この記事では一般建設業許可の要件を中心に解説しています。特定建設業許可については、別途お問い合わせください。
目次
1.鋼構造物工事業とは?どんな工事が該当する?
鋼構造物工事業とは、形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事を請け負う建設業です。
具体的には、以下のような工事が鋼構造物工事業に該当します。
| 工事の例 | 内容 |
|---|---|
| 鉄骨工事 | 鉄骨の製作・加工から組立てまでを一貫して行う工事 |
| 橋梁工事 | 鋼製の橋梁(鋼橋)の製作・架設工事 |
| 鉄塔工事 | 送電用鉄塔、通信用鉄塔等の製作・建設工事 |
| 石油・ガス等の貯蔵用タンク設置工事 | 貯蔵タンクの製作・設置工事 |
| 屋外広告工事 | 屋外広告物の製作・加工から設置までを一貫して行う工事 |
| 閘門・水門等の門扉設置工事 | 水門、閘門等の鋼製門扉の設置工事 |
鋼構造物工事業の特徴は、鋼材の製作・加工から現場での組立てまでを一貫して請け負う点です。既に加工された鉄骨を現場で組立てるだけの工事は「とび・土工・コンクリート工事」に分類されます。この区分は非常に重要です。
2.建設業許可が必要になるケース
鋼構造物工事業においても、1件の請負代金が500万円以上(消費税込)の工事を請け負う場合には建設業許可が必要です。
鉄骨工事や橋梁工事は金額が大きくなることが多く、許可なしで受注できるケースはほとんどありません。
1件の請負代金が500万円以上(消費税込)→ 許可が必要
材料費・消費税を含めた合計金額で判断します。
3.鋼構造物工事業の許可を取るための5つの要件
宮城県で鋼構造物工事業の建設業許可を取得するには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。
| ❶ 経営業務の管理責任者がいること |
| ❷ 営業所ごとに専任技術者がいること |
| ❸ 誠実性があること |
| ❹ 財産的基礎があること |
| ❺ 欠格要件に該当しないこと |
3-1.経営業務の管理責任者(経管)
法人の場合は常勤の役員のうち1人が、個人の場合は事業主本人が、「経営業務の管理責任者」の要件を満たしている必要があります。
| パターン | 必要な経験 |
|---|---|
| 原則 | 建設業に関し5年以上、経営業務の管理責任者としての経験 |
| 経営業務の管理責任者に準ずる地位(執行役員等) | 建設業に関し5年以上の経験 |
| 経営業務の管理責任者を補佐する立場 | 建設業に関し6年以上の経験 |
経管の経験は業種を問いません。たとえばとび・土工工事業や建築工事業の会社で5年以上の役員経験があれば、鋼構造物工事業の経管になることができます。
3-2.専任技術者(鋼構造物工事業)
営業所ごとに、鋼構造物工事業の専任技術者を常勤で配置する必要があります。以下のいずれかに該当する方が専任技術者になれます。
【一般建設業の場合】
| 区分 | 要件の内容 |
|---|---|
| 施工管理技士 | 1級土木施工管理技士 1級建築施工管理技士 2級建築施工管理技士(躯体) |
| 建築士 | 1級建築士 |
| 技術士 | 技術士(建設・総合技術監理「建設」) 技術士(建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理「建設-鋼構造及びコンクリート」) |
| 技能検定 | 鉄工(「製缶作業」又は「構造物鉄工作業」に限る)・製罐 (1級は即可、2級は合格後3年以上の実務経験) |
| 指定学科+実務経験 | 大学・高専(土木工学、建築学又は機械工学)卒業+3年以上の実務経験 高等学校(同上の学科)卒業+5年以上の実務経験 |
| 実務経験のみ | 鋼構造物工事に関する10年以上の実務経験 |
鋼構造物工事業は指定建設業7業種の1つです。特定建設業の許可を取得する場合は、1級土木施工管理技士、1級建築施工管理技士、1級建築士、技術士などの1級の国家資格者が必要であり、実務経験のみでは認められません。
この業種の専任技術者になれる資格は『【宮城県】完全版!業種別・専任技術者となれる資格一覧』で確認できます。
3-3.誠実性
法人の役員等、個人事業主、政令で定める使用人(支店長等)が、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが必要です。
3-4.財産的基礎(一般建設業)
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 自己資本 | 純資産合計額が500万円以上 |
| 資金調達能力 | 500万円以上の預金残高証明書等 |
上記のいずれかを満たせばOKです。
3-5.欠格要件に該当しないこと
破産者で復権を得ていない者、建設業許可を取り消されてから5年を経過しない者、禁錮以上の刑に処せられ5年を経過しない者などに該当しないことが必要です。
4.とび・土工工事業との区分(紛らわしいケース)
鋼構造物工事業は「とび・土工・コンクリート工事業」と混同されやすい業種です。宮城県の許可手引書に基づく判断基準を整理します。
| 工事の内容 | 該当業種 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 鉄骨の製作・加工から組立てまで一貫して請け負う | 鋼構造物工事 | 製作+加工+組立て=鋼構造物工事 |
| 既に加工された鉄骨を現場で組立てのみ請け負う | とび・土工・コンクリート工事 | 組立てのみ=とび・土工工事 |
| 屋外広告物の製作・加工から設置まで一貫して請け負う | 鋼構造物工事 | 製作から設置まで一貫=鋼構造物工事 |
| 既製品の屋外広告物を現場で設置のみ | とび・土工・コンクリート工事 | 設置のみ=とび・土工工事 |
| ビルの外壁に固定された避難階段の設置 | 建築一式工事又は鋼構造物工事 | 消防施設工事ではなく、躯体の一部 |
鋼材の製作・加工から組立てまでを一貫して請け負う場合は「鋼構造物工事」、既に加工された鋼材を現場で組立てるだけの場合は「とび・土工・コンクリート工事」です。自社で製作工場を持っているかどうかが、業種選択の重要な判断材料になります。
5.宮城県での申請手続きの流れ
宮城県知事許可の申請は予約制です。以下の流れで進めます。
要件の確認
書類の準備
窓口予約
申請書提出
審査
許可通知
仙台土木事務所・東部土木事務所:予約希望日の60日前から予約可能
大河原土木事務所・北部土木事務所・気仙沼土木事務所:予約希望日の31日前から予約可能
予約は宮城県事業管理課ホームページの窓口予約フォームから行います。
6.申請手数料と審査期間
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 新規申請の手数料 | 9万円 |
| 業種追加・更新の手数料 | 5万円 |
| 審査期間 | 申請書受付後おおむね35日 |
| 許可の有効期間 | 5年間(更新が必要) |
手数料はセルフレジでの支払い、または仙台土木事務所ではキャッシュレス決済も利用できます。不許可の場合でも手数料は返還されません。
7.よくある質問(FAQ)
8.まとめ
宮城県で鋼構造物工事業(一般建設業許可)を取得するためのポイントをまとめます。
- 鋼構造物工事業は、鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事が対象
- 鉄骨工事・橋梁工事・鉄塔工事・貯蔵用タンク設置工事・屋外広告工事等が該当
- 製作・加工から組立てまで一貫して請け負うのが鋼構造物工事、組立てのみはとび・土工工事
- 請負代金500万円以上の工事を受注する場合は許可が必要
- 専任技術者は1級土木・建築施工管理技士、1級建築士、技術士、技能検定(鉄工等)、実務経験(10年以上)等で可
- 技能検定「鉄工」は「製缶作業」又は「構造物鉄工作業」に限る
- 鋼構造物工事業は指定建設業のため、特定建設業は1級国家資格者が必要
- 財産的基礎は自己資本又は預金残高500万円以上が必要
- 宮城県の許可申請は「予約制」で、仙台土木事務所は60日前から予約可能
- 申請手数料は新規9万円、審査期間はおおむね35日
建設業許可の要件全体については『【宮城県】建設業許可取得の5つの要件は何?』で詳しく解説しています。
宮城県・東北地方で鋼構造物工事業の一般建設業許可取得をお考えの方は、当事務所にお任せください。要件の確認から書類作成・申請代行まで、トータルでサポートいたします。初回相談無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

行政書士 吉田 貴之(よしだ たかゆき)
宮城県名取市を拠点に建設業許可・
産業廃棄物収集運搬許可を専門に
サポートしています。
要件確認から申請まで一括代行。
初回相談・要件診断は無料です。
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