建設業許可の取得要件

【宮城県】建設業許可の経営管理者(経管)に必要な書類を完全解説

「経管要件を満たしているはずなのに、書類が揃わなくて申請が進まない…」──宮城県内の建設会社経営者の方から、こうしたご相談を毎月数多くいただきます。経営業務管理責任者(経管/常勤役員等)の証明は、5要件の中で最も書類収集が大変な部分です。本記事では、宮城県土木部「建設業許可の手引き」をベースに、経管要件を証明するために必要な書類を「申請書類」「経歴の確認資料」「常勤性の確認資料」「工事実績の確認資料」の4つに分けて、具体例とともに徹底解説します。仙台市・名取市・岩沼市など宮城県内の建設会社経営者の方、これから申請準備をされる方の保存版ガイドです。

1. なぜ経管の書類収集が「最大の難関」なのか


建設業許可の申請において、経営業務管理責任者(経管/常勤役員等)の証明書類は、5要件の中で最も収集に時間がかかります。

経管書類が大変な3つの理由
  1. 過去5年~6年(または7年)分の書類が必要になる
  2. 過去の在籍会社の協力が必要なケースが多い
  3. 「経歴」「在籍」「常勤」「工事実績」を多角的に証明する必要がある

【宮城県の実務感覚】
よしだ行政書士事務所のご相談実績では、書類収集に平均1~2ヵ月を要しています。申請書作成自体は数日でできても、書類が揃わなければ申請できません。「準備期間=書類収集期間」と考えるのが現実的です。

「許可取得に必要な5つの要件の全体像は『【宮城県】建設業許可取得の5つの要件は何?』をご覧ください。」

2. 経管証明に必要な書類は「4つのカテゴリー」に分類できる


経管証明書類は混乱しがちですが、整理すると以下の4カテゴリーになります。

分類カテゴリー証明する内容主な内容
宮城県提出様式申請のメイン書類様式第七号他
経歴の確認資料過去に役員等だったことの証明登記事項証明書等
常勤性の確認資料現在、申請会社に常勤していることの証明健康保険証等
工事実績の確認資料当該期間中、建設業を営んでいたことの証明工事請負契約書等

【ポイント】
「役員でいた」だけでは経管経験になりません。その期間中に「実際に建設業の工事を請け負っていた」事実をセットで証明する必要があります。だから経歴と工事実績の両方の書類が必要なのです。

「経管の要件そのものについては『【宮城県】建設業許可の経営管理者(経管)になるための要件を徹底解説』で詳しく解説しています。」

3.【カテゴリー①】宮城県提出様式(申請書類)


まずは宮城県に提出する正式な申請様式です。宮城県公式ウェブサイトからExcel形式でダウンロード可能です。

 パターン①②③の場合(原則ルート)
様式名内容・記載事項
常勤役員等(経営業務管理責任者等)証明書【様式第七号】経管本人の氏名、生年月日、経験年数、過去の在籍会社等を記載するメイン証明書
常勤役員等の略歴書【様式第七号別紙一】経管本人の住所、職歴、役職、賞罰等を記載する経歴書
健康保険等の加入状況【様式第七号の三健康保険・厚生年金・雇用保険の加入状況を記載(未加入は許可不可)
 パターン④⑤の場合(直接補佐者ルート)

2020年法改正で新設された緩和ルートを使う場合は、上記に加えて以下が必要です。

様式名内容・記載事項
常勤役員等及び当該役員等を直接に補佐する者の証明書【様式第七号の二常勤役員等本人と、財務・労務・業務運営を補佐する者の証明書
常勤役員等の略歴書【様式第七号の二別紙一常勤役員等本人の略歴
常勤役員等を直接に補佐する者の略歴書【様式第七号の二別紙二補佐者(財務管理・労務管理・業務運営)それぞれの略歴

【最新情報】
宮城県の様式は令和7年2月27日に「営業所専任技術者」→「営業所技術者等」へ表記変更されています。古い様式(令和6年以前)を使うと差し戻しになります。必ず宮城県公式ウェブサイトで最新版をダウンロードしてください。

4.【カテゴリー②】経歴の確認資料(役員等であったことの証明)


「過去○年間、建設業の役員等でした」と言葉で主張するだけでは、宮城県は許可してくれません。客観的な書類で証明する必要があります。

書類名取得場所注意点
履歴事項全部証明書法務局現在在任中の役員はこれでOK
閉鎖事項全部証明書法務局退任済み役員はこちらが必要
閉鎖役員欄の謄本法務局古い役員履歴を確認する場合

【保管期間に注意!】
商業登記簿の閉鎖事項は、原則として閉鎖後20年間保管されますが、それ以前のものは取得できません。50代後半~60代の経営者の方で、20代~30代の頃の役員経験を証明したい場合、登記簿が取得できないケースがあります。早めの確認が重要です。

 個人事業主だった場合
  • 確定申告書の控え(税務署の収受印または電子申告受付通知があるもの) 5年~6年分
  • 開業届の控え
  • 青色申告承認申請書の控え(青色申告者の場合)

【見落としポイント】
個人事業主の確定申告書は「税務署の収受印」または「メール詳細(電子申告の場合)」がないと認められません。控えだけ手元にあって税務署に提出した記録がないと、無効になります。e-Tax申告の方は、メッセージボックスから受信通知をプリントアウトしておきましょう。

5.【カテゴリー③】常勤性の確認資料(常時勤務していることの証明)


経管は「申請会社に常勤」している必要があります。宮城県の手引きに基づき、以下のいずれかの書類で証明します。

現在の常勤性を証明する書類(いずれか1つ)
書類名ポイント
健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書のコピー最も一般的。直近のものを準備
健康保険・厚生年金被保険者資格取得確認及び報酬決定通知書のコピー最近入社・就任した場合
住民税特別徴収義務者指定及び税額通知のコピー住民税が給与天引きされていることの証明
法人税確定申告書(表紙+役員報酬手当等及び人件費の内訳書)のコピー法人役員の場合、報酬が支払われていることの証明
所得税確定申告書(表紙)のコピー個人事業主の場合

【見落としポイント】
令和2年10月22日の宮城県取扱変更により、健康保険関連書類を提出する際は、被保険者等記号・番号にマスキング(塗りつぶし)を施す必要があります。マスキング漏れによる差し戻しが頻発していますので、コピーを取った後、油性マジック等で確実に隠してください。

過去の在籍期間の常勤性証明

経管要件で重要なのは「過去の経歴期間中、その会社に常勤していた」事実です。以下の書類で証明します。

  • 厚生年金被保険者記録照会回答票(年金事務所で発行) ※正社員・取締役だった期間の証明として最有力
  • 当時の在籍会社の決算書(役員報酬欄)
  • 当時の確定申告書の控え(個人事業主期間)
  • 源泉徴収票、給与明細(補助資料として)

6.【カテゴリー④】工事実績の確認資料(建設業であったことの証明)


経管経験として認められるためには、「役員等でいた期間中、その会社が実際に建設業の請負工事を行っていた」ことを証明する必要があります。

在籍会社が建設業許可を持っていた場合(最もスムーズ)
  • 当時の建設業許可通知書のコピー
  • 変更届出書(決算報告)の表紙および直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第三号)のコピー
  • 工事経歴書(様式第二号)のコピー

【優先順位】
在籍会社が建設業許可を保有していた期間については、決算変更届のコピーで一気に証明できます。これが最も効率的なので、まずは過去の在籍会社の許可有無を確認しましょう。

在籍会社が建設業許可を持っていなかった場合

許可の有無は経管経験の要件ではありませんが、書類で「建設業を営んでいた」事実を別途証明する必要があります。次セクション(第7章)で詳しく解説します。

【優先順位】
在籍会社が建設業許可を保有していた期間については、決算変更届のコピーで一気に証明できます。これが最も効率的なので、まずは過去の在籍会社の許可有無を確認しましょう。

7.工事実績書類の3パターン(契約書・注文書・請求書)


工事実績の証明には、以下3つの組み合わせが認められます(宮城県の手引きより)。

パターンA:工事請負契約書(最も確実)

元請から下請への「工事請負契約書」が原本またはコピーで残っていれば、これが最も確実な証明書類です。注文者・受注者双方の押印があるものに限ります。

パターンB:注文書+請書のセット

正式な契約書がない場合、「注文書(注文者が発行)」と「請書(受注者が発行)」のセットで代替できます。

  • 注文書:相手先の押印があるもの(原本)が原則
  • FAX注文書の場合:押印があってもコピーである場合、入金確認資料(通帳コピー等)が追加で必要
 パターンC:請求書+入金確認書類

契約書も注文書もない場合の最終手段です。

  • 請求書のコピー(自社控え)
  • 入金が確認できる通帳のコピー(請求書の金額と整合すること)
  • または領収書のコピー

【宮城県での実務基準】
宮城県では、原則として証明期間中「年1件以上」の工事実績資料が必要です。つまり5年経験なら最低5件、6年経験なら6件です。ただし、各年に1件以上の請負があったことを「均等に」証明する必要があるため、「最初の1年に5件、残り4年は0件」のような偏りはNGです。

工事実績書類の優先順位(まとめ)
順位書類信用度
1工事請負契約書(原本またはコピー)◎ 最も確実。双方押印があれば単独で証明可
2注文書+請書(セット)〇 押印あり原本ならOK
3請求書+入金通帳△ 整合性チェックが厳しい
4決算変更届(許可業者期間のみ)◎ 許可業者なら一気に複数年証明可

「工事経歴書の書き方については『「工事経歴書」って何?』で解説しています。」

8.直接補佐者(パターン④⑤)を置く場合の追加書類


2020年法改正で新設された「直接補佐者ルート」を使う場合、補佐者(財務管理・労務管理・業務運営)の経験を別途証明する必要があります。

直接補佐者それぞれに必要な書類
  • 当該補佐者の略歴書〔様式第七号の二別紙二〕
  • 申請会社における5年以上の在籍を証明する書類(健康保険被保険者証、決算書役員報酬欄等)
  • 当該業務(財務管理/労務管理/業務運営)に従事していたことを証明する書類
業務従事を証明する書類の例
補佐業務証明書類の例
財務管理組織図、業務分掌規程、決算書の作成担当者欄、辞令、給与明細(役職手当)等
労務管理組織図、業務分掌規程、社会保険手続書類の担当者欄、辞令、就業規則の管理担当者等
業務運営組織図、業務分掌規程、工事台帳、現場代理人通知書、辞令等

【実務上の難所】
「経理部長として5年以上やっていた」と本人が主張しても、辞令や組織図がなければ証明できません。中小建設会社では役職を明文化していないケースが多く、後から作成した書類は信用されません。直接補佐者ルートを使う予定なら、早めに組織図や業務分掌規程を整備しておくことが重要です。

9.宮城県特有の注意点とマスキング処理


宮城県で経管書類を準備する際に、特に気をつけるべきポイントを整理します。

【実務上の難所】
「経理部長として5年以上やっていた」と本人が主張しても、辞令や組織図がなければ証明できません。中小建設会社では役職を明文化していないケースが多く、後から作成した書類は信用されません。直接補佐者ルートを使う予定なら、早めに組織図や業務分掌規程を整備しておくことが重要です。

10.書類が揃わない時の対処法


「過去の書類が手元にない」「在籍会社が倒産している」──こうしたケースでも、諦める前に試せる対処法があります。

【アドバイス】
「書類がないから無理」と即断する前に、専門家にご相談ください。よしだ行政書士事務所では、過去の取引先への書類取得依頼、法務局・税務署・年金事務所での書類取得サポートまで一貫してお手伝いします。書類収集だけでも数十時間の作業を肩代わりしますので、本業に集中いただけます。

11.経管書類の準備チェックリスト


実際に書類準備を始める方のために、宮城県知事許可(原則ルート)の経管書類チェックリストをまとめました。

 申請書類(宮城県提出様式)
  • □ 常勤役員等(経営業務管理責任者等)証明書〔様式第七号〕
  • □ 常勤役員等の略歴書〔様式第七号別紙一〕
  • □ 健康保険等の加入状況〔様式第七号の三〕
  • □【パターン④⑤の場合】様式第七号の二・別紙一・別紙二
 経歴の確認資料
  • □ 履歴事項全部証明書(法人役員の場合)
  • □ 閉鎖事項全部証明書(退任済み役員の場合)
  • □ 確定申告書の控え 5~6年分(個人事業主の場合)
 常勤性の確認資料
  • □ 健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書のコピー(マスキング処理済)
  • □ または住民税特別徴収義務者通知書のコピー
  • □ 厚生年金被保険者記録照会回答票(過去期間の常勤性証明用)
工事実績の確認資料
  • □ 工事請負契約書(または注文書+請書、または請求書+入金通帳) 経歴期間中、年1件以上
  • □ 当時の決算変更届(在籍会社が許可業者だった場合)

【保存版】
このチェックリストを印刷して、書類収集の進捗管理にお使いください。よしだ行政書士事務所にご相談いただければ、より詳細なオリジナルチェックリストもご提供します。

12.よくあるご質問(FAQ)


Q1:工事請負契約書は原本が必要ですか?コピーでも大丈夫ですか?

原則として、宮城県への提出はコピーで構いません。ただし、窓口で原本との照合を求められる場合があるので、原本は手元に残しておきましょう。

Q2:5年分の工事書類が年によって偏っています。大丈夫ですか?

宮城県では、経歴期間中「各年に1件以上」の工事実績書類が必要です。偏りがある場合、空白年について追加の証明書類(請求書・通帳等)を求められることがあります。早めに不足年の書類を準備しましょう。

Q3:過去の在籍会社が倒産しています。経歴を証明できますか?

法務局で閉鎖事項全部証明書を取得することで、過去の役員在任期間は証明可能です。工事実績については、当時の取引先や元請会社に書類提供を依頼するケースもあります。

Q4: 健康保険関連書類のマスキングはどうすればいいですか?

コピーを取った後、被保険者等記号・番号の部分を黒の油性マジック等で塗りつぶします。再コピーを取って完全に判読不能になっているか確認してください。

Q5:個人事業主時代の確定申告書控えが手元にありません

税務署の「申告書等閲覧サービス」で過去の申告書を閲覧・転記できます(原則7年分まで)。本人確認書類を持参してお近くの税務署で手続きしてください。

Q6:仙台市以外の宮城県内(名取市・岩沼市・石巻市等)でも対応してもらえますか?

はい、よしだ行政書士事務所は仙台市・宮城県全域を拠点に、建設会社様のご依頼に対応しております。出張相談・書類取得代行も承ります。

Q7:書類収集だけお願いすることはできますか?

もちろん可能です。本業がお忙しい建設会社経営者の方のために、書類収集~申請までフルサポート、書類収集のみ、申請書作成のみなど、必要な部分だけのご依頼にも柔軟に対応しています。

13.宮城県の経管書類のご相談は「よしだ行政書士事務所」へ


経管(常勤役員等)の書類収集は、建設業許可申請における最大のヤマ場です。「どの書類を、何年分、どこから取得するのか」──この判断を誤ると、申請が何ヵ月も遅れることになります。

よしだ行政書士事務所は、仙台市・宮城県全域を拠点に、建設業許可申請を中核業務として長年取り組んできた専門事務所です。仙台市・名取市・岩沼市・多賀城市・塩竈市・石巻市・気仙沼市・大崎市など宮城県内全域の建設会社様から、書類収集の難しいケースを多数お引き受けしてきました。

「書類が足りなくて申請できない」「過去の在籍会社が倒産している」「何から手をつけていいかわからない」──そんな宮城県の建設会社経営者の方は、まずはお気軽にお問い合わせください。書類収集の見通しが立つだけで、許可取得への道筋が見えてきます。

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