サービス別の支援プログラムと届出
- サービス別の加算・減算の届出
とくに注意したいのが職員配置です。「午前は児童発達支援、午後は放課後等デイサービス」という計画でも、利用時間が重なる場合や、送迎中に事業所内の配置が不足する場合があります。
また、多機能型の定員特例や人員・設備の特例が使えるかは、サービスの組み合わせと運営形態によって判断されます。「同じ建物だからすべて共用できる」「職員数も一事業分でよい」とは限りません。
多機能型の仕組みについては、児童発達支援・放課後等デイサービスの多機能型とは?をご覧ください。放課後等デイサービスの指定条件全般は、放課後デイサービスの指定条件でも解説しています。
指定申請が遅れる主な原因と対策
指定が遅れる原因は、申請書の書き間違いよりも、物件・人員・証明書・建築消防など「申請書の前提条件」が整わないことで起こるケースが多い傾向にあります。
⚠ 物件を先に契約してしまった
契約後に「必要面積が足りない」「用途変更が必要」「消防設備工事が高額」といった問題が発覚するケースがあります。
対策:候補物件の図面を用意し、指定権者・建築担当部署・消防署へ契約前に相談しましょう。賃貸借契約には、使用目的や行政手続を前提とした条件を盛り込むことも検討します。
⚠ 児発管の要件確認が遅れた
研修修了証だけでなく、実務経験の内容と期間を証明する書類が必要です。前職に証明書の発行を依頼しても、すぐに対応してもらえるとは限りません。
対策:候補者を決めた段階で最新の要件と証明方法を確認し、原本・写しを早めに収集してください。
⚠ 採用計画と勤務表が一致しない
雇用契約では常勤でも、営業時間や送迎を勤務表に落とし込むと配置不足になる場合があります。
対策:開業後の1週間を想定し、職員ごとの出勤・休憩・送迎・会議時間を具体的にシミュレーションしましょう。
⚠ テンプレートの修正漏れがある
別サービス名、別法人名、実施しない加算、異なる営業時間が残ったまま提出すると、申請内容の信用性と整合性を損ねます。
対策:様式ごとの確認だけでなく、全書類を横断して名称・定員・時間・人数・費用を照合します。
⚠ 申請期限を「提出日」と考えていた
宮城県所管では、期限までに書類が「受理」されることが求められます。仙台市でも、補正が期限内に完了しなければ希望日に指定されないことがあります。
対策:公式期限を「最終日」ではなく「遅くともこの日まで」ととらえ、補正期間を含めた余裕のある工程表を立てましょう。
指定後に必要となる主な手続
指定通知を受けた後も、事業開始の前後にはさまざまな届出や準備が続きます。おもな対応は次のとおりです。
- 国保連合会への給付費請求に必要な準備(体制届出・請求ソフト等)
- 業務管理体制の整備に関する届出
- 障害福祉サービス等情報公表制度への対応
- 支援プログラムの公表・届出
- 自己評価・保護者評価と結果等の公表
- 加算の算定要件確認と必要な届出
- 変更届(変更の日から10日以内。加算等は別途期限あり)
- 廃止・休止・再開時の届出
- 指定有効期間(原則6年間)満了前の更新申請
宮城県の案内では、指定内容の変更があった日から10日以内の届出が必要とされています。給付費の加算等は別の期限が定められている場合もあるため、変更内容ごとに確認してください。仙台市も変更届、加算届、廃止・休止・再開、指定更新について個別の案内と様式を公開しています。
開業後のルールや日常の運営で守るべき事項は、児童発達支援の運営基準で詳しく解説しています。放課後等デイサービスの開業後の届出については放課後デイサービス 開業後の届出・運営もご参照ください。
児童発達支援の指定申請で行政書士に依頼できること
行政書士には、指定申請書・添付書類の作成、提出手続の代理、申請全体の工程整理などを依頼できます。
よしだ行政書士事務所が児童発達支援・放課後等デイサービスの開業を支援します
- 開業計画と指定申請スケジュールの整理
- 児童発達支援・放課後等デイサービス・多機能型の申請構成の整理
- 申請書、付表、運営規程、添付書類の作成支援
- 人員・設備・運営基準に関する書類の整合確認
- 事前相談に向けた資料整理
- 指定権者からの補正依頼への対応支援
- 指定後の変更届、運営支援、顧問対応
宮城県名取市を拠点に、宮城県全域を中心に東北6県からのご相談に対応しています。オンライン相談、訪問相談、土日祝日の予約相談も可能です。
代表行政書士の吉田貴之は、医療・福祉事業に約30年間携わり、保育事業の運営全般と認可保育園の園長職を4年間経験しています。書類の作成だけでなく、採用、安全管理、保護者対応など、開業後の現場を見据えて申請計画を整理することを重視しています。
なお、法人登記は司法書士、社会保険・労務は社会保険労務士、税務は税理士、建物の用途・設計は建築士、消防設備は消防設備士など、業務内容によっては他の専門家の領域となる場合があります。当事務所では、必要に応じて関係専門家と連携しながら進めます。
行政書士に依頼しなければ指定申請ができないわけではありません。ただし、物件契約、人員採用、内装工事、申請期限が互いに連動するため、計画段階から相談しておくと手戻りを抑えやすくなります。放課後デイサービスの開業資金と合わせて、専門家費用も含めた資金計画を立てておくとよいでしょう。
まとめ|指定申請は物件契約前から準備する
押さえておきたいポイント
- 仙台市内の事業所は仙台市、仙台市外は原則として宮城県へ申請する
- 物件契約前に、指定権者・建築担当部署・消防署へ相談する
- 人員・設備・運営基準を満たし、申請書類どうしの内容を一致させる
- 仙台市は指定希望月の2か月前の15日が申請期限。事前相談と管理者等面談も必要
- 多機能型でも、児童発達支援と放課後等デイサービスの定員・人員・支援内容・届出を区別する
指定申請の成否と開業時期は、申請書を書き始める前の計画段階に大きく左右されます。とくに物件、人員、建築・消防の確認、申請期限は相互に関連しますので、なるべく早い段階から動き出すことが重要です。
当事務所は、宮城県全域を対象に、児童発達支援・放課後等デイサービスの指定申請、開業準備、開業後の運営を支援しています。仙台市内への訪問、オンライン面談、土日祝日の相談にも対応していますので、多機能型を含め、計画段階で申請の進め方を整理したい場合はお気軽にご相談ください。
開業の全体像を体系的に確認したい方は、児童発達支援の開業・指定申請完全ガイドもあわせてご覧ください。放課後等デイサービスの開業全般を確認するなら、放課後等デイサービスの開業・指定申請総合ガイドも参考になります。
よくある質問
凡例・注釈
- 児童発達支援
- おもに就学前の障害児に対し、日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練その他必要な支援を行う障害児通所支援です。
- 放課後等デイサービス
- 学校に就学している障害児に対し、授業終了後または休業日に、生活能力向上のために必要な支援や社会との交流促進などを行う障害児通所支援です。
- 指定権者
- 障害児通所支援事業者の指定を行う都道府県、政令指定都市等の行政機関です。
- 児発管
- 児童発達支援管理責任者の略称です。アセスメント、個別支援計画の作成、モニタリング、関係機関との連携などを担います。
- 多機能型
- 複数の障害児通所支援等を一体的に行う事業所形態です。適用される特例や必要書類はサービスの組み合わせにより異なります。
- 指定日・提出期限
- 制度改正や指定権者の運用変更があり得るため、必ず申請時点の公式情報を確認してください。
- 本稿の対象範囲
- 一般的な児童発達支援事業所を中心に解説しています。児童発達支援センター、主として重症心身障害児を通わせる事業所、医療的ケア児を受け入れる事業所などは追加・異なる基準が適用されます。
参考法令・行政資料
- 児童福祉法(e-Gov法令検索)――第21条の5の15、第21条の5の16ほか。指定障害児通所支援事業者の指定・指定更新等。
https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164(最終確認:2026年8月15日) - 児童福祉法施行規則(e-Gov法令検索)――指定障害児通所支援事業者の指定申請に関する事項等。
https://laws.e-gov.go.jp/law/323M40000100011(最終確認:2026年8月15日) - 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号、e-Gov法令検索)――児童発達支援の人員・設備・運営基準、多機能型に関する基準等。
https://laws.e-gov.go.jp/law/424M60000100015(最終確認:2026年8月15日) - 障害児通所支援事業者・障害児入所施設の指定申請等様式(宮城県、2026年7月2日掲載)――指定申請書・付表・多機能型付表・提出時期・変更届等。
https://www.pref.miyagi.jp/site/syoufuku-top/si230071.html(最終確認:2026年8月15日) - 指定障害福祉サービス等事業者等各種届出に関する手引き(宮城県、2026年7月2日掲載)――指定申請・更新・変更・加算届、障害児関係の提出書類チェック表、相談窓口。
https://www.pref.miyagi.jp/site/syoufuku-top/tebiki.html(最終確認:2026年8月15日) - 障害福祉サービス事業者等の新規指定申請について(仙台市、2026年7月1日更新)――事前相談・建築消防手続・管理者等事前面談・申請期限・提出方法・申請様式。
https://www.city.sendai.jp/shogaishien-shido/jigyosha/fukushi/fukushi/shogai/jigyosho/shinki.html(最終確認:2026年8月15日) - 【建築・消防】新規指定申請・事業所の所在地変更・共同生活住居の追加・事業所の増設の前に(仙台市、2026年1月16日更新)――建築・消防の事前協議、消防関係書類、設備基準の事前確認。
https://www.city.sendai.jp/shogaishien-shido/jigyosha/fukushi/kentikushoubou.html(最終確認:2026年8月15日) - 障害児通所支援における支援プログラムの公表について(仙台市、2026年2月6日更新)――新規指定時の支援プログラム公表届、多機能型のサービス別届出。
https://www.city.sendai.jp/shogaishien-shido/jigyosha/fukushi/fukushi/shogai/jigyosho/shienprogram.html(最終確認:2026年8月15日)
免責事項
本記事は2026年8月15日時点の公開情報にもとづいて作成しています。制度改正や指定権者の運用変更により内容が変わる場合があります。実際の手続にあたっては、必ず管轄の指定権者(宮城県または仙台市)の最新の案内をご確認ください。本記事の内容に関して生じた損害について、当事務所は一切の責任を負いかねます。