許可全般ー基礎知識

建設業とは?(許可上の定義)

宮城県内の建設会社経営者から、こんな質問をよくいただきます。
実は「建設業」の定義は法律で明確に決まっており、建設業に該当するもの・しないものも具体的に判断できます。しかし「これは建設業に当たるのか」と判断に迷う方がとても多いのが実情です。
この記事では、宮城県の建設業許可申請の手引きをもとに「建設業とは何か」「建設業になるもの・ならないもの」を具体的にわかりやすく解説します。

1.「建設業」の法律上の定義


建設業許可の根拠となる「建設業法」では、建設業を次のように定義しています(法第2条)。

📖  建設業法 第2条の定義
「建設業」とは、元請、下請その他いかなる名義をもってするかを問わず、建設工事の完成を請け負うことをいう。

この定義でとくに重要なポイントは「元請・下請を問わず」という部分です。

元請・下請どちらも「建設業」

よく「うちは下請けだから許可は不要では?」と誤解される方がいますが、それは間違いです。元請として直接発注者から工事を受けても、下請として元請から工事を受けても、どちらも建設工事の完成を請け負う行為であれば建設業に該当します。

📖 具体的例で理解
【元請の例】宮城県内の工務店が施主から新築工事を直接受注する場合
【下請の例】その工務店の依頼を受けて、内装業者が内装工事を請け負う場合
→ どちらも「建設業」に該当し、500万円以上であれば許可が必要です。

「請負い」とは?

建設業法でいう「請負」とは、ある仕事を完成することを約束し、その結果に対して報酬をもらう契約です。これは次のものとは根本的に異なります。

  • ●  雇用……給料をもらって会社の指示で働く場合
  • ●  委任・準委任……仕事の完成ではなく、業務処理そのものを委任する場合
  • ●  建売住宅の売買……工事完成後の住宅を売買する場合

判断の基準は「工事の完成を約束して報酬をもらっているかどうか」です。

2.許可が必要な工事・不要な工事(軽微な工事)


建設業を営む場合でも、すべての工事で許可が必要なわけではありません。「軽微な工事」については許可なく請け負うことができます。

軽微な工事(許可不要)の基準
工事の種類軽微な工事の基準(許可が不要)
建築一式工事① 1件の請負代金が1,500万円未満
② 木造住宅で延べ面積150㎡未満 (どちらか一方に当てはまればOK)
建築一式工事以外の すべての建設工事1件の請負代金が500万円未満

📖消費税込みの金額で判断
請負代金は消費税込みの金額で判断します。税抜き価格が499万円でも、消費税を加えると500万円を超える場合は許可が必要です。

💡  宮城県でよくある誤解
「1件が500万円未満だから許可は不要」と思っていたら、関連工事を合計すると500万円を超えていたケースが散見されます。工事金額の合算ルールを正確に理解することが重要です。

「許可取得に必要な要件の全体像は『【宮城県】建設業許可取得の5つの要件は何?』で詳しく解説しています。」

3.一式工事と専門工事の違い


建設業許可には29業種があり、大きく「一式工事(2業種)」と「専門工事(27業種)」に分けられます。この違いは許可取得の場面でとても重要です。

一式工事とは
一式工事の種類内容・対象となる工事
土木工事業(土木一式)総合的な企画・指導・調整のもとに土木工作物を建設する工事 (トンネル・橋梁・ダム・護岸工事など)
建築工事業(建築一式)総合的な企画・指導・調整のもとに建築物を建設する工事 (新築・増改築・総合的な改修工事など)

「建築一式工事の許可取得について詳しくは『宮城県で建築一式工事の建設業許可を取得するには?』をご覧ください。」

💡  一式工事の重要ポイント
一式工事は「原則として元請として請け負う工事」が対象です。下請として一部の工事のみを請け負う場合は、それぞれの専門工事の許可が必要になります。

専門工事とは?

専門工事は、特定の作業・技術に特化した工事です。大工・電気・管・塗装など27業種があり、それぞれ独立した許可を取得する必要があります。
元請から下請に一部の工事を依頼する場合、下請業者はその工事に対応した専門工事の許可を持っている必要があります。

よくある誤解:「建築一式があれば何でもOK」は間違い

「建築一式工事業の許可があれば、すべての建築工事が請け負えるのでは?」と思われる方が多いですが、これは誤りです。

⚠️  建築一式工事業の許可でできないこと
建築一式工事業は建物全体を総合的に管理する「元請」としての工事が対象です。下請として特定の専門工事(電気工事・管工事など)を単独で請け負う場合は、それぞれの専門工事の許可が別途必要です。

4.業種の判断で迷いやすいケース


「業種の判断に迷うケース」を解説します。

ケース① 外構工事はどの業種?

門・フェンス・駐車場・庭などの外構工事は、工事の内容によって業種が異なります。

工事内容該当業種
コンクリートブロックの積み上げ・法面処理とび・土工・コンクリート工事業
石材の積み上げ石膏事業
植栽・芝張り・公園整備造園工事業
アスファルト等の舗装舗装工事業
ケース②  解体工事はとび土工でいいの?

500万円未満の軽微な解体工事であれば、とび・土工・コンクリート工事業の許可でも対応できる場合があります。ただし500万円以上の解体工事には「解体工事業」の許可(または解体工事業の登録)が別途必要です。

ケース③  リフォーム工事は何業種?

リフォーム工事は内容によって業種が分かれます。

  • ●  壁紙・床材の張替え → 内装仕上工事業
  • ●  屋根のふき替え → 屋根工事業
  • ●  外壁塗装 → 塗装工事業
  • ●  水回りの給排水設備交換 → 管工事業
  • ●  複数工事を一体的に元請として受注 → 建築一式工事業

実際の工事内容を確認した上で、どの業種に当たるかを判断することが必要です。

ケース④  電気と管工事どちらが必要?

空調設備の工事では電気工事と管工事の両方が関わることがよくあります。それぞれの工事部分で対応する業種の許可が必要で、複数業種を同時に申請することも可能です。

📞  業種の判断に迷ったら
業種の判断から申請書類の作成まで一括サポートしています。「どの業種を取ればいいかわからない」という段階でもお気軽にご相談ください。

5.宮城県で申請する際の注意点


①許可は業種ごと・一般と特定の2種類

建設業許可は業種ごとに個別に取得する必要があります。また、下請に出す金額により「一般建設業」か「特定建設業」かが決まります。

⚠️  特定建設業は要件が厳しい
特定建設業は財産的基礎(自己資本4,000万円以上等)や専任技術者の要件が一般建設業より厳格です。受注規模に応じて慎重に判断しましょう。

②宮城県は完全予約制
管轄土木事務所予約受付開始時間
仙台土木事務所・東部土木事務所希望日の60日前から(先着順)
大河原・北部・気仙沼土木事務所希望日の31日前から(先着順)

📍 名取市・仙台市周辺の建設会社様へ
管轄は仙台土木事務所(仙台市宮城野区幸町4-1-2)です。当事務所では申請予約の代行も対応しています。

6.建設業となるもの・ならないもの 完全まとめ


「これは建設業に当たるの?」という疑問を持たれる方がとても多いです。ここでは具体的な事例をもとに、建設業に「なるもの」と「ならないもの」を整理します。

■判断の基準は3つ

建設業に該当するかどうかは、次の3つのポイントで判断します。

判断のポイント内容
①建設工事か?土木・建築・設備等に関する工事であること
②請負契約か?工事の完成を約束して報酬をもらう形式であること
③軽微な工事を超えるか?建築一式1,500万円以上・その他500万円以上であること

この3つをすべて満たす場合に「建設業許可が必要な建設業」に該当します。

◎建設業となるもの(許可が必要なケース)

以下の行為は建設業に該当します。500万円以上(建築一式1,500万円以上)であれば許可が必要です。

✅ 建設業となるもの(具体例) 

  • ✔  元請として施主から直接、住宅の新築・増改築工事を受注する(建築工事業)
  • ✔  下請として元請ゼネコンから、内装工事・塗装工事を受注する(専門工事業)
  • ✔  道路舗装工事・駐車場のアスファルト工事を請け負う(舗装工事業)
  • ✔  建物の電気配線・照明設備の設置工事を請け負う(電気工事業)
  • ✔  給排水管・空調設備の設置・交換工事を請け負う(管工事業)
  • ✔  外壁塗装・屋根塗装工事を請け負う(塗装工事業)
  • ✔  建築物の解体工事を請け負う(解体工事業)
  • ✔  造園・植栽・公園の整備工事を請け負う(造園工事業)
  • ✔  橋梁・トンネル・護岸工事を元請として総合的に請け負う(土木工事業)
  • ✔  足場工事・くい工事・地盤改良工事・外構工事を請け負う(とび・土工・コンクリート工事業)
✖ 建設業とならないもの(許可不要のケース)

以下の行為は「建設業」に該当しないか、または該当しても許可が不要なケースです。

✖ 建設業とならないもの(許可不要のケース)

  • ✖  雇用契約で会社の指示のもと工事作業に従事する(建設業ではなく「雇用」)
  • ✖  建売住宅の売買(工事完成後の不動産売買であり「請負」ではない)
  • ✖  業務委任・コンサルティング契約による設計業務のみ(工事の完成を約束しない「委任」)
  • ✖  建築材料の販売・配達のみ(物品の売買であり建設工事ではない)
  • ✖  機械・器具のリース・レンタルのみ(建設工事の施工を伴わない)
  • ✖  自社所有の不動産の改修工事(自社物件の工事は「請負」ではない)
  • ✖  ビルの清掃・メンテナンス作業のみ(工作物の新設・改造を伴わない)
  • ✖  測量・調査業務のみ(建設工事の完成を請け負っていない)
▲ 判断が難しいグレーゾーン

次のケースは判断が分かれることがあります。個別の状況をもとに専門家へ相談することをおすすめします。

工事建設業か?判断ポイント
設備機器の据付工事都合による機械本体の機能を発揮させるための工事なら建設業。単純な機械の設置のみなら建設業でない場合もある
冷暖房機器の取付け場合による建物に固定して機能する設備工事なら管工事業。移動可能な家電製品の設置は建設業でない
ソーラーパネルの設置場合による屋根や外壁に固定して設置する場合は建設工事。可動式・地面置きの場合は要判断
建物内の電気工事建設業○電気工事業の許可が必要(500万円以上)。電気工事士の資格も別途必要
植木の剪定・草刈り建設業✖造園工事業は工作物(庭等)の新設・改造。単純な草刈り・清掃作業は建設業でない
アンテナ・看板の設置場合による建物に固定する工事を伴う場合は建設業。単純な置き看板・移動式は建設業でない

📞  グレーゾーンの判断に迷ったら  
「うちの仕事は建設業に当たるのか」「どの業種の許可が必要か」——こうした判断はケースバイケースで難しい部分があります。よしだ行政書士事務所(宮城県仙台市・名取市)では、業種の判断から申請まで一括サポートしています。まずは無料相談をご利用ください。

7.まとめ


「建設業」とは、元請・下請を問わず建設工事の完成を請け負うことです。建設業に該当するかどうかは「工事の完成を約束して報酬をもらうかどうか」が基本の判断基準です。

確認事項内容
建設業に当たるのか?建設工事の完成を請け負う(元請・下請問わず)→ 該当
建設業でないもの雇用・委任・建売売買・清掃・測量のみ → 非該当
許可が必要か?建築一式1,500万円以上・その他500万円以上 → 必要
何の業種をとるのか?請け負う工事の種類ごとに対応業種を取得(複数可)
一般か特定か?下請発注金額4,500万円以上なら特定建設業が必要
宮城県の申請完全予約制(仙台土木事務所は60日前・先着順)

「うちの工事は建設業に当たるの?」「どの業種を取ればいいの?」という段階からでも、よしだ行政書士事務所にお気軽にご相談ください。

「自分で許可申請をするか迷っている方は『建設業許可は自分でやるべき?それとも行政書士に頼むべき?』も参考にしてください。」

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