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個人事業主が法人化すると建設業許可はどうなる?法人成り・許可承継を解説【宮城県】
個人事業で建設業許可を持っている方が株式会社や合同会社を設立するとき、特に気になるのが「今の許可をそのまま法人で使えるのか」という点です。
結論からいうと、個人事業主と法人は別の事業主体なので、法人を設立しただけで個人名義の建設業許可が法人名義へ自動的に変わることはありません。
ただし現在の建設業法には、事業譲渡などによって建設業者としての地位を引き継ぐ「承継認可」の制度があります。個人事業から法人への法人成りも、建設業法第17条の2に基づく事業譲渡として、この承継制度を利用できる場合があります。
宮城県知事許可で承継認可を利用する場合は、法人を設立した後に、個人事業主と法人との間で事業譲渡契約を締結し、承継予定日の前に宮城県へ認可申請を行う流れが基本です。
ここは法人設立日だけを決めて進めると、建設業許可、社会保険、契約名義、請求書、銀行口座などの切替時期が噛み合わなくなることがあります。
当事務所では、単に認可申請書を作成するだけでなく、「法人をいつ設立するか」「個人事業をいつまで続けるか」「法人としていつから建設業を開始するか」まで含めて、建設業許可の空白期間が生じないよう手続の順序を整理することを重視しています。
宮城県の建設業許可制度全体については、宮城県の建設業許可完全ガイドも参考にしてください。
この記事の結論
個人事業主が法人化する場合、個人名義の建設業許可を法人がそのまま使用することはできません。
一方、一定の要件を満たし、事業譲渡の前に建設業法第17条の2の認可を受ければ、個人事業主の建設業者としての地位を法人へ承継できる場合があります。
宮城県知事許可の法人成りでは、特に次の5点を先に確認してください。
- 法人設立日と事業承継日をどう設定するか
- 個人が受けている許可業種を法人がすべて承継するか
- 法人側で常勤役員等・営業所技術者等などの許可要件を満たせるか
- 個人と法人との事業譲渡契約をどうするか
- 宮城県の管轄土木事務所へいつ事前相談・申請するか
宮城県の手引きでは、法人成りの承継認可申請は法人設立→事業譲渡契約→認可申請という順序で行うものとされています。
この記事の対象となる方
この記事は、次のような方を主な対象としています。
まだ個人事業主として建設業許可を取得していない段階の方は、先に建設業許可 個人事業主(一人親方)でも建設業許可は取得できる?を確認しておくと、この記事で扱う法人化後の流れがイメージしやすくなります。
なお、法人設立登記は司法書士、税務上の法人成りは税理士、社会保険・労働保険の手続は社会保険労務士の専門分野が関係します。建設業許可とは別制度ですので、必要に応じて各専門家と連携して進めます。
個人事業主が法人化すると建設業許可は自動で法人へ移る?
法人を作っただけでは、個人の建設業許可は法人へ移りません。
個人事業主として受けている許可は、その「個人」に対して与えられています。株式会社や合同会社を設立すると、その会社は個人とは別の法人格を持ちます。
そのため、たとえば「吉田建設」という屋号で個人許可を持っていた人が「株式会社吉田建設」を設立したとしても、名前が似ているから許可が自動的に法人へ移るわけではありません。
宮城県の建設業許可Q&Aでも、個人で許可を受けていた方が法人成りした場合について、あらかじめ建設業法第17条の2に基づく認可を受ければ、建設業許可を承継できると案内しています。
したがって、法人成りを考えるときは、
- 法人を設立する手続
- 個人の建設事業を法人へ移す手続
- 建設業許可を法人へ承継する手続
を分けて考える必要があります。
建設業許可そのものの取得要件を確認したい場合は、【宮城県】建設業許可取得の5つの要件は何?も参考にしてください。
法人成りは建設業法上「事業譲渡」として承継できる
個人事業から法人への法人成りは、建設業法第17条の2の「事業譲渡」による承継認可の対象になり得ます。
建設業法第17条の2は、建設業者が許可に係る建設業の全部を譲渡し、譲渡人と譲受人があらかじめ認可を受けた場合、譲受人が譲渡日に建設業者としての地位を承継する仕組みを定めています。
宮城県の令和8年3月改定手引きでも、個人事業主の法人成りは事業譲渡として整理されています。
「建設業者としての地位を承継する」とは
承継認可は、単に許可証の名義を書き換える手続ではありません。
建設業法上の許可を受けたことで生じている権利・義務のまとまりを、新しい事業者が引き継ぐ制度です。
宮城県の手引きでは、認可後に承継の事実が発生すると、承継先は承継元と同じ建設業者としての地位に立つと説明されています。
合併・会社分割・一般的な事業譲渡・相続まで含めた制度全体は、事業承継(合併・分割・譲渡・相続)認可申請とは?で詳しく解説しています。本記事では、そのうち「個人事業主から法人への法人成り」に絞ります。
承継認可を利用するための主な条件
法人成りなら何でも自動的に承継認可を受けられるわけではありません。
宮城県の資料では、主に次の条件が示されています。
| 確認項目 | 法人成りで見るポイント |
|---|---|
| 認可の時期 | 事業譲渡・承継の前に認可を受ける |
| 承継する事業 | 原則として許可に係る建設業の全部を承継する |
| 一般・特定の重複 | 同一業種で一般・特定が矛盾する組合せは認められない |
| 許可要件 | 承継後に法人が全業種について許可要件を満たす |
| 事業譲渡契約 | 個人事業主と法人との間で契約を締結する |
| 法人設立 | 宮城県の手引きでは認可申請前に法人設立を行う |
建設業の「全部」を承継することが原則
承継認可では、承継元が営んでいる許可に係る建設業の全部を承継先へ移すことが前提です。
たとえば個人事業主が「大工工事業」と「内装仕上工事業」の許可を持っているのに、承継認可で大工工事業だけを法人へ移し、内装仕上工事業だけ個人に残す、という形は原則としてできません。
ただし、認可申請前に不要な業種を廃業し、残った許可業種の全部を承継する取扱いは示されています。どの業種を法人へ残すかは、将来受注したい工事も含めて検討した方がよいでしょう。
法人側で許可要件を満たす必要がある
承継先の法人は、承継後に保有するすべての許可業種について、建設業許可の要件を満たさなければなりません。
たとえば次の確認が必要です。
- 常勤役員等に関する経営体制
- 営業所技術者等の配置
- 財産的基礎
- 営業所
- 適切な社会保険への加入
- 欠格要件に該当しないこと
法人成りでは、個人事業主本人が法人の代表取締役となり、そのまま常勤役員等や営業所技術者等の候補となることもあります。しかし、役職が変われば当然に要件を満たすと決めつけることはできません。
常勤役員等については、【宮城県】建設業許可の経営管理者(経管)になるための要件を徹底解説も確認してください。常勤性や他社役員との兼務が問題にならないかは、建設業許可の常勤性とは?他社役員・個人事業との兼務はできる?【宮城県】も参考になります。すでに常勤役員等となっている方が交代する場合は、常勤役員等が退任・退職したら建設業許可はどうなる?後任者・変更届を解説【宮城県】も確認しておくと安心です。
営業所技術者等については、【宮城県】専任技術者とは何か?や完全版!業種別・専任技術者となれる資格一覧で基本を確認できます。実務経験で証明する場合は営業所技術者等を実務経験で証明する方法も参考にしてください。
財産的基礎については建設業許可の財産的基礎とは?、欠格要件については建設業許可の欠格要件とは?役員・令3条使用人・過去の処分との関係を解説【宮城県】で詳しく解説しています。
宮城県知事許可での法人成りの流れ
宮城県で承継認可を使って法人成りする場合は、法人設立と事業開始を同じ日に考えないことがポイントです。
宮城県の令和8年3月改定手引きでは、法人成りの場合の流れとして、認可申請前に法人設立を行い、その後、事業譲渡契約を締結し、認可申請を行う方法が示されています。
法人成りの基本的な順序
- 法人成りの方針、承継日、法人の役員構成を決める
- 法人を設立する
- 法人側の許可要件を確認する
- 個人事業主と法人との間で事業譲渡契約を締結する
- 管轄土木事務所へ事前相談する
- 承継認可申請を提出する
- 認可を受ける
- 予定した事業承継日に個人から法人へ建設事業を移す
- 承継後に必要な社会保険資料等を期限内に提出する
- 契約書、請求書、許可票等の名義を法人へ切り替える
事前相談から申請までの一般的な流れは、宮城県の建設業許可申請方法も参考にしてください。
宮城県では承継予定日のかなり前から準備する
宮城県の認可案内では、相続以外の譲渡・合併・分割について、承継の事実が発生する前に認可を受ける必要があり、遅くとも承継予定日の35日前までに申請を完了するよう案内されています。
ただし、これは「35日前に相談を始めれば間に合う」という意味ではありません。
法人成りではその前に、
- 法人設立
- 役員構成の確定
- 事業譲渡契約
- 常勤役員等の確認
- 営業所技術者等の確認
- 社会保険の切替計画
- 営業所の使用関係
- 財産的基礎
などを整理する必要があります。
書類に不足があると受付されない可能性もあるため、実務上は承継日から逆算して余裕をもって相談する方が安全です。
宮城県知事許可の申請先
宮城県知事許可の承継認可は、承継元の主たる営業所を管轄する土木事務所への事前相談が基本です。
宮城県の手引きでは、主たる営業所の所在地に応じて、大河原土木事務所、仙台土木事務所、北部土木事務所、東部土木事務所、気仙沼土木事務所が申請・相談窓口として案内されています。
なお、承継先がすでに国土交通大臣許可を受けている場合や、宮城県以外の都道府県知事許可を受けている場合などは、国土交通大臣が認可行政庁となるケースがあります。該当する場合は東北地方整備局への確認が必要です。
法人設立後すぐ法人名義で工事を始めてよい?
承継認可を前提に法人成りする場合、法人を設立したからといって、すぐ法人名義で建設事業を開始するのは避けるべきです。
宮城県の令和8年3月改定手引きは、認可申請前に法人を設立する一方で、事業承継日までは個人事業主として活動することを前提とし、法人としての事業活動を行わないよう注意しています。
さらに、社会保険等の資格取得日も事業承継日より前にならないよう注意する旨が記載されています。
この部分は、法人成り実務で特に重要です。
会社の登記が完了すると、法人名義の銀行口座、請求書、契約書、社会保険、税務届出などを早く切り替えたくなります。しかし、建設業許可の承継日と実際の事業開始日がズレると、どちらの主体が請負契約を行っているのか分かりにくくなります。
そのため、
法人設立日=建設事業の承継日ではない
という前提でスケジュールを組む必要があります。
法人成りで準備する主な書類・確認資料
法人成りの承継認可では、通常の変更届よりも多くの資料を準備します。
宮城県の「建設業認可申請書類等一覧(譲渡及び譲受け)」では、譲渡及び譲受け認可申請書のほか、役員等の一覧、営業所一覧、工事経歴書、常勤役員等関係書類、健康保険等の加入状況、定款、登記事項証明書、財務諸表、納税証明書などが挙げられています。
法人成りで特に確認したい書類は次のとおりです。
| 区分 | 主な確認資料の例 |
|---|---|
| 法人そのもの | 履歴事項全部証明書、定款、株主・出資者関係資料 |
| 事業譲渡 | 個人事業主と法人との事業譲渡契約書 |
| 経営体制 | 常勤役員等の証明書、略歴書、経営経験を裏付ける資料 |
| 技術者 | 営業所技術者等の資格証明書、実務経験関係資料 |
| 常勤性 | 健康保険・標準報酬関係資料、雇用関係資料等 |
| 営業所 | 所在地、使用状況、営業所写真等 |
| 財産的基礎 | 財務諸表、必要に応じ預金残高証明書等 |
| 社会保険 | 健康保険・厚生年金・雇用保険の加入状況確認資料 |
| 事業実績 | 工事経歴書、直前3年の工事施工金額 |
| 税関係 | 法人事業税等の納税関係資料。新設法人は別資料となる場合あり |
新設法人は決算が終わっていなくても申請できる?
新設したばかりの法人には、当然ながら直前決算がありません。
宮城県の認可申請書類一覧では、新規設立会社で決算期が未到来の場合、財務諸表として開始貸借対照表を使用する取扱いが示されています。
また、納税証明書についても、新規設立会社で決算期未到来の場合には法人設立等届出書などを添付する取扱いが示されています。
「まだ1期目の決算が終わっていないから承継できない」とは限りません。
ただし、財産的基礎や法人の事業実態の確認方法は個別事情で変わるため、事前に宮城県へ確認してください。
社会保険の手続は建設業許可とセットで日付を確認する
法人成りでは、社会保険の加入日と建設業許可の承継日を別々に決めないことが重要です。
法人は原則として健康保険・厚生年金保険の適用事業所になるため、個人事業から法人へ移ると社会保険の手続が大きく変わります。
宮城県の法人成り手引きでは、承継日までは個人事業主として活動し、社会保険等の資格取得日が事業承継日より前にならないよう注意しています。
建設業許可申請上の社会保険加入要件については、建設業許可の社会保険加入要件とは?未加入・一人会社・個人事業主の場合を解説【宮城県】も併せて確認してください。
実際の社会保険資格取得手続は社会保険労務士の専門分野です。建設業許可の承継日との整合を取るため、必要に応じて社会保険労務士と連携して進めます。
許可番号は法人でも引き継げる?
承継認可を利用する場合、宮城県では原則として承継元の許可番号を引き続き使用する取扱いがあります。
宮城県の承継案内では、承継先が承継後に使用する許可番号は原則として承継元のものを引き続き使用するとされています。
既に承継先も宮城県知事許可を持っているケースでは、承継元・承継先のどちらの許可番号を使用するか選択できる取扱いもあります。
ただし、個人事業主から新設法人への一般的な法人成りでは、法人側がまだ許可を持っていないことが通常です。
「同じ許可番号を使いたい」という希望がある場合も、番号だけを引き継ぐ手続ではなく、建設業者としての地位そのものを承継する認可申請であることを理解しておきましょう。
承継後の許可有効期間はどうなる?
承継認可が成立した場合、許可の有効期間は承継前の残り期間をそのまま使う考え方ではありません。
宮城県の資料では、承継後の許可期間は、承継前の許可の残存期間にかかわらず、承継の日を基準に新たに整理される取扱いが示されています。
このため、法人成りのタイミングは「今の許可更新が近いから一旦更新してから法人化する」「先に法人化して承継する」など複数の選択肢が出てきます。
更新時期が近い場合は、承継だけでなく、決算変更届や変更届の未提出がないかも確認してください。決算変更届の基本については宮城県版 決算変更届って何?で解説しています。
更新制度については、宮城県の建設業許可更新で詳しく説明しています。
新規申請と承継認可はどう違う?
法人成りでは、新設法人が新規で建設業許可を取り直す方法と、承継認可を利用する方法の両方を比較する必要があります。
| 比較項目 | 承継認可 | 法人で新規許可 |
|---|---|---|
| 個人の地位 | 法人へ承継 | 原則として承継しない |
| 事前手続 | 事業譲渡前の認可が必要 | 法人設立後に新規申請 |
| 許可の空白 | 適切に認可されれば避けやすい | 新規許可が下りるまで法人は許可業者ではない |
| 手数料 | 宮城県の認可申請は手数料なし | 知事許可新規は所定の申請手数料 |
| 許可番号 | 承継元番号を原則継続する取扱い | 新しい許可番号 |
| 準備の特徴 | 個人と法人の事業譲渡関係を整理 | 法人単独で新規要件を審査 |
宮城県の承継案内には、従来どおり新規許可申請によって法人が許可を取得する方法も可能と記載されています。
ただし、新規申請の場合、許可が出るまで法人は建設業許可を持っていません。受注する工事の規模や契約時期によっては、許可の空白が事業に影響します。
そのため「承継認可が使えるのに、何となく新規申請にする」のではなく、取引先との契約、工事予定、許可番号、経営事項審査等への影響も見ながら方法を決めることが大切です。
法人成り前に確認しておきたい実務チェックリスト
- 現在の個人許可の有効期限を確認した
- 現在持っている許可業種を一覧にした
- 法人で今後必要な許可業種を整理した
- 常勤役員等を誰にするか決めた
- 営業所技術者等を誰にするか決めた
- 法人の主たる営業所を決めた
- 法人の資本金・財産的基礎を確認した
- 法人の役員構成・出資者を確定した
- 個人と法人の事業譲渡日を決めた
- 法人の社会保険資格取得予定日を整理した
- 宮城県の管轄土木事務所へ事前相談した
- 現在の個人許可に未提出の変更届・決算変更届がないか確認した
- 取引先との契約名義をいつ法人へ変更するか整理した
- 建設業許可票・請求書・見積書・契約書等の切替時期を決めた
未提出の変更届の有無は、建設業許可の変更届一覧で全体像を確認できます。この一覧を埋めていくと、「法人登記だけ先に終わったが、許可の準備ができていない」という状況を避けやすくなります。
宮城県への事前確認を検討したいケース
次のような場合は、手引きだけで結論を出さず、管轄土木事務所へ事前相談することをおすすめします。
個人事業主本人を法人の常勤役員等にする予定だが、経営経験資料が古い
個人の確定申告書、工事契約書、請求書、許可通知書など、過去の経営経験を裏付ける資料を先に整理します。
個人事業時代と法人で営業所の場所が変わる
新しい営業所が建設業法上の営業所として認められるか、営業所写真や使用実態を含めて確認が必要です。自宅を営業所にできるかどうかは自宅でも建設業許可の営業所にできる?で確認できます。
営業所の新設・移転にともなう変更届の内容は建設業許可の営業所を新設・移転・廃止するときの手続きと変更届【宮城県】、主たる営業所の所在地そのものが変わる場合は建設業許可の本店移転・所在地変更|必要書類・営業所写真・変更届を解説【宮城県】も参考にしてください。
個人で複数業種の許可を持っているが、一部を法人へ移したい
承継認可は建設業の全部を承継することが原則です。一部のみを残す場合は、認可申請前の一部廃業を含めて順序を確認します。
法人設立後すでに法人名義で契約・請求を始めている
宮城県の手引きは、事業承継日までは個人事業主として活動することを前提にしています。すでに法人として事業活動を開始している場合は、事実関係を整理したうえで行政庁へ確認が必要です。
法人化と同時に営業所技術者等や常勤役員等が変わる
許可要件を承継日から継続して満たせるかを確認します。後任者の要件資料が不足していると、法人成り全体の日程を組み直す必要が出ることがあります。営業所技術者等が交代する場合の考え方は営業所技術者等が退職したら建設業許可はどうなる?後任者・変更届を解説【宮城県】で解説しています。
よくある誤解
「同じ人が社長になるなら許可はそのまま使える」
使えません。
個人事業主と法人は別主体です。個人事業主本人が法人の代表取締役になっても、法人が個人名義の許可をそのまま使用することはできません。
「法人設立登記をしてから建設業許可を考えればよい」
承継認可を使うなら、登記後に考え始めるのでは遅いことがあります。
法人設立前の段階から、承継日、法人の役員、営業所、資本金、人的要件、事業譲渡契約まで設計しておく方がスムーズです。
「個人の廃業届を出してから承継認可を申請する」
順序に注意が必要です。
相続以外の承継認可は、承継の事実が発生する前に認可を受けることが原則です。先に個人の許可を失効させると、承継できなくなるおそれがあります。
「行政書士に頼めば登記や税務も全部まとめてできる」
行政書士の業務範囲には限界があります。
法人設立登記は司法書士、税務は税理士、社会保険・労務は社会保険労務士の専門分野です。当事務所では、建設業許可の工程と他士業の手続時期がずれないよう、必要に応じて連携して進めます。
当事務所が支援できること
当事務所では、宮城県内で個人事業から法人化する建設事業者について、次のような支援に対応しています。
- 現在の建設業許可内容の確認
- 法人成りで承継認可が利用できるかの整理
- 宮城県の管轄土木事務所への事前相談
- 承継日から逆算したスケジュール整理
- 常勤役員等の要件確認
- 営業所技術者等の資格・実務経験の確認
- 財産的基礎の確認
- 営業所要件の確認
- 承継認可申請書・添付書類の作成
- 事業譲渡契約に関する行政手続上の確認
- 許可取得後の変更届、決算変更届、更新期限の管理
- 必要に応じた司法書士、税理士、社会保険労務士等との連携
法人成りは「会社を作る手続」と「建設業許可を法人へ移す手続」を同時に考える必要があります。
特に、現在すでに500万円以上の工事を請け負っている、元請との継続契約がある、公共工事に関係する手続がある、といった事業者は、建設業許可の空白期間が営業に影響しないよう早めの工程整理が必要です。
法人化にともなって役員が交代する場合は建設業許可の役員変更届|就任・退任した場合の期限・必要書類【宮城県】の届出も必要になります。許可取得後に必要な届出全体は建設業許可取得後にやること一覧|決算変更届・更新・変更届・標識・帳簿を解説【宮城県】でまとめて確認できます。
まとめ
個人事業主が株式会社・合同会社などへ法人化しても、個人名義の建設業許可が自動的に法人へ移ることはありません。
ただし、建設業法第17条の2に基づく事業譲渡の承継認可を利用し、事業譲渡前に認可を受ければ、一定の要件のもとで法人へ建設業者としての地位を承継できる場合があります。
宮城県知事許可では、法人設立→事業譲渡契約→事前相談→認可申請→認可→事業承継という順序を基本に考えます。
法人成りを考え始めたら、法人登記だけを先行させるのではなく、
- いつ法人を設立するか
- いつ個人事業を法人へ譲渡するか
- 誰が常勤役員等・営業所技術者等になるか
- 社会保険をいつ切り替えるか
- 現在の許可に未提出届がないか
を一緒に整理することが重要です。
当事務所は宮城県名取市を拠点に、仙台市を中心に宮城県全域の建設業許可、承継認可、法人成り後の変更届・更新・決算変更届まで見据えた支援に対応しています。法人成りの日程がまだ決まっていない段階でも、現在の許可状況から整理できます。
よしだ行政書士事務所が法人成り・許可承継を支援します
- 承継認可が使えるかどうかの整理と、宮城県への事前相談
- 法人設立日・事業譲渡日・事業承継日のスケジュール整理
- 常勤役員等・営業所技術者等の要件確認と申請書類の作成
宮城県名取市を拠点に、宮城県全域を中心に東北6県からのご相談に対応しています。オンライン相談、訪問相談、土日祝日の予約相談も可能です。
参考資料
- 建設業法(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100
- 建設業許可の手引き(宮城県土木部):https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/jigyokanri/newkensetsugyoukyoka2602.html
- 建設業許可の手引き 第四編 建設業許可の認可申請について(PDF):https://www.pref.miyagi.jp/documents/11957/202603dai4hen.pdf
- 建設業許可Q&A(宮城県):https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/jigyokanri/newkyokaqa.html
- 法第17条の2及び法第17条の3に基づく認可申請について(PDF):https://www.pref.miyagi.jp/documents/11957/831949_1.pdf
- 建設業認可申請書類等一覧(譲渡及び譲受け)(PDF):https://www.pref.miyagi.jp/documents/11957/831067_1.pdf
- 建設業者としての地位の承継に関する認可の概要(国土交通省・PDF):https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001367723.pdf
FAQ
本記事は2026年9月1日時点で確認できる建設業法および宮城県の公表資料(建設業許可の手引き・建設業許可Q&A等)に基づき作成しています。法令改正や運用の変更、個別の事情により、記載内容と実際の取扱いが異なる場合があります。承継認可の具体的な要件・必要書類・申請時期については、必ず宮城県の管轄土木事務所または専門家にご確認ください。

行政書士 吉田 貴之(よしだ たかゆき)
宮城県名取市を拠点に建設業許可・
産業廃棄物収集運搬許可を専門に
サポートしています。
要件確認から申請まで一括代行。
初回相談・要件診断は無料です。
📞 022-382-8723








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