宮城県で建築一式工事の建設業許可(一般建設業)を取得するには?
要件・資格・申請手続きをわかりやすく解説
本記事は、宮城県知事許可の「一般建設業(建築工事業)」の取得を検討されている方を対象としています。特定建設業許可(元請として下請業者への発注額の合計が4,500万円以上となる場合に必要)については、別途ご案内しています。まずは一般建設業許可の取得が基本的なステップです。
「宮城県で建築一式工事の建設業許可を取りたい」「どんな資格や経験が必要?」「申請の手続きはどうすればいい?」——宮城県・東北地方の建設会社の経営者の方に向けて、建築一式工事業の一般建設業許可取得に必要な要件・資格・書類・手続きの流れを、当事務所(宮城県仙台市)がわかりやすく解説します。
1.建築一式工事業とは?
建築一式工事業(建設業許可上の正式名称:建築工事業)とは、「総合的な企画・指導・調整のもとに建築物を建設する工事」のことです(建設業法施行令)。
建築確認を必要とする規模の建物の新築・増改築・総合的な改修工事が主な対象となります。
具体的な工事例
| 工事の種類 | 具体例 |
|---|---|
| 建物の新築工事 | 住宅・アパート・マンション・事務所・倉庫・工場等の新築(元請として一式で請け負うもの) |
| 増改築工事 | 既存建物への増築・改築(建築確認を要する規模のもの) |
| 総合的な改修工事 | 建物全体を総合的にリノベーション・大規模修繕する工事(一式として元請で請け負うもの) |
| 建築物の解体工事 | 建築物を総合的な企画・指導のもとに解体する工事 |
| 外壁避難階段設置工事 | ビルの外壁に固定された避難階段を設置する工事(建築物の躯体の一部として) |
建築一式工事業の許可は、原則として「元請として総合的に施工する場合」に必要な許可です。下請として部分的な工事(例:大工工事のみ・内装仕上げのみ)を行う場合は、それぞれの専門工事業の許可で足ります。「建物全体を元請として一式で請け負う」なら建築工事業、「部分的な専門工事を請け負う」なら対応する専門工事業の許可を取得しましょう。
建築確認とは、建物を建てる前に自治体(または指定確認検査機関)に申請し、建築基準法に適合しているかを確認してもらう手続きのことです。一定規模以上の建物の新築・増改築には必ず建築確認が必要であり、これを必要とする規模の工事が建築一式工事業の対象となります。小規模な模様替えや設備工事のみは含まれません。
2.建設業許可が必要なケース
建設業許可が不要な「軽微な建設工事」は以下の範囲に限られます。これを超える場合は建設業許可が必要です。
| 工事の種類 | 許可不要の範囲(軽微な工事) |
|---|---|
| 建築一式工事 | 請負代金が1,500万円未満の工事、または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事 |
| 専門工事(建築一式以外) | 請負代金が500万円未満の工事 |
宮城県・仙台市などの自治体が発注する公共建築工事(庁舎・学校・公営住宅等の建設工事)に入札参加するためには、建設業許可の取得が前提条件です。また、経営事項審査(経審)の受審・入札参加資格申請にも許可が必要です。
3.建築一式工事業の許可を取得するための5つの要件
建設業許可を取得するには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります(建設業法第7条)。
| 要件 | 概要 | |
|---|---|---|
| ① | 経営業務の管理責任者(経管) | 建設業の経営に5年以上携わった役員等がいること |
| ② | 専任技術者(営業所技術者等) | 建築一式工事業の国家資格者、または実務経験者が各営業所に常勤していること |
| ③ | 誠実性 | 請負契約を誠実に履行すること(詐欺・脅迫等の行為がないこと) |
| ④ | 財産的基礎・金銭的信用 | 500万円以上の自己資本または預金残高があること |
| ⑤ | 欠格要件に該当しないこと | 役員等が禁固以上の刑・建設業法違反・暴力団関係等に該当しないこと |
4.専任技術者の要件(どんな資格・経験が必要?)
一般建設業の建築一式工事業の専任技術者となるための主な資格・要件は以下のとおりです。国家資格がなくても、実務経験で要件を満たせます。
| 資格・要件(一般建設業) | 専任技術者になれるか |
|---|---|
| 1級建築施工管理技士 | ◎ なれる |
| 2級建築施工管理技士(建築) | ◎ なれる |
| 1級建築士 | ◎ なれる |
| 2級建築士 | ◎ なれる |
| 技術士(建設部門) | ◎ なれる |
| 1級建築施工管理技士補(合格後3年以上の実務経験) | ○ 条件付きでなれる |
| 2級建築施工管理技士補(合格後5年以上の実務経験) | ○ 条件付きでなれる |
| 大学・高専の指定学科卒業+3年以上の実務経験 | ○ なれる |
| 高校の指定学科卒業+5年以上の実務経験 | ○ なれる |
| 建築一式工事業に関する10年以上の実務経験(学歴不問) | ○ なれる |
◎=資格のみでOK(実務経験不要) ○=所定の実務経験が必要
学歴・実務経験で専任技術者の要件を証明する場合、過去の工事請負契約書・注文書・請求書等、実務経験の期間・内容を証明できる書類が必要です。また実務経験は「建築一式工事業」に関するものでなければなりません。証明書類の準備に時間がかかるため、早めに確認することをお勧めします。
建築学・都市工学に関する学科が「指定学科」に該当します。具体的には、建築学科・建築工学科・建築設計学科・住居学科・環境計画学科などが代表例です。卒業した学科が指定学科に該当するかどうかは、当事務所(宮城県仙台市)にご相談ください。
この業種の専任技術者になれる資格は『【宮城県】完全版!業種別・専任技術者となれる資格一覧』で確認できます。
5.経営業務の管理責任者(経管)の要件
常勤役員等(経営業務の管理責任者)は、建設業の経営業務について一定の経験を持つ者でなければなりません(建設業法第7条第1号)。
| 要件の種類 | 内容 |
|---|---|
| 【パターンA】 役員として経営経験 |
建設業に関し5年以上の役員等(代表取締役・取締役・執行役員等)としての経験 |
| 【パターンB】 個人事業主として経営経験 |
建設業に関し5年以上の個人事業主(または支配人)としての経験 |
| 【パターンC】 役員等を直接補佐した経験 |
常勤役員等の1人が建設業の役員経験(3年以上)を有し、財務・労務・業務の経験者が補佐する体制をとること |
| 【共通条件】 常勤であること |
申請する建設業者の営業所に常勤していること(他社との兼任不可) |
建設会社の代表者(社長)自身が経営業務の管理責任者を兼ねることは可能です。また、同一の人物が経管と専任技術者を兼任することも認められています。少人数の会社や一人親方でも、要件を満たしていれば許可を取得できます。
6.財産的基礎の要件(お金の要件)
一般建設業許可の取得には、以下のいずれかの財産的基礎を満たす必要があります。
| 要件(いずれかを満たすこと) | 内容 |
|---|---|
| ①自己資本 | 自己資本(純資産合計)が500万円以上であること |
| ②預金残高 | 500万円以上の預金残高証明書(申請受理前1か月以内に発行されたもの) |
| ③融資可能証明 | 金融機関発行の500万円以上の融資可能証明書(申請受理前1か月以内に発行されたもの) |
| ④許可継続実績 | 直前5年間、建設業許可を受けて継続して営業してきた実績(更新時のみ適用可) |
決算書上の自己資本が500万円に満たない場合でも、②の預金残高証明書または③の融資可能証明書を用意することで財産的基礎の要件を満たせます。預金残高証明書は申請直前1か月以内に発行されたものが必要ですので、タイミングに注意してください。
7.宮城県での申請手続きの流れ
宮城県知事許可(宮城県内のみで営業する場合)の申請手続きは以下のとおりです。
| ステップ | 内容 | ポイント・注意事項 |
|---|---|---|
| STEP 1 | 要件確認・事前準備 | 経管・専任技術者の要件確認、財産的基礎の確認。書類収集リストの作成 |
| STEP 2 | 申請書類の収集・作成 | 登記事項証明書・納税証明書・工事経歴書・財務諸表等の収集と様式への記入 |
| STEP 3 | 事前相談(任意だが推奨) | 管轄土木事務所に申請前の書類確認を依頼(不備を防ぐため強く推奨) |
| STEP 4 | 申請予約・書類提出 | インターネット窓口予約フォームで予約後、管轄土木事務所へ正本1部+写し2部を提出 |
| STEP 5 | 審査(約30〜45日) | 許可行政庁が書類を審査。申請手数料は知事許可9万円 |
| STEP 6 | 許可通知書の受領 | 許可通知後、許可証を受領。有効期間は5年間(期限前に更新が必要) |
宮城県の建設業許可申請(新規・更新・業種追加等)は予約制です。インターネットの窓口予約フォームから事前に予約してください。なお、各種変更届・決算変更届については予約不要で、月〜金曜日(祝日除く)の受付時間内に持参できます。
宮城県内の管轄土木事務所一覧
申請先は本社(主たる営業所)の所在地を管轄する土木事務所です。
| 土木事務所 | 管轄区域(主な市町村) |
|---|---|
| 仙台土木事務所 (仙台市) |
仙台市・塩竈市・名取市・多賀城市・岩沼市・亘理郡・宮城郡 |
| 東部土木事務所 (石巻市) |
石巻市・東松島市・女川町・涌谷町・美里町・登米市の一部 |
| 大河原土木事務所 (柴田郡) |
白石市・角田市・蔵王町・七ヶ宿町・大河原町・村田町・柴田町・川崎町・丸森町 |
| 北部土木事務所 (大崎市) |
大崎市・栗原市・遠田郡・登米市 |
| 気仙沼土木事務所 (気仙沼市) |
気仙沼市・本吉郡 |
8.主な必要書類(宮城県知事許可・新規申請)
提出部数は正本1部+写し2部(土木事務所提出分1部・本社控1部)です。
| No. | 書類名(様式番号) | 法人 | 個人 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 建設業許可申請書〔様式第一号〕 | ◎ | ◎ | |
| 2 | 工事経歴書〔様式第二号〕 | ◎ | ◎ | 前事業年度の施工実績 |
| 3 | 直前3年の各事業年度における工事施工金額〔様式第三号〕 | ◎ | ◎ | |
| 4 | 使用人数〔様式第四号〕 | ◎ | ◎ | |
| 5 | 誓約書〔様式第六号〕 | ◎ | ◎ | |
| 6 | 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書〔様式第七号〕 | ◎ | ◎ | |
| 7 | 常勤役員等の略歴書〔様式第七号別紙〕 | ◎ | ◎ | |
| 8 | 専任技術者証明書〔様式第八号〕 | ◎ | ◎ | |
| 9 | 実務経験証明書〔様式第九号〕 | ☆ | ☆ | 実務経験で証明する場合 |
| 10 | 財務諸表〔様式第十五〜十九号〕 | ◎ | ◎ | 法人・個人で様式が異なる |
| 11 | 登記事項証明書 | ◎ | - | 法人のみ・3か月以内のもの |
| 12 | 身分証明書(役員等全員分) | ◎ | ◎ | 市区町村発行のもの |
| 13 | 成年後見等に関する登記事項証明書 | ◎ | ◎ | 法務局発行 |
| 14 | 健康保険等の加入状況〔様式第七号の三〕 | ◎ | ◎ | |
| 15 | 納税証明書(法人税または所得税) | ◎ | ◎ | 直近分 |
| 16 | 資格証明書の写し | ☆ | ☆ | 国家資格で証明する場合 |
| 17 | 卒業証明書 | ☆ | ☆ | 学歴で要件を証明する場合 |
◎=必須 ☆=場合により必要 -=不要
当事務所(宮城県仙台市)では、申請書類の作成から管轄土木事務所への提出代行まで一括してサポートします。「何から準備すればよいかわからない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
9.よくある質問(FAQ)
10.一般建設業許可と特定建設業許可の違い
建築一式工事業の許可には「一般建設業」と「特定建設業」の2種類があります。下請に発注する金額の規模によって、どちらが必要かが決まります。
元請として受注した1件の工事で、下請業者への発注金額の合計が4,500万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)になる場合は、特定建設業の許可が必要です。この金額を下回る場合は、一般建設業の許可で足ります。
| 比較項目 | 一般建設業許可 | 特定建設業許可 |
|---|---|---|
| 下請への発注金額 | 建築一式:8,000万円未満 その他:4,500万円未満 |
建築一式:8,000万円以上 その他:4,500万円以上 |
| 専任技術者の資格要件 | 1・2級建築施工管理技士 1・2級建築士 技術士 実務経験10年以上 など |
1級建築施工管理技士 1級建築士 技術士 (原則として一級国家資格者のみ) |
| 財産的基礎 | 自己資本または預金残高500万円以上 | 資本金2,000万円以上 自己資本4,000万円以上 欠損比率20%以下 流動比率75%以上 (すべて満たすこと) |
| 主な対象 | 下請として施工する場合 元請でも小〜中規模の場合 |
大規模な元請工事を行う場合 公共工事で大型案件を受注したい場合 |
| 申請手数料(知事許可) | 9万円 | 9万円 |
建築一式工事業は建設業法上の「指定建設業」(土木・建築・電気・管工事・鋼構造物・舗装・造園の7業種)に該当します。そのため、特定建設業の専任技術者は原則として1級建築施工管理技士・1級建築士・技術士(建設部門)などの一級国家資格者でなければなりません。2級資格者や実務経験のみでは特定建設業の専任技術者になれませんのでご注意ください。
特定建設業の財産要件・資格要件は一般建設業より大幅に厳しくなります。現時点では一般建設業から取得し、事業規模の拡大に合わせて特定建設業へ格上げするのが一般的な流れです。特定建設業への格上げについても、当事務所(宮城県仙台市)にご相談ください。
11.まとめ
宮城県で建築一式工事業(建築工事業)の建設業許可を取得するためのポイントをまとめます。
- 建築一式工事業は「元請として総合的に建築物を建設する工事」が対象
- 請負代金1,500万円以上(または延べ150㎡以上の木造住宅)を超える場合は許可が必要
- 経管・専任技術者・誠実性・財産的基礎・欠格要件の5要件をすべて満たすこと
- 専任技術者は1・2級建築施工管理技士、1・2級建築士、技術士、実務経験(10年以上)で可
- 財産的基礎は自己資本または預金残高500万円以上(更新時は継続実績で可)
- 宮城県の許可申請は「予約制」。管轄土木事務所への事前相談を推奨
- 許可取得後は毎年の決算変更届と、変更が生じた際の変更届の提出が義務
- 下請発注が建築一式8,000万円以上になる場合は特定建設業許可が必要(専任技術者は一級資格者のみ)
宮城県・東北地方で建築一式工事業の一般建設業許可取得をお考えの方は、当事務所(宮城県仙台市)にお任せください。「許可要件を満たしているか確認したい」「書類の準備を任せたい」「許可取得後の毎年の手続きも対応してほしい」など、幅広いご相談に丁寧に対応しています。初回相談無料です。お気軽にお問い合わせください。
建設業許可の要件全体については『【宮城県】建設業許可取得の5つの要件は何?』で詳しく解説しています。
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行政書士 吉田 貴之(よしだ たかゆき)
宮城県名取市を拠点に建設業許可・
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