建設業許可 取得要件

建設業許可の欠格要件とは?役員・令3条使用人・過去の処分との関係を解説|宮城県

料金の目安【知事許可・新規申請】

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建設業許可の欠格要件とは?役員・令3条使用人・過去の処分との関係を解説【宮城県】

建設業許可を申請するとき、「昔、罰金を受けたことがある」「新しく就任する役員に前科がある」「過去に別会社で許可取消しに関わった人がいる」といった事情があると、申請できるのか不安になると思います。

結論からいうと、過去に刑罰や処分を受けた事実があるだけで、すべて建設業許可が取れなくなるわけではありません。

建設業法では、許可をしてはならない「欠格要件」を具体的に定めています。確認すべきなのは、単に「前科があるか」ではなく、誰について、どの欠格事由に該当し、いつからどの程度の期間が経過しているかです。

また、法人では代表取締役だけを見ればよいわけではありません。取締役、一定の執行役員等、支店長・営業所長などの令3条使用人、場合によっては会社に強い支配力を持つ者も確認対象になります。

宮城県知事許可では、申請前の要件審査において、役員等の「登記されていないことの証明書」「身元(身分)証明書」などの確認資料が求められています。

当事務所では、宮城県内の建設業者からの新規許可、更新、業種追加、役員変更などの相談に対応しています。本記事では、欠格要件について「自社の誰を確認するのか」「何を調べればよいのか」が分かるように整理します。

この記事の結論

建設業許可の欠格要件を確認するときは、次の4点を分けて確認するのが実務的です。

  1. 欠格要件の対象になる人物は誰か
  2. 過去の刑罰・処分が建設業法第8条のどの規定に関係するか
  3. 5年などの期間制限がある場合、いつを起算点とするか
  4. 申請書・誓約書・証明書の内容と事実関係に食い違いがないか

「罰金なら全部ダメ」「5%株主なら必ず欠格要件の審査対象」「昔の処分だから問題ない」と一括りに判断するのは危険です。個別の刑事処分については、判決・略式命令等の内容、罪名、刑の種類、刑の執行を終えた日などを確認したうえで、現行法令に当てはめる必要があります。

建設業許可の要件全体を先に確認したい方は、建設業許可取得の5つの要件は何?もあわせてご覧ください。

この記事の対象となる方

この記事は、主に次のような方を対象としています。

宮城県で建設業許可を新規に取得したい法人・個人事業主
役員を新たに就任させる建設会社
支店長や営業所長を置く会社
役員や営業所長に過去の刑事処分・行政処分がある会社
許可取消しや廃業歴がある会社・関係者
更新や業種追加を予定している許可業者
申請書の誓約書を作成する前に欠格要件を確認したい担当者

建設業許可の欠格要件とは

欠格要件とは、建設業許可をしてはならない事由として建設業法第8条に定められている条件です。一般建設業と特定建設業のどちらにも共通します。

建設業許可では、常勤役員等、営業所技術者等、財産的基礎などを満たすだけでは足りません。申請者や一定の関係者が欠格要件に該当していないことも必要です。

建設業法第8条では、欠格要件そのものに加え、許可申請書や添付書類に重要な事項について虚偽の記載がある場合、または重要な事実の記載が欠けている場合も許可しないと定めています。そのため、過去の刑罰や処分について不安があるときに、事実を伏せたまま申請することは避けるべきです。

「欠格要件」と「誠実性」は同じではない

建設業許可には、建設業法第7条の「誠実性」の要件もあります。誠実性は、請負契約について不正・不誠実な行為をするおそれが明らかでないことを求める要件です。一方、欠格要件は建設業法第8条に列挙された具体的な事由に該当するかどうかを確認するものです。両者は関連することがありますが、同じ要件ではありません。

欠格要件は誰について確認するのか

法人の場合、代表取締役だけを確認すればよいわけではありません。建設業法上の「役員等」、政令で定める使用人など、複数の関係者が審査対象になります。主な対象を整理すると次のとおりです。

事業形態・立場欠格要件の確認対象になり得る人
法人法人そのもの、役員等、政令で定める使用人
個人事業主本人、政令で定める使用人
未成年者が営業する場合本人に加え、法定代理人についても確認が必要となる場合がある
従たる営業所がある場合一定の権限を持つ支店長・営業所長等
申請でチェックされる人 大きく3つの層に分かれます ① 法人そのもの/個人事業主本人 許可を受ける本体そのものが対象 ② 役員等 取締役・執行役員等・顧問・相談役 議決権5%以上の株主・出資者 等 ③ 令3条使用人 支店長・営業所長など 契約締結等の権限を持つ者

「役員等」には取締役以外も含まれる

建設業法第5条第3号の「役員等」は、単純に登記簿上の取締役だけを意味しません。国土交通省の建設業許可事務ガイドラインでは、役員等の一覧表に記載する対象について、次のように整理しています。

  • 持分会社の業務を執行する社員
  • 株式会社の取締役
  • 指名委員会等設置会社の執行役
  • これらに準ずる者
  • 一定の執行役員等
  • 顧問
  • 相談役
  • 会社に取締役等と同等以上の支配力を持つと認められる者
  • その可能性がある者として、一定の株主・出資者

執行役員・監査役は全員が当然に「役員等」になるわけではない

国土交通省ガイドラインでは、執行役員、監査役、会計参与、監事、事務局長等は、それだけで法令上の「役員」に含まれるわけではないと整理されています。ただし、執行役員等であっても、取締役会の決議を経て、取締役会または代表取締役から建設業の経営業務の執行について具体的な権限委譲を受けている場合には、役員に含めて取り扱うとされています。肩書だけでは判断できない点がポイントです。

なお、ここでいう「役員等」は、経営業務の管理責任者としての実務経験等が問われる「常勤役員等」の要件とは別の話です。常勤役員等の考え方については、建設業許可の常勤性とは?他社役員・個人事業との兼務はできる?で詳しく解説しています。

5%以上の株主なら必ず欠格要件に該当するのか

5%以上の株主であること自体が欠格事由ではありません。また、5%以上の株主が欠格事由に該当したからといって、直ちに法人が欠格になるとは限りません。

国土交通省ガイドラインでは、役員等の一覧表に、少なくとも次の個人を記載させる取扱いが示されています。

  • 総株主の議決権の5%以上を有する株主
  • 出資総額の5%以上に相当する出資をしている者

これは、これらの者が「取締役等と同等以上の支配力を有する者」に該当する可能性があるためです。一方、国土交通省ガイドラインの第8条関係では、顧問、相談役、株主等について欠格要件に該当する事情がある場合でも、その人物が法人に対し取締役等と同等以上の支配力を有する者と認められるかを個別に判断するとされています。

したがって、「5%株主=自動的に欠格要件の対象」と断定するのは正確ではありません。確認するときは、持株比率だけでなく、議決権、会社経営への関与、役職、権限、実際の意思決定への影響などを整理する必要があります。

令3条使用人とは

「令3条使用人」とは、建設業法施行令第3条に規定する使用人で、支店や営業所において建設工事の請負契約などについて一定の権限を持つ者をいいます。典型的には、従たる営業所の支店長・営業所長などです。

単に「支店長」という肩書が付いているだけで判断するのではなく、建設工事の見積り、入札、契約締結、契約履行などについてどのような権限を与えられているかを確認します。建設業許可申請では、該当者がいる場合、「建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表」などに記載します。

そのため、支店や営業所を新設するとき、所長を交代するときは、欠格要件の確認も忘れないようにしてください。支店・営業所の新設、移転、廃止の際の手続については、建設業許可の営業所を新設・移転・廃止するときの手続きと変更届で解説しています。

建設業法第8条の主な欠格要件

建設業法第8条には複数の欠格事由があります。実務上よく確認が必要になるものを、読者向けに整理すると次のとおりです。

主な欠格事由確認のポイント
破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない現在「復権を得ているか」を確認する
一定の理由で建設業許可を取り消されて5年を経過していない取消日と取消理由を確認する
取消処分を避けるための廃業届から5年を経過していない単なる自主廃業とは区別して経緯を確認する
一定の営業停止期間が終わっていない処分の対象と停止期間を確認する
営業禁止期間が終わっていない禁止されている建設業と期間を確認する
拘禁刑以上の刑の執行終了等から5年を経過していない罪名だけでなく刑の種類と起算日を確認する
一定の法令違反・一定の罪による罰金刑から5年を経過していない「罰金なら全部該当」ではない
暴力団員、または暴力団員でなくなってから5年を経過していない現在だけでなく離脱時期も確認する
暴力団員等が事業活動を支配している役員名簿だけではなく実質的な支配関係も問題となる
心身の故障により建設業を適正に営めない者として省令で定める者現在の能力について個別判断となる場合がある

成年被後見人・被保佐人であることだけで一律に欠格にはならない

現在の建設業法は、旧制度のように「成年被後見人又は被保佐人だから当然に欠格」とする仕組みではありません。建設業法第8条第10号と建設業法施行規則第8条の2では、精神の機能の障害により、建設業を適正に営むために必要な認知、判断、意思疎通を適切に行うことができない者を対象としています。

国土交通省ガイドラインでは、成年被後見人・被保佐人に該当する場合であっても、医師の診断書等を踏まえて、建設業を適正に営むために必要な能力があると認められる場合には欠格事由に該当しない取扱いが示されています。この点は個別判断になるため、該当する可能性がある場合は申請前に許可行政庁へ確認した方が安全です。

「前科があると建設業許可は取れない」は正しいか

正しくありません。前科という言葉だけでは、建設業許可の可否は判断できません。確認するのは、少なくとも次の内容です。

  • どの罪で処分されたか
  • 刑の種類は何か
  • 拘禁刑以上か、罰金刑か
  • 罰金刑の場合、建設業法第8条第8号が対象とする法令違反・罪に該当するか
  • 刑の執行を終えた日、または執行を受けることがなくなった日はいつか
  • そこから5年を経過しているか
  • その人物が申請者の「役員等」や令3条使用人に当たるか
前科・処分があるときの確認フロー ① 罪名・刑の種類を確認する 拘禁刑以上か、罰金刑か ② 建設業法8条の対象事由か確認する (拘禁刑以上/一定の罰金刑/暴力団関係 等) 該当しなければ、ここで欠格事由なし ③ 起算日を確認する 刑の執行を終えた日 等(事由により異なる) ④ 起算日から5年経過しているか確認する 結論 経過していれば、この事由による欠格には該当しません 未経過の場合は、経過するまで申請時期に注意が必要です

拘禁刑以上の刑は5年の確認が必要

2026年9月1日時点の建設業法第8条第7号は、「拘禁刑以上の刑」と定めています。刑の執行を終わった日、または刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない場合が欠格事由です。

2025年6月1日に刑法の拘禁刑制度が施行されているため、現在の記事では旧用語の「懲役」「禁錮」だけを前提に説明しないよう注意が必要です。過去の刑についてどのように扱うかは、判決内容や経過措置も含めて個別確認が必要です。

罰金刑は「何の罰金か」が重要

罰金刑を受けた事実だけで、すべて建設業許可の欠格事由になるわけではありません。建設業法第8条第8号は、建設業法、建設工事の施工や建設労働者の使用に関する一定の法令、暴力団対策法の一定規定の違反、刑法上の一定の罪などを対象としています。

したがって、罰金歴がある場合は「罰金を払ったか」だけでなく、どの法令の何条違反で、何の罪について罰金刑を受けたのかまで確認する必要があります。判断材料として、判決書、略式命令、検察庁等から交付された書類など、処分内容と日付が分かる資料を手元に準備しておくと確認が進めやすくなります。

許可取消しを受けた場合の5年間

建設業法第8条では、一定の理由によって建設業許可を取り消された者について、取消しの日から5年を経過しないことを欠格事由としています。ただし、すべての許可取消しが同じ扱いになるわけではありません。どの条項を理由に取り消されたかを確認する必要があります。

また、法人の許可取消しであっても、当時の役員等や令3条使用人との関係で、後の申請に影響することがあります。「別会社を作れば関係ない」と考えるのではなく、当時の会社、役員、使用人、処分時期を整理してください。なお、個人事業から法人化した場合の許可の扱いについては、個人事業主が法人化すると建設業許可はどうなる?もあわせてご参照ください。

取消しを避けるために廃業した場合も対象になる

欠格要件で見落とされやすいのが、許可取消処分を避けるための廃業です。建設業法第8条第3号・第4号には、一定の取消処分に係る聴聞通知を受けた後などに廃業届を出した場合について、届出の日から5年間の制限を設ける規定があります。さらに、一定期間内にその法人の役員等や政令で定める使用人だった者にも影響する場合があります。

このため、過去に建設会社の役員をしていた方について欠格要件を確認するときは、本人の刑事処分だけでなく、

  • 当時の会社が許可取消しを受けていないか
  • 取消し直前に廃業していないか
  • その時期に本人が役員や令3条使用人だったか

まで確認が必要になることがあります。

5年間は「いつから」数えるのか

欠格要件の5年間は、事由によって起算点が違います。

事由主な起算点
一定の許可取消し取消しの日
取消しを避けるための廃業廃業届の日
拘禁刑以上刑の執行を終わった日、または執行を受けることがなくなった日
一定の罰金刑刑の執行を終わった日、または執行を受けることがなくなった日
暴力団員だった者暴力団員でなくなった日

「判決日から5年」「事件が起きた日から5年」とは限りません。ここを間違えると、まだ欠格期間中なのに申請してしまう可能性があります。日付が曖昧な場合は記憶だけで判断せず、公的書類で確認してください。

5年間の数え方(例:拘禁刑以上の場合) 起算日 刑の執行を終えた日、または 執行を受けることがなくなった日 この間=5年間 5年経過後 この事由による欠格には 該当しなくなります ※ 起算日は事由の種類(許可取消・廃業・拘禁刑・罰金刑・暴力団員 等)によって異なります

更新申請では欠格要件の扱いに一部違いがある

建設業法第8条本文には、更新申請について一部の号を許可拒否事由から除く括弧書きがあります。国土交通省の建設業許可事務ガイドラインは、その理由について、建設業許可が業種ごとに与えられることや、営業停止・営業禁止が許可更新そのものを一律に認めない制度ではないことを説明しています。

したがって、新規申請と更新申請では、第8条各号の適用を機械的に同じと考えない方が安全です。ただし、更新でも虚偽記載、拘禁刑以上、一定の罰金刑、暴力団関係、法人の役員等に関する欠格などは重要な確認事項です。

更新時に役員が変わっている場合は、変更届が適切に提出されているかもあわせて確認してください。更新申請全体の流れは、宮城県の建設業許可更新で解説しています。

宮城県知事許可では何を確認されるのか

宮城県知事許可では、全国共通の建設業法上の欠格要件を前提として、宮城県の手引きに基づく要件審査・書類確認が行われます。宮城県の「建設業許可の手引き(電子申請版)令和8年3月改定版」では、新規、許可換え新規、業種追加等の要件審査資料として、役員等の「登記されていないことの証明書」「身元(身分)証明書」が挙げられています。更新についても、同様の証明書が要件審査の必要書類として記載されています。

宮城県で準備する主な欠格要件関係資料

資料主な役割・確認内容
誓約書申請者等が建設業法第8条等の欠格要件に該当しないことを誓約する
役員等の一覧表法令上の役員等を整理する
許可申請者の住所、生年月日等に関する調書役員等の本人情報・経歴等を記載する
令3条使用人の一覧表・調書支店長・営業所長等の該当者を整理する
登記されていないことの証明書成年被後見人・被保佐人の登記の有無に関する確認資料
身元(身分)証明書破産者で復権を得ない者等に関する市区町村の証明
商業登記事項証明書法人の役員構成等を確認する

宮城県の電子申請版手引きでは、要件審査のセルフチェック表に「登記されていないことの証明書(役員等人数分)」「身元(身分)証明書(役員等人数分)」と記載されています。ただし、対象者の範囲については、役員等のうち株主等をどう扱うかなど、書類ごとに同じとは限りません。最新の手引きと個別の申請内容を照合してください。

証明書はどこで取得するのか

宮城県Q&Aによると、「登記されていないことの証明書」は法務局・地方法務局の本局で発行され、宮城県内では仙台法務局で取得できます。「身元(身分)証明書」は、本籍地の市区町村で取得する証明書です。本籍地が遠方の場合は、取得方法や日数も見込んで早めに準備した方がよいでしょう。

宮城県では申請前の要件審査がある

宮城県の電子申請版手引きでは、JCIPによる電子申請を利用する場合でも、事前に管轄土木事務所で要件審査を受ける運用が示されています。欠格要件に関して判断が難しい事情がある場合は、申請書を提出してから問題になるよりも、処分内容や関係者の立場を整理して、事前相談を検討した方が安全です。

主たる営業所の所在地に応じて、宮城県知事許可の窓口は大河原土木事務所、仙台土木事務所、北部土木事務所、東部土木事務所、気仙沼土木事務所に分かれます。宮城県の申請全体の流れは、宮城県の建設業許可申請方法も参考にしてください。

申請前に確認しておきたい資料

欠格要件に不安がある場合、最初から申請書を書き始めるより、事実関係を整理した方が効率的です。

法人関係

  • 現在の商業登記事項証明書
  • 役員名簿
  • 株主名簿
  • 出資者一覧
  • 組織図
  • 支店・営業所一覧
  • 支店長・営業所長の権限が分かる社内規程、辞令、委任関係資料

過去の刑事処分がある場合

  • 判決書
  • 略式命令
  • 罪名が確認できる資料
  • 刑の種類が分かる資料
  • 刑の執行終了日等が確認できる資料

過去の行政処分・許可取消しがある場合

  • 許可取消通知書
  • 営業停止処分通知書
  • 廃業届の控え
  • 聴聞通知等
  • 当時の役員・令3条使用人の構成が分かる資料

手元に書類がない場合でも、分かる範囲で「会社名」「許可番号」「処分を受けた行政庁」「年月」「本人の役職」を整理しておくと、確認すべき範囲を絞りやすくなります。

自社判断が難しいケース

次のケースは、インターネットの記事だけで結論を出さず、資料を揃えて許可行政庁への事前確認を検討してください。

1.罰金歴はあるが罪名・条文が分からない

「罰金30万円だった」という情報だけでは、建設業法第8条第8号に該当するか判断できません。罪名と根拠法令を確認する必要があります。

2.刑の終了日が分からない

5年間の起算点は事由ごとに異なります。判決日や逮捕日ではない場合があります。

3.5%以上の株主に欠格事由の可能性がある

持株比率だけでは、その人物が取締役等と同等以上の支配力を持つ者かどうかは決まりません。実際の経営関与を整理する必要があります。

4.顧問・相談役が実質的に会社を動かしている

肩書が「顧問」であっても、実態として取締役と同等以上の支配力があれば「役員等」に含まれる可能性があります。

5.過去に許可取消し直前で廃業した会社の役員だった

当時の聴聞通知、廃業日、役員就任期間などを時系列で確認する必要があります。

6.成年被後見人・被保佐人に関係する事情がある

現在は一律欠格ではありません。医師の診断書等による個別判断の余地があるため、申請前相談が適しています。

よくある誤解

誤解1 代表取締役が問題なければ大丈夫

法人では、代表取締役以外の役員等や令3条使用人も確認対象です。

誤解2 罰金刑なら必ず5年間申請できない

罰金刑は、その根拠となった法令・罪が建設業法第8条第8号の対象かを確認します。

誤解3 5%株主は全員、取締役と同じ扱い

5%以上の個人株主等は役員等一覧表に記載する対象とされていますが、欠格事由に該当した場合に法人の欠格へ直結するかは、取締役等と同等以上の支配力があるかを個別判断します。

誤解4 昔の前科だから申告しなくてよい

申請書・添付書類に重要な事項について虚偽の記載がある、または重要な事実が欠けている場合、それ自体が許可拒否に関係します。

誤解5 許可取消しを避けて廃業すれば問題ない

一定の取消手続が進んだ後の廃業については、建設業法第8条に5年間の欠格規定があります。

役員変更をするときも欠格要件を確認する

すでに建設業許可を持っている会社で、新しい取締役を就任させる場合も欠格要件の確認は必要です。「許可申請のときだけ確認すればよい」という制度ではありません。役員就任後は変更届の対象となるため、就任を決める前または届出準備の段階で、その人物が欠格要件に関係しないかを確認した方が安全です。

役員変更の手続については、建設業許可の役員変更届|就任・退任した場合の期限・必要書類で詳しく解説しています。また、常勤役員等が退任・退職する場合の後任者選定については、常勤役員等が退任・退職したら建設業許可はどうなる?も参考にしてください。

欠格要件だけ確認しても建設業許可は取れない

欠格要件は建設業許可の一要件です。新規許可では、このほかに、

  • 適正な経営体制
  • 営業所技術者等
  • 誠実性
  • 財産的基礎・金銭的信用
  • 社会保険等の加入
  • 営業所の実体

なども確認します。制度全体を整理したい方は、宮城県の建設業許可完全ガイドをご覧ください。

当事務所が支援できること

欠格要件は、チェックリストに「該当・非該当」を付けるだけでは判断できないケースがあります。

当事務所では、宮城県内の建設業者について、建設業許可の新規申請、更新、業種追加、役員・営業所等の変更届、決算変更届に対応しています。欠格要件に不安がある場合には、申請書を作り始める前に、

  • 誰が確認対象になるか
  • 役員等・令3条使用人に当たるか
  • 過去の処分について何の資料を確認するか
  • 5年の起算点をどの資料で確認するか
  • 宮城県への事前確認が必要か

を整理します。

刑事事件そのものの法律相談や刑事弁護は行政書士業務ではありません。個別の刑事法上の判断が必要な場合は、必要に応じて弁護士等への相談が必要です。また、登記、税務、社会保険・労務など他士業の業務が関係する場合は、司法書士、税理士、社会保険労務士等との連携を検討します。

建設業許可は、許可を取った時点で終わる制度ではありません。役員が変われば変更届、毎事業年度終了後には決算変更届、許可期間満了前には更新申請が必要です。当事務所では、単に今回の申請書を作成するだけでなく、許可取得後の変更・期限管理まで見据えて支援しています。

よしだ行政書士事務所が欠格要件の確認を支援します

  • 役員等・令3条使用人にあたる人物の洗い出しと欠格要件の確認
  • 過去の刑事処分・行政処分に関する必要資料の整理と5年間の起算点確認
  • 宮城県土木事務所への事前確認・申請書類の作成

宮城県名取市を拠点に、宮城県全域を中心に東北6県からのご相談に対応しています。オンライン相談、訪問相談、土日祝日の予約相談も可能です。

まとめ

建設業許可の欠格要件は、「前科があるかどうか」だけで判断する制度ではありません。確認すべきなのは、

  • 誰が欠格要件の確認対象になるのか
  • 過去の刑罰・処分が建設業法第8条のどの規定に該当するのか
  • 5年間の起算日はいつか
  • 役員等や令3条使用人に該当するか
  • 申請書・誓約書と事実関係に食い違いがないか

という点です。特に法人では、代表取締役だけでなく、他の取締役、一定の執行役員等、令3条使用人、実質的な支配力を持つ者まで確認が必要になる場合があります。

宮城県知事許可では、申請前の要件審査と、役員等に関する証明書の確認があります。過去の処分や刑罰について少しでも判断に迷う事情がある場合は、関係資料を整理してから申請準備を進めてください。

昔、交通違反で罰金を払っています。建設業許可は取れませんか?
交通違反の「罰金」という情報だけでは判断できません。建設業法第8条第8号が対象とする法令違反・罪に該当するかを確認する必要があります。罪名、根拠法令、処分内容を確認してください。
執行猶予が付いた刑でも5年の確認は必要ですか?
個別の判決内容と「刑の執行を受けることがなくなった日」の確認が必要です。判決日だけを基準に判断しないでください。
監査役にも欠格要件の確認が必要ですか?
監査役という肩書だけで建設業法上の「役員」に当然に含まれるわけではありません。ただし、実質的な権限や会社への支配力によって役員等に該当する可能性があります。役職名だけで結論を出さないでください。
株を5%持っているだけで欠格要件の対象ですか?
国土交通省ガイドラインでは、5%以上の個人株主等を役員等一覧表に記載する取扱いがあります。ただし、その者が欠格事由に該当した場合、法人について直ちに欠格となるとは限らず、取締役等と同等以上の支配力があるかを個別判断するとされています。
支店長も確認対象ですか?
建設工事の請負契約について一定の権限を持つ支店長・営業所長が建設業法施行令第3条の使用人に該当する場合、欠格要件の確認対象になります。
成年被後見人であれば許可は絶対に取れませんか?
一律にそうとはいえません。現在の制度では、建設業を適正に営むために必要な認知、判断、意思疎通を適切に行えるかが基準です。医師の診断書等による個別判断が行われる場合があります。
宮城県知事許可では、欠格要件をどの書類で確認しますか?
宮城県の手引きでは、誓約書、役員等に関する調書等の申請書類に加え、要件審査で「登記されていないことの証明書」「身元(身分)証明書」などが確認資料として挙げられています。
過去の処分が欠格要件に当たるか分からない場合はどうすればよいですか?
処分通知書、判決書、略式命令、廃業届、当時の役員構成などを集め、時系列を整理してから許可行政庁へ事前確認する方法が適切です。情報が曖昧なまま「大丈夫だろう」と申請するのは避けた方がよいでしょう。

参考資料

  1. 建設業法(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100
  2. 建設業法施行規則(e-Gov法令検索)
  3. 建設業許可事務ガイドライン(国土交通省):https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001860020.pdf
  4. 建設業の許可について(宮城県):https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/jigyokanri/kennsetukyokanituite.html
  5. 建設業許可の手引き(宮城県土木部):https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/jigyokanri/newkensetsugyoukyoka2602.html
  6. 建設業許可の手引き(電子申請版)(宮城県土木部):https://www.pref.miyagi.jp/documents/11957/202603kyoka_denshi.pdf
  7. 建設業許可Q&A(宮城県):https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/jigyokanri/newkyokaqa.html
本記事の内容は、2026年9月1日時点で確認できる建設業法、建設業許可事務ガイドライン、宮城県「建設業許可の手引き」(令和8年3月31日改定版)等に基づく一般的な情報提供を目的としています。個別の欠格要件該当性の判断は、対象者の経歴、処分内容、役職、支配力の程度など個別の事情によって異なり、本記事の内容がそのまま個々の案件にあてはまるとは限りません。制度は改正される場合があるため、最新情報は宮城県または国土交通省の公式情報をご確認いただくか、当事務所までお問い合わせください。刑事事件そのものに関する法律相談・刑事弁護は行政書士業務の範囲外です。

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