| この記事でわかること 「宮城県で土木工事業の建設業許可を取りたい」「どんな資格や経験が必要?」「申請手続きはどうすればいい?」——宮城県・東北地方の土木系建設会社の経営者の方に向けて、土木工事業(土木一式工事業)の建設業許可取得に必要な要件・資格・書類・流れを、当事務所(宮城県仙台市)が宮城県の手引書をもとにわかりやすく解説します。 |
目次
1.土木工事業(土木一式工事業)とは?
土木工事業(建設業許可上の正式名称:土木一式工事業)とは、「総合的な企画・指導・調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修・改造・解体を含む)」です。
具体的な工事例
土木工事業の典型的な工事例は以下のとおりです。
| 工事の種類 | 具体例 |
| 道路工事 | 道路の新設・改良工事、舗装を含む道路建設工事(元請一式) |
| 橋梁工事 | 橋の新設・補修・架設工事(元請として一式で請け負うもの) |
| 河川・護岸工事 | 河川の改修・護岸設置・堤防工事 |
| トンネル工事 | 道路トンネル・鉄道トンネル等の掘削・構築工事 |
| ダム工事 | ダムの築造・補修工事 |
| 土地造成・宅地造成工事 | 大規模な造成・切土・盛土・地盤整備工事(元請一式) |
| 農林業土木工事 | 農業用水路・ため池・かんがい排水施設等の建設工事 |
| プレストレストコンクリート工事 | 橋梁等の土木工作物を総合的に建設するPC工事 |
| 土木一式工事業は「元請」が前提です 土木工事業(土木一式)の許可は、原則として「元請として総合的に施工する場合」に必要な許可です。下請として部分的な工事(例:とび工事・護岸の石積みのみ)を行う場合は、それぞれの専門工事業の許可で足ります。「工事全体を元請として請け負う」なら土木工事業、「部分的に専門工事を請け負う」なら対応する専門工事業の許可を取得しましょう |
2.建設業許可が必要なケース(いつから許可が必要?)
建設業許可が不要な「軽微な建設工事」は以下の範囲に限られます。これを超える場合は、土木工事業の建設業許可が必要です。
| 工事の種類 | 許可不要の範囲(軽微な工事) |
| 土木工事一式 | 請負代金が1,500万円未満の工事、または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事 |
| 専門工事(土木一式以外) | 請負代金が500万円未満の工事 |
| 宮城県の公共工事に参加するなら許可は必須 宮城県・仙台市などの自治体が発注する公共工事(道路工事・護岸工事・農業土木工事等)に入札参加するためには、建設業許可の取得が前提条件です。また、経営事項審査(経審)の受審・入札参加資格申請にも許可が必要です。 |
3.土木工事業の建設業許可を取得するための5つの要件
建設業許可を取得するには、以下の5つの要件を全て満たす必要があります。
| 要件 | 概要 | |
| ① | 経営業務の管理責任者(経管) | 建設業の経営に5年以上携わった役員等がいること |
| ② | 専任技術者(営業所技術者等) | 土木工事業の国家資格者、または実務経験者が各営業所に常勤していること |
| ③ | 誠実性 | 請負契約を誠実に履行すること(詐欺・脅迫等の行為がないこと) |
| ④ | 財産的基礎・金銭的信用 | 【一般】500万円以上の自己資本または預金残高 【特定】資本金2,000万円以上・自己資本4,000万円以上等 |
| ⑤ | 欠格事由に該当しない | 役員等が禁固以上の刑・建設業法違反・暴力団関係等に該当しない |
4.一般建設業許可と特定建設業許可の違い
土木工事業の許可には「一般建設業」と「特定建設業」の2種類があります。まず一般建設業から取得し、大規模工事を受注するようになったら特定建設業を取得するのが一般的な流れです。
| 比較項目 | 一般建設業許可 | 特定建設業許可 |
| 元請として発注できる下請金額 | 制限なし(下請合計4,500万円未満) | 下請合計4,500万円以上の発注が可能 |
| 財産的基礎 | 自己資本500万円以上 または預金残高500万円以上 または5年の許可継続実績 |
資本金2,000万円以上 |
|
専任技術者資格要件
|
1級・2級土木施工管理技士 |
1級土木施工管理技士 |
| 主な対象 |
下請として施工する場合 |
大規模な公共工事を元請として施工する場合 |
| 申請手数料 | 9万円 | 9万円 |
5.専任技術者の要件(どんな資格・経験が必要?)
土木工事業の専任技術者となるための主な資格・要件は以下のとおりです。一般建設業と特定建設業で要件が異なります。
一般建設業
- 1級土木施工管理技士
- 2級土木施工管理技士(土木)
- 1級建設機械施工管理技士
- 2級建設機械施工管理技士(第1〜6種)
- 技術士(建設部門・農業部門「農業土木」・水産部門「水産土木」・森林部門「森林土木」)
- 1級土木施工管理技士補(合格後3年の実務経験)
- 2級土木施工管理技士補(合格後5年の実務経験)
- 大学・高専の指定学科卒業+3年以上の実務経験
- 高校の指定学科卒業+5年以上の実務経験
- 10年以上の土木工事業に関する実務経験(学歴不問)
建設業
- 1級土木施工管理技士
- 1級建設機械施工管理技士(追加実務経験必要)
- 技術士(建設部門・農業部門「農業土木」・水産部門「水産土木」・森林部門「森林土木」)
- 大学・高専の指定学科卒業+3年以上の実務経験(+指導監督的実務経験2年)
- 高校の指定学科卒業+5年以上の実務経験(+指導監督的実務経験2年)
- 10年以上の土木工事業に関する実務経験(学歴不問)(+指導監督的実務経験2年)
「この業種の専任技術者になれる資格は『【宮城県】完全版!業種別・専任技術者となれる資格一覧』で確認できます。」
6.経営業務の管理責任者(経管)の要件
常勤役員等(経営業務の管理責任者)は、建設業の経営業務について一定の経験を持つ者でなければなりません。主な要件は以下のとおりです。
| 要件の種類 | 内容 |
| 【パターンA】役員として経営経験 | 建設業に関し5年以上の役員等(代表取締役・取締役・執行役員等)としての経験 |
| 【パターンB】個人事業主として経営経験 | 建設業に関し5年以上の個人事業主(または支配人)としての経験 |
| 【パターンC】役員等を直接補佐した経験 | 常勤役員等の1人が建設業役員経験(3年以上)を有し、残りを財務・労務・業務経験者が補佐する体制 |
| 【共通条件】常勤であること | 申請する建設業者の営業所に常勤していること(他社との兼任不可) |
7.財産的基礎の要件(お金の要件)
建設業許可の取得には、一定の財産的基礎が必要です。一般建設業と特定建設業で要件が大きく異なります。
| 要件 | 一般建設業 | 特定建設業 |
| 自己資本 | 500万円以上(または預金残高500万円以上) | 純資産合計4,000万円以上 |
| 資本金 | 特に規定なし | 資本金2000万円以上 |
| 欠損比率 | 特に規定なし | 20%以下 |
| 流動比率 | 特に規定なし | 75%以上 |
| 許可継続実績 | 5年継続の許可実績があれば財産証明不要 | (左の要件使えない) |
8.宮城県での申請手続きの流れ
宮城県知事許可(宮城県内のみで営業する場合)の申請手続きは以下のとおりです。
| 内容 | ポイント | |
| STEP1 | 要件確認・事前準備 | 経管・専任技術者の要件確認、財産的基礎の確認、書類収集リストの作成 |
| STEP2 | 申請書類の収集・作成 | 登記事項証明書、納税証明書、工事経歴書、財務諸表等の収集と様式への記入 |
| STEP3 | 事前相談(任意だが推奨) | 管轄土木事務所に申請前の書類確認を依頼(不備を防ぐため推奨) |
| STEP4 | 申請予約・書類提出 | インターネット窓口予約フォームで予約語、管轄土木事務所へ正本1部+写し2部を提出 |
| STEP5 | 審査(30~45日) | 許可行政庁が書類を審査、申請手数料は知事許可9万円(建設業法令) |
| STEP6 | 許可通知書の交付・許可証受領 | 許可通知後、許可証を受領、有効期間は5年間(更新が必要) |
| 許可申請は「予約制」です(宮城県) 宮城県の建設業許可申請(新規・更新・業種追加等)は予約制です。インターネットの窓口予約フォームから事前に予約してください。なお、各種変更届・決算変更届については予約不要で、月〜金曜日(祝日除く)の申請受付時間内に持参可能です |
9.【宮城県内の管轄土木事務所一覧】
申請先は本社(主たる営業所)の所在地を管轄する土木事務所です。
| 土木事務所 | 管轄区域(主な市町村) |
| 仙台土木事務所(仙台市) | 仙台市・塩竈市・名取市・多賀城市・岩沼市・亘理郡・宮城郡 |
| 東部土木事務所(石巻市) | 石巻市・東松島市・女川町・涌谷町・美里町・登米市の一部 |
| 大河原土木事務所(柴田郡) | 白石市・角田市・蔵王町・七ヶ宿町・大河原町・村田町・柴田町・川崎町・丸森町 |
| 北部土木事務所(大崎市) | 大崎市・栗原市・遠田郡・登米市 |
| 気仙沼土木事務所(気仙沼市) | 気仙沼市、本吉郡 |
10.よくある質問(FAQ)
Q1:土木工事の下請工事だけしかやっていませんが、許可は必要ですか?
1件の請負金額が500万円以上になる場合は、下請であっても建設業許可が必要です。土木一式工事業の許可は元請として一式で請け負う場合が対象ですが、下請として土木工事の一部(例:とび工事・舗装工事)を行う場合は、それぞれの専門工事業の許可が必要になります。ご自身の業務内容に合わせた許可業種の選定が重要です
Q2:1級土木施工管理技士がいなくても一般建設業の許可は取れますか?
はい、一般建設業であれば、2級土木施工管理技士や、大学・高専の指定学科卒業後3年以上の実務経験者、あるいは10年以上の土木工事業に関する実務経験者でも専任技術者になることができます。ただし、特定建設業の専任技術者は原則として1級土木施工管理技士または技術士(建設部門等)が必要です。
Q3:社長自身が経営業務の管理責任者と専任技術者を兼任できますか?
はい、同一の人物が経営業務の管理責任者(経管)と専任技術者を兼任することは可能です。ただし、常勤性が求められますので、他社の役員等との兼任は原則できません。一人親方や少人数の会社でも、要件を満たせば建設業許可を取得できます。
Q4:許可取得後に土木工事業を廃業した場合、他の業種の許可はどうなりますか?
建設業許可は業種ごとに取得するものです。土木工事業の許可を廃業(一部廃業)しても、他の業種(例:とび・土工工事業、舗装工事業)の許可はそのまま継続します。業種ごとの廃業届(様式第二十二号の四)を提出してください。
Q5:宮城県での申請にどれくらいの時間・費用がかかりますか?
審査期間は申請受理後約30〜45日が目安です。申請手数料は知事許可の場合9万円です(宮城県)。行政書士に依頼する場合は別途報酬が発生しますが、書類の不備によるやり直し・時間ロスを防げます。よしだ行政書士事務所(宮城県仙台市)では初回相談無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
Q6:宮城県で土木工事業の許可申請を行政書士に依頼できますか?
はい。よしだ行政書士事務所(宮城県仙台市)では、宮城県内の土木工事業をはじめとする建設業許可(新規・業種追加・更新・特定への格上げ等)の申請書類作成・提出代行を専門的に行っています。「要件を満たしているか確認したい」「書類の準備が大変」という方も、ぜひご相談ください。
11.まとめ
宮城県で土木工事業(土木一式工事業)の建設業許可を取得するためのポイントをまとめます。
- 土木工事業は「元請として総合的に土木工作物を建設する工事」が対象
- 許可が不要な軽微な工事(一式1,500万円未満)を超える場合は許可が必要
- 経管・専任技術者・誠実性・財産的基礎・欠格要件の5要件を全て満たすこと
- 一般建設業は2級施工管理技士や実務経験でも可。特定建設業は1級のみ
- 土木工事業は「指定建設業」のため、特定建設業の専任技術者は1級国家資格者必須
- 宮城県の許可申請は「予約制」。管轄土木事務所に事前相談を推奨
- 許可取得後は毎年の決算変更届が義務(未提出は法違反・更新不可)
「建設業許可の要件全体については『【宮城県】建設業許可取得の5つの要件は何?』で詳しく解説しています。」
関連記事→建築一式工事、とび・土工の記事

行政書士 吉田 貴之(よしだ たかゆき)
宮城県名取市を拠点に建設業許可・
産業廃棄物収集運搬許可を専門に
サポートしています。
要件確認から申請まで一括代行。
初回相談・要件診断は無料です。
📞 022-382-8723








この記事へのコメントはありません。