~仙台・宮城県全域の建設会社経営者が知っておくべきルール~
建設業許可の5つの要件の中で、最も多くの建設会社経営者がつまずくのが「経営業務管理責任者(経管/常勤役員等)」の要件です。「うちには経営経験5年以上の役員がいるから大丈夫」と思っていても、書類で証明できなければ申請は通りません。本記事では、宮城県土木部「建設業許可の手引き」をベースに、2020年10月の法改正で新設された緩和ルートまで含めて、経管要件のすべてを行政書士がわかりやすく解説します。仙台市・名取市・岩沼市など宮城県内の建設会社経営者の方、必読の内容です。
目次
1. 経営業務管理責任者(経管)とは?なぜ最大の関門なのか
建設業許可とは、500万円以上の建設工事(建築一式工事は1,500万円以上または延べ面積150㎡以上の木造住宅工事)を請け負う場合に、建設業法に基づき取得が義務付けられている許可です。
宮城県内で建設業を営む場合、営業所が宮城県内にのみあれば「宮城県知事許可」、宮城県と他都道府県(例:山形県や福島県)にまたがる場合は「国土交通大臣許可」が必要となります。
■ 経管とは「建設業の経営をきちんと回せる経験者」のこと
経営業務管理責任者(略して「経管(けいかん)」)とは、建設業に関する経営経験を持ち、会社の経営をリードする役員のことです。建設業法では、許可を受けようとする事業者に「適正な経営判断ができる経験者」を必ず設置することを求めています。
具体的には、法人なら常勤の取締役・執行役・組合理事等、個人事業主なら事業主本人または支配人がこのポジションを担います。
■ なぜ5つの要件の中で最大の関門なのか
宮城県内の建設会社様からのご相談で、経管要件は群を抜いて「ネックになりやすい」要件です。理由は次の3点です。
- 必要な「経験年数」が長い(原則5年以上)
- 「建設業の経営経験」であることの証明が難しい
- 過去の在籍会社の協力が必要なケースが多い
■ 経管とは「建設業の経営をきちんと回せる経験者」のこと
経営業務管理責任者(略して「経管(けいかん)」)とは、建設業に関する経営経験を持ち、会社の経営をリードする役員のことです。建設業法では、許可を受けようとする事業者に「適正な経営判断ができる経験者」を必ず設置することを求めています。
具体的には、法人なら常勤の取締役・執行役・組合理事等、個人事業主なら事業主本人または支配人がこのポジションを担います。
【実例】「経営経験は十分にあるはずだったのに、当時の会社が建設業許可を持っていなかったから経験として認められないと思っていた」──というご相談を実際に何度もいただきます。実は、過去の在籍会社が建設業許可を取得していなくても、請負工事の実績が証明できれば経管経験として認められます。思い込みで諦めず、まずは専門家にご相談ください。
「許可取得に必要な5つの要件の全体像は『【宮城県】建設業許可取得の5つの要件は何?』で解説しています。」
2. 「常勤役員等」への名称変更と2020年法改正のポイント
2020年10月の建設業法改正により、従来「経営業務の管理責任者」と呼ばれていた要件は、正式名称が「常勤役員等(けいえいぎょうむかんりせきにんしゃとう)」に変更されました。
■ 法改正で何が変わったか(3つのポイント)
項目 改正前(令和2年9月まで) 改正後(令和2年10月以降) 経験業種 許可を受ける業種ごとに経験必要 建設業全般の経験で可 経験年数(別業種) 7年以上必要だった 5年で統一 緩和ルート なし 直接補佐者を置けば経験不足でも可
この改正により、「建設業の経営経験が5年に満たない後継者」「異業種から建設業に参入する経営者」でも、組織的な補佐体制を整えれば許可取得が可能になりました。
3. 経管になれる人の要件【5つのパターンを徹底比較】
宮城県の手引きおよび建設業法施行規則第7条第1号に基づき、経管(常勤役員等)になれるパターンは大きく5つに分かれます。
| ルート | 要件概要 | 必要年数 | 補佐 |
|---|---|---|---|
| ① | 建設業の役員等としての経営経験 | 5年以上 | 不要 |
| ② | 建設業で「経管に準ずる地位」での経営経験 | 5年以上 | 不要 |
| ③ | 建設業で「経管に準ずる地位」での補佐経験 | 6年以上 | 不要 |
| ※注④ | 建設業の役員等2年+役員等または次ぐ地位5年 | 通算7年以上 | 必要 |
| ※注⑤ | 役員等5年以上+うち建設業の役員等2年以上 | 通算5年以上 | 必要 |
※注④⑤2020年法改正で新設された緩和ルートです。以下、各パターンを詳しく解説します。
4. 【パターン①】建設業で5年以上の役員経験がある者
最も基本的かつ多くの方が該当するパターンです。
■ 認められる「役員等」の範囲
- 法人の取締役、執行役、業務を執行する社員
- 組合の理事、組合員(業務執行権限を持つ者)
- 個人事業主本人
- 登記された支配人
【重要なポイント】
ここでの「建設業」とは、許可を取りたい業種に限らず、建設業全般(29業種いずれか)での経験で構いません。たとえば塗装工事業の取締役経験5年で、新たに管工事業の許可を取る場合でも要件を満たします。
また、複数の会社での経験を通算することも可能です。A社で取締役3年+B社で取締役2年=5年でもOKです。
【宮城県での実務ポイント】宮城県の手引きでは、過去の役員経験を証明する際、登記事項証明書(履歴事項全部証明書)で役員在任期間を確認します。すでに退任している場合、閉鎖事項証明書が必要になることもあります。古い登記簿は法務局で発行可能ですが、保管期間に注意が必要です。
5.【パターン②】建設業で5年以上「準ずる地位」での経験がある者
正式な役員でなくても、「経営業務を執行する権限の委任を受けた者」として5年以上の経験がある方も該当します。
■ 「準ずる地位」の具体例
- 執行役員(役員ではないが、取締役会から経営業務の権限委任を受けている者)
- 支店長(建設業法施行令第3条に規定する使用人として登録されている者)
- 事業部長(経営業務の一部について委任を受けている者)
【注意】
「単なる部長」では認められません。あくまで「経営業務の執行権限の委任を受けている」ことが必要です。委任の事実は、社内規程・取締役会議事録等で証明する必要があり、後付けでの証明は困難です。
6.【パターン③】建設業で6年以上「補佐」した経験がある者
経管(または経管に準ずる地位)を「補佐」する業務に6年以上従事した方も該当します。
■「補佐業務」の例
- 経理部長として、社長の経営判断に必要な財務情報を提供してきた
- 総務部長として、経営会議への参加・経営計画策定の補助をしてきた
- 事業部副部長として、部長(経管)の業務を直接補佐してきた
【ポイント】
このパターンは「年数が長い分だけ証明難易度も上がる」というジレンマがあります。組織図、業務分掌規程、稟議書等で「経管を補佐していた事実」を客観的に示す必要があるため、現実には立証が難しいケースが多く、利用例は限定的です。
7.【パターン④⑤】法改正で新設!直接補佐者を置くルート
2020年10月の法改正で新設された、緩和ルートです。「常勤役員等」の経験が足りなくても、「直接補佐者」を組織内に配置すれば許可取得が可能になりました。
パターン④の要件(建設業役員2年+他の地位5年以上)
常勤役員等本人について、以下を満たす必要があります。
- 建設業に関し、2年以上の役員等としての経験
- 加えて、5年以上「役員等」または「役員等に次ぐ職制上の地位」の経験(財務管理・労務管理・業務運営のいずれかを担当)
パターン⑤の要件(役員5年+うち建設業役員2年以上)
- 5年以上の役員等としての経験
- そのうち2年以上が建設業に関する役員等としての経験
共通して必要な「直接補佐者」の要件
パターン④⑤では、申請会社内に以下の3つの業務についてそれぞれ5年以上の経験を持つ常勤者を配置する必要があります。
| 補佐業務 | 具体歴 |
|---|---|
| 財務管理 | 経理責任者、財務部長として5年以上の経験(資金繰り、決算業務、財務分析等) |
| 労務管理 | 人事責任者、労務部長として5年以上の経験(採用、給与計算、社会保険等) |
| 業務管理 | 業務部長、工事部長として5年以上の経験(工事管理、現場運営、外注管理等) |
【重要】
1人が複数の業務を兼ねることも可能です。たとえば、財務+労務を1人、業務運営を別の1人で計2名体制も認められます。ただし、いずれも「申請会社内での常勤」であることが必須です。社外の税理士や社労士では補佐者とは認められません。
【実務上の活用例】
「父親が引退し、息子(建設業の役員経験2年)が事業承継するが、ベテランの経理部長と工事部長がいる」──こうした建設会社様で、このルートを活用して許可を取得した実例が増えているようです。
8.「常勤性」の要件と証明方法
経管要件で見落とされがちなのが「常勤性」の要件です。経管は、原則として「申請会社の本社または営業所に常時勤務している」必要があります。
認められない例
- 他社の常勤役員と兼任している
- 社会保険の加入先が別の会社になっている
- 住所が遠方すぎて通勤が困難(片道2時間以上等)
宮城県で認められる「常勤性」の証明書類
宮城県の手引きでは、以下のいずれかの書類で常勤性を証明します。
- 健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書のコピー
- 健康保険・厚生年金被保険者資格取得確認及び報酬決定通知書のコピー
- 住民税特別徴収義務者指定及び税額通知のコピー
- 確定申告書(法人:表紙+役員報酬手当等及び人件費の内訳書、個人:所得税確定申告書の表紙)のコピー
【見落としポイント】
被保険者証や標準報酬決定通知書を提出する際、被保険者等記号・番号にはマスキング(目隠し)が必要です(令和2年10月22日宮城県取扱変更)。マスキング漏れによる差し戻しが頻発しているのでご注意ください。
9. 経管要件を証明するために必要な書類一覧
経管要件の証明には、大きく分けて「経歴の証明」と「常勤性の証明」の2系統の書類が必要です。
経歴の証明書類
| 書類名 | 目的・取得方法 |
|---|---|
| 登記事項証明書 | 法人の場合、役員在任期間を証明。退任済みは閉鎖事項証明書も必要。法務局で取得 |
| 確定申告書(個人) | 個人事業主の場合、事業主本人として経営していた事実の証明 |
| 工事請負契約書 | 当該期間中、建設業の請負工事を行っていたことの証明。注文書+請書、請求書等でも可 |
| 注文書・請書・請求書 | 契約書がない場合の代替書類。原則として年1件以上、5年(または6年)分を揃える必要あり |
| 常勤役員等の略歴書 | 様式第七号別紙一。職歴・住所等の詳細を記載 |
申請書類(宮城県提出様式)
- 常勤役員等(経営業務管理責任者等)証明書〔様式第七号〕
- 常勤役員等の略歴書〔様式第七号別紙一〕
- パターン④⑤の場合:常勤役員等及び当該役員等を直接に補佐する者の証明書〔様式第七号の二〕
- パターン④⑤の場合:常勤役員等を直接に補佐する者の略歴書〔様式第七号の二別紙二〕
- 健康保険等の加入状況〔様式第七号の三〕
「各書類の具体的な取得方法とチェックリストは『【宮城県】建設業許可の経営管理者(経管)に必要な書類を完全解説』をご覧ください。」
10. 経管要件でよくある失敗例とその対策
失敗例1:過去の在籍会社が倒産していて書類が取得できない
【対策】法務局で閉鎖事項証明書を取得することで、過去の役員在任期間は証明可能です。また、当時の取引先に注文書や請求書のコピーをお願いするケースもあります。早めに動き始めることが鍵です。
失敗例2:工事の請負契約書が手元にない
【対策】注文書+請書のセット、または請求書+入金確認書類のセットで代替可能です。宮城県では、これらの組み合わせも認められています。少なくとも各年4件分(四半期に1件)の証明が必要なので、5年なら最低20件が目安です。
失敗例3:役員報酬が低額で常勤性を疑われる
【対策】役員報酬が極端に低い(月10万円未満等)場合、常勤性を疑われることがあります。健康保険・厚生年金の加入状況や、出勤実態を示す資料(タイムカード等)を補強資料として用意しておくと安心です。
失敗例4:他社役員と兼任していて常勤性が認められない
【対策】許可申請の前に、他社の役員を退任しておく必要があります。退任登記が完了した時点での申請が原則です。
失敗例5:建設業以外の経営経験を含めて5年と主張してしまう
【対策】経管要件は「建設業」の経営経験が原則です(パターン⑤の一部を除く)。たとえば飲食業の役員経験は原則カウントされません。事前に経歴を整理し、建設業期間を正確に把握することが重要です。
11. よくあるご質問(FAQ)
Q1. 個人事業主として10年やってきましたが、経管になれますか?
はい、個人事業主として5年以上、建設業を営んでこられた方は、経管要件(パターン①)を満たします。確定申告書5年分(できれば工事請負契約書等も)で経歴を証明します。
「詳しくは『個人事業主(一人親方)でも建設業許可は取得できる?』もあわせてご覧ください。」
Q2. 父の会社を引き継いで2年。経管要件は満たせますか?
ご自身の建設業役員経験が2年でも、ベテランの社員(財務管理5年以上、労務管理5年以上、業務運営5年以上の経験者)を直接補佐者として配置すれば、パターン④または⑤で要件を満たせる可能性があります。事業承継の場面でこのルートは非常に有効です。
Q3.建設業以外の業種で取締役を5年やっていました。経管になれますか?
原則として建設業以外の経験は経管要件に該当しません。ただし、パターン⑤では「役員等5年+うち建設業役員2年」という組み合わせが認められます。建設業での役員経験を最低2年積めば、それまでの他業種役員経験も活かせます。
Q4. 過去に勤めていた会社が建設業許可を持っていませんでした。経験として認められますか?
はい、許可の有無は問われません。重要なのは「建設業の請負工事を行っていた会社で役員等の経営経験を積んだ」事実です。当時の工事請負契約書や注文書で証明します。
Q5. 経管と専任技術者は同じ人が兼ねられますか?
はい、同一営業所内であれば、経管と専任技術者を1人で兼任することが可能です。中小建設会社では社長が両方を兼ねるケースが多く見られます。
Q6. 仙台市以外の宮城県内(名取市・岩沼市・石巻市等)でも対応してもらえますか?
はい、よしだ行政書士事務所は宮城県仙台市を拠点に、宮城県全域の建設会社様のご依頼に対応しております。出張相談も可能です。
Q7. 経管要件の事前確認だけお願いできますか?
もちろん可能です。要件診断のみのご相談も歓迎しております。「自分が経管になれるか」「ベテラン社員を補佐者にできるか」など、申請前の不安を解消するためのご相談を承ります。
12.宮城県の経管要件のご相談は当事務所へ
経営業務管理責任者(経管)の要件確認は、建設業許可申請の成否を左右する最重要ポイントです。「自分が経管になれるか」「ベテラン社員に補佐者になってもらえるか」──こうした判断には、宮城県の手引きと最新の運用に精通した行政書士のサポートが不可欠です。
当事務所は、仙台市・宮城県全域を拠点に、建設業許可申請を中核業務として長年取り組んできた専門事務所です。仙台市・名取市・岩沼市・多賀城市・塩竈市・石巻市・気仙沼市・大崎市など宮城県内全域まで多数のご相談をいただいております。
「経管要件を満たせるか不安」「直接補佐者ルートを検討したい」「事業承継で経管が変わる」──こうした宮城県の建設会社経営者の方は、まずはお気軽にお問い合わせください。要件診断だけでも、今後の進め方が明確になります。
事務所情報
| 事務所名 | よしだ行政書士事務所 |
| 対応エリア | 宮城県全域(仙台市・名取市・岩沼市・多賀城市・塩竈市・石巻市・気仙沼市・大崎市ほか)、東北地方 |
| 主な業務 | 建設業許可申請(新規・更新・業種追加・変更届)、経営事項審査、承継認可、事業譲渡契約書作成、決算変更届、風俗営業許可、産業廃棄物収集運搬許可、遺産分割協議書作成、ほか |

行政書士 吉田 貴之(よしだ たかゆき)
宮城県名取市を拠点に建設業許可・
産業廃棄物収集運搬許可を専門に
サポートしています。
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📞 022-382-8723









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