建設業許可 営業所技術者

営業所技術者等を実務経験で証明する方法

料金の目安【知事許可・新規申請】

報酬 120,000円(税別) 法定手数料 90,000円 計 210,000円

営業所技術者等を実務経験で証明する方法|宮城県で必要な確認資料について詳しく解説

建設業許可を取得するとき、「国家資格を持つ人がいないので許可は取れない」と考えている事業者は少なくありません。

しかし、一般建設業許可では、許可を受けようとする業種について一定期間の実務経験があれば、資格だけに頼らず営業所技術者等の要件を満たせる場合があります。

一方、実務経験ルートで難しいのは、単に「10年以上この仕事をしてきた」と説明するだけでは足りないことです。宮城県知事許可では、どの建設工事を、いつからいつまで経験したのかを確認するとともに、その期間に実際にその会社で勤務していたこと、または個人事業として営業していたことを確認できる資料が求められます。

特に10年の実務経験を使用する場合、宮城県では原則として12か月×10年=120か月分の実績を確認します。

当事務所では、宮城県・仙台市の建設事業者から、「昔の注文書しか残っていない」「勤務先が廃業している」「何年分の請求書を集めればよいか分からない」といった相談を受けることがあります。

この記事では、営業所技術者等を実務経験で証明する際の考え方と、宮城県知事許可で準備する確認資料を具体的に整理します。

この記事は主に宮城県知事許可・一般建設業を想定しています。国土交通大臣許可では確認方法が異なる場合があるため、東北地方整備局の最新手引き・運用を別途確認してください。

結論:実務経験で申請する場合は「経験年数」「工事内容」「在籍・営業実態」の3点を資料でつなげる必要があります

宮城県知事許可で営業所技術者等を実務経験により証明する場合、主に次の3点を確認します。

  1. その業種について必要な実務経験年数を満たしているか
  2. その期間に対象業種の建設工事を実際に経験していたか
  3. その期間に証明会社へ勤務していた、または個人事業として営業していたか

10年の実務経験を使用する場合は、原則として120か月分の工事実績を確認します。

したがって、最初から実務経験証明書を作成するのではなく、先に裏付け資料がどこまで残っているか調査することが重要です。

対象となる読者

建設業許可を新規取得したい法人・個人事業主
営業所技術者等になれる国家資格者が社内にいない事業者
代表者や従業員の10年以上の現場経験を利用したい事業者
指定学科卒業後3年・5年などの実務経験を証明したい方
業種追加で新しい許可業種の技術者要件を確認したい事業者
営業所技術者等の交替を予定している許可業者
過去勤務先での経験を利用できるか確認したい方
古い契約書・注文書・請求書しか残っておらず、申請できるか不安な方

営業所技術者等とは

建設工事の請負契約を行う営業所ごとに配置する、一定の資格・経験を持つ技術者です

「営業所技術者等」とは、建設業許可を受ける営業所に置くことが求められる技術者です。一般建設業では建設業法第7条第2号の「営業所技術者」、特定建設業では第15条第2号の「特定営業所技術者」が法定されています。

以前は「専任技術者」「営業所専任技術者」と呼ばれていたため、現在でも「専任技術者 実務経験」と検索されることがあります。

営業所技術者等は、単に資格証を持っていればよいものではありません。許可を受けようとする業種について技術的な要件を満たし、原則としてその営業所に常勤して業務に従事できることも確認されます。

営業所技術者等以外にも、建設業許可では常勤役員等、財産的基礎、営業所、社会保険、誠実性、欠格要件などを確認します。建設業許可の申請全体の流れは、宮城県の建設業許可申請方法もあわせてご覧ください。

実務経験で営業所技術者等になる代表的なルート

一般建設業では、10年実務経験だけでなく、指定学科卒業後の3年・5年など複数のルートがあります

一般建設業の営業所技術者になる代表的なルートは、大きく分けると次のとおりです。

ルート概要主な確認資料
国家資格等対象業種に対応する国家資格等を保有資格証明書等
指定学科+実務経験大学・高専等の指定学科卒業後3年以上、高校等の指定学科卒業後5年以上など卒業証明書+実務経験証明
実務経験10年以上許可を受けようとする建設工事について10年以上の実務経験実務経験証明書+工事・在籍資料
技術検定第1次検定合格+実務経験一定の第1次検定合格者について所定の実務経験合格証明+実務経験証明
資格取得後の追加経験資格・免許によって1年、3年、5年等の実務経験が必要となる場合資格証+実務経験証明

「10年働いていればどの業種でもよい」という制度ではありません。たとえば内装仕上工事業の許可を受けるために10年ルートを利用するなら、原則として内装仕上工事に関する実務経験を証明する必要があります。

実際の工事名称と建設業法上の29業種が一致しないこともあるため、経験年数を数える前に「その工事が何業種に該当するのか」を整理する必要があります。

「実務経験」に含まれる仕事・含まれない仕事

実際の施工だけでなく施工の指揮・監督等も含まれますが、単なる事務や現場雑務は含まれません

宮城県の建設業許可Q&Aでは、実務経験について、許可を受けようとする建設工事に関する「技術上の経験」と説明しています。代表的には、次のような経験が対象になります。

含まれる経験含まれない経験
建設工事の施工を指揮・監督した経験工事現場での単純な雑務
実際に建設工事の施工に携わった経験一般事務
建設工事の注文者側で設計に従事した経験経理のみ
現場監督技術者として従事した経験営業のみ・書類運搬や連絡調整だけの期間

重要なのは「建設会社に10年間在籍したか」ではなく、申請する業種の建設工事について技術上の経験を積んだ期間が必要年数あるかです。

宮城県では10年の経験を120か月で確認する

10年実務経験ルートは「10年度分」ではなく、原則120か月分の工期が確認できるかで考えます

ここは宮城県知事許可の実務で特に重要です。宮城県の令和8年3月改定「建設業許可の手引き」では、実務経験年数について、12か月×必要年数分の実績を確認するとされています。

必要年数必要月数
10年実務経験120か月
5年実務経験60か月
3年実務経験36か月
1年実務経験12か月

工期については、工期の始期・終期が属する月を含めてカウントする取扱いです。

「毎年1件の工事があれば10年」ではない

例えば、10年間に毎年1件ずつ工事をしていたとしても、その工期が各年1か月しかなければ、10件=10年とはなりません。宮城県では必要年数分の月数を確認するため、工事と工事の間に空白期間が多い場合、その空白は経験月数に含められない可能性があります。

実務では、まず工事資料を年月順に並べ、どの月が工期で埋まっているかを確認すると整理しやすくなります。

宮城県で必要となる実務経験の確認資料

「工事内容の資料」と「経験期間中の常勤・営業の資料」の両方が必要です

宮城県知事許可では、実務経験を使用する場合、主に次の2系統の確認資料を準備します。

確認する内容目的代表的な資料
実務経験の内容対象業種の建設工事を経験していたか確認工事経歴書、契約書、注文書、発注証明書、請求書・入金資料等
経験期間中の常勤・営業その時期に証明会社へ勤務・在籍していたか、個人事業を営んでいたか確認厚生年金記録、標準報酬決定通知、住民税特別徴収通知、確定申告書等

この2つは別の証明です。たとえば注文書だけで120か月分の工事が確認できても、その期間に本人がその会社へ在籍していたことが確認できなければ、実務経験全体の裏付けが不足します。

逆に、厚生年金記録で10年間在籍していたことが分かっても、対象業種の工事を経験していた資料がなければ足りません。

証明者が建設業許可業者の場合

許可を持っていた会社での経験は、原則として決算変更届の表紙と工事経歴書で工事内容を確認します

実務経験の証明者が、経験当時に対象業種の建設業許可を有していた場合、宮城県の手引きでは、実務経験の内容を確認する資料として、変更届出書(決算報告)の表紙、工事経歴書、電子申請で提出している場合は申請・届出送信記録票などの期間分の写しが示されています。

ここでいう変更届出書(決算報告)は、一般に「決算変更届」「事業年度終了届」と呼ばれている手続です。

過去の副本を捨てないことが重要

建設業許可を取得した後は、毎事業年度の決算変更届の副本や工事経歴書を保管しておくことが重要です。将来、営業所技術者等を変更する、業種追加をする、従業員の実務経験を証明するといった場面で、過去の工事経歴書が重要な証明資料になります。

許可取得後の書類管理は、将来の申請準備にも直結します。

証明者が建設業許可を持っていない場合

契約書・注文書等で対象工事と工期を確認できる資料を必要期間分そろえます

経験当時の事業者が建設業許可を持っていなかった場合、宮城県では実際の工事資料から経験内容を確認します。手引きに示されている代表例は次のとおりです。

  • 工事請負契約書
  • 注文書等
  • 発注証明書
  • 領収書
  • 請求書+入金確認資料

工事請書だけでは足りない

宮城県の令和8年3月改定手引きでは、工事請書のみの提出は不可とされています。また、契約書や注文書についても、注文者の押印がないものや担当者印だけのものは認められない取扱いが示されています。

古い工事資料を集めるときは、「書類があるか」だけでなく、発注者・工事名・工事内容・工事場所・工期・契約金額・契約当事者などが読み取れるか確認してください。

請求書だけで判断しない

請求書には工期が記載されていないことがあります。また、「工事一式」「施工代」などの記載しかない場合は、どの許可業種の工事だったか判断できない場合があります。

そのため、請求書を利用する場合でも、入金資料や見積書、発注証明書など、工事の実態を補強する資料を組み合わせることがあります。最終的にどの資料で認められるかは個別事情によるため、資料が不十分な場合は管轄土木事務所へ事前確認することをおすすめします。

経験期間中の常勤・営業実態を証明する資料

工事資料とは別に、その期間に本人が勤務・営業していたことを確認します

宮城県の手引きでは、実務経験証明期間の常勤または営業を確認する資料として、代表的に次のものが示されています。

法人等で勤務していた場合

  • 厚生年金等の加入期間を確認できる被保険者記録照会回答票等
  • 健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書
  • 住民税特別徴収税額通知
  • 法人税確定申告書の表紙+役員報酬手当等及び人件費の内訳書
  • 所属企業の雇用証明書
  • 一定の要件を満たすマイナ保険証の資格情報

個人事業主として営業していた場合

  • 所得税確定申告書の表紙等

なお、資料によっては「期間分」が必要です。10年以上前の資料を利用することもあるため、申請直前になってから探し始めると準備に時間がかかります。

実務経験証明書(様式第九号)の作り方

裏付け資料を先に整理してから、様式第九号へ経験工事を落とし込みます

営業所技術者等の実務経験を証明するときは、「実務経験証明書(様式第九号)」を作成します。宮城県の記載例では、実務経験証明書について、実務経験により営業所技術者等となる場合に必要な書類として示されています。

主な記載事項は、技術者の氏名、生年月日、使用者の商号・名称、職名、実務経験の内容、実務経験年数、証明者、証明者と被証明者の関係などです。

工事名は具体的にする

実務経験の内容欄は、「建設工事」「現場作業」だけではなく、何の工事だったか分かるように記載します。たとえば「○○マンション内装改修工事」「○○店舗給排水設備工事」「○○住宅屋根改修工事」など、対象業種との関係が判断できる表現にします。

経験年数を重複させない

同じ期間を二重にカウントして必要年数を満たすような計算はできません。また、複数業種について同じ人の経験を使う場合は、経験期間の重複や業種ごとの工事内容について慎重な確認が必要です。

実務経験証明書は誰が証明するのか

原則として、経験期間中に在職していた法人の代表者または個人事業主が証明します

宮城県Q&Aでは、実務経験を証明しようとする期間について、被証明者が在職していた法人の代表者または個人事業主が証明するとされています。したがって、過去の勤務先で10年間働いていた場合、原則としてその勤務先側の証明が必要です。

勤務先が倒産・廃業している場合

以前の会社が倒産しているなど、正当な理由で通常の証明を受けられない場合、宮城県Q&Aでは、理由を記載したうえで、当時の取締役等、その事実を証明できる他の者から証明を受ける取扱いが示されています。

事前相談をおすすめするケース

会社が廃業している、代表者と連絡が取れない、証明を拒否されている、当時の役員も不明、書類がほとんど残っていないなどのケースは、同じ「過去勤務先の経験」でも対応が変わります。申請書を作成する前に、管轄土木事務所へ事情と手元資料を示して相談することをおすすめします。

複数業種の実務経験を証明する場合

1人で複数業種を担当できる場合はありますが、経験期間と工事内容の整理が複雑になります

営業所技術者等は、資格要件を満たせば同一営業所内で複数業種を担当できる場合があります。しかし、実務経験だけで複数業種を証明するときは注意が必要です。

例えば、内装仕上工事業で10年、大工工事業でも10年を、同じ期間・同じ工事資料だけで当然に20年相当として扱えるわけではありません。各工事がどの業種に該当するのか、経験期間をどのように整理するのかを確認する必要があります。

宮城県の手引きにも「複数業種にわたる実務経験」に関する注意が設けられています。複数業種の業種追加を予定している場合は、最初に工事台帳を作成し、年月/工事名/工事内容/該当業種/契約資料/工期を一覧にしてから検討すると整理しやすくなります。

電気工事・解体工事などで特に注意するケース

建設業法上の実務経験だけでなく、他法令の資格・登録が関係する業種があります

実務経験が長ければ、すべての業種で無条件に10年経験として認められるわけではありません。

電気工事

宮城県の手引きでは、電気工事業について、他法令により無資格者の施工が認められていない場合は、資格のない者の実務経験を認められないことが示されています。さらに、電気工事業の営業については、電気工事業法に基づく登録を受けて営業していた期間、または登録営業所に従事していた期間のみ経験年数として認める取扱いが示されています。

解体工事

建設リサイクル法施行後の解体工事の経験については、土木工事業・建築工事業・解体工事業の許可、または建設リサイクル法に基づく解体工事業登録で請け負った工事であることが関係します。

電気工事や解体工事の経験を使用するときは、工事資料だけでなく、当時の資格・登録状況まで確認してください。

証明資料が足りない場合の対応

資料が不足しているからといって直ちに不可能とは限りませんが、推測で申請書を作らないことが重要です

実務経験による申請では、古い資料が残っていないケースがあります。よくあるのは次のようなケースです。

  • 10年前の注文書を廃棄してしまった
  • 請求書はあるが工期が分からない
  • 元請名や工事内容が不明確
  • 過去勤務先の決算変更届副本がない
  • 厚生年金記録に空白がある
  • 個人事業時代の確定申告書が一部残っていない
  • 勤務先が倒産して証明者がいない

この場合、別の資料を組み合わせて確認できる可能性があります。ただし、宮城県の手引きでも、必要に応じて掲載資料以外の確認資料を求める場合があるとされています。反対に、「この請求書さえあれば必ず認められる」と断定することもできません。

先に行政庁へ確認した方がよいケース

次のケースでは、管轄土木事務所へ事前確認することをおすすめします。

  • 工事業種の判定が難しい
  • 工事契約書が残っていない
  • 請求書・入金記録しかない
  • 工期が資料から読み取れない
  • 他社勤務時代の経験を使う
  • 勤務先が廃業している
  • 複数会社の経験を合算する
  • 複数業種を同時に証明する
  • 電気・解体など他法令の規制がある業種
  • 過去の申請で使用した実務経験を再度利用する

宮城県知事許可で実務経験を証明する準備手順

「業種判定→必要年数→工事資料→在籍資料→証明者→様式作成」の順で進めると効率的です

実務経験で営業所技術者等を証明する場合、次の順番で準備することをおすすめします。

① 申請したい建設業の業種を決める ② 候補者がどの技術者ルートを使えるか確認する ③ 必要な実務経験年数を確定する ④ 対象業種の工事資料を年月順に集める ⑤ 必要月数(10年なら120か月)が埋まるか確認する ⑥ 同期間の勤務・営業を証明する資料を集める ⑦ 証明者を確認する ⑧ 実務経験証明書(様式第九号)を作成する ⑨ 不足資料・業種判定を管轄土木事務所へ事前確認する ⑩ 他の許可要件とあわせて申請書一式を作成する 💡 ポイント 様式第九号を最初に書き始めないこと。 先に裏付け資料を確認し、証明できる期間だけを反映する。

実務上は、様式第九号を最初に書き始めないことがポイントです。先に裏付け資料を確認し、その資料で証明できる期間だけを実務経験証明書へ反映する方が、申請後の補正を減らしやすくなります。

現在の常勤性も別途確認される

過去の実務経験を証明できても、現在その営業所で常勤できなければ営業所技術者等の要件は満たせません

営業所技術者等は、過去の技術経験だけでなく、現在の営業所への配置についても確認されます。

宮城県の手引きでは、現在の常勤性を証明する資料として、法人の場合は原則として、健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書、資格取得確認・報酬決定通知書、住民税特別徴収義務者指定及び税額通知、確定申告書関係資料などを確認する取扱いが示されています。

また、現住所から営業所までの通勤時間が標準的な通勤経路で概ね2時間を超える場合には、通勤定期券、通勤経路図、高速料金領収書、ETC利用明細等の追加資料を求める取扱いがあります。

過去10年間の実務経験があること現在その会社・営業所で営業所技術者等として勤務できることは別々に確認されます。

過去に宮城県で実務経験を証明済みの場合

一定の場合、過去の受付済み副本を利用して確認資料を省略できる特例があります

宮城県知事許可では、過去に営業所技術者等として証明された人を再度証明する場合、一定の条件を満たせば実務経験内容・在籍期間の確認資料を省略できる場合があります。

主なポイントは次のとおりです。

  • 今回提出する実務経験証明書と過去の証明内容が同一であること
  • 過去の実務経験証明書(様式第九号)の副本があること
  • そのときの建設業許可申請書または変更届出書の副本があること
  • 土木事務所の受付印を確認できること

ただし、資料の提出を省略できるだけで、審査そのものが省略されるわけではありません。また、宮城県知事許可以外で営業所技術者等として証明された場合には、この宮城県の省略取扱いを利用できないとされています。

この点からも、許可取得後の副本管理は重要です。

よしだ行政書士事務所が営業所技術者等の実務経験証明を支援します

  • 必要な建設業許可業種の整理・営業所技術者等の候補者確認
  • 資格ルート・学歴ルート・実務経験ルートの比較検討
  • 過去の工事資料の確認・120か月等の経験月数の整理
  • 契約書・注文書・請求書・入金資料の確認
  • 過去勤務先での在籍資料の確認・実務経験証明書の作成
  • 管轄土木事務所への事前確認
  • 新規申請・業種追加・営業所技術者等の変更届
  • 許可後の決算変更届・更新・期限管理

宮城県名取市を拠点に、宮城県全域を中心に東北6県からのご相談に対応しています。オンライン相談、訪問相談、土日祝日の予約相談も可能です。

まとめ

営業所技術者等を実務経験で証明する場合、最も重要なのは「10年働いた」という経歴だけではなく、許可を受けたい業種の建設工事について必要年数の経験があり、その経験を客観的資料で確認できることです。

宮城県知事許可では、特に次の点を確認してください。

  • 実務経験は申請業種に関する技術上の経験である
  • 10年ルートでは原則120か月分の工期を確認する
  • 許可業者での経験は決算変更届・工事経歴書等を使用する
  • 無許可業者での経験は契約書・注文書・発注証明書・請求書+入金資料等を検討する
  • 工事請書だけでは認められない
  • 工事資料とは別に経験期間中の常勤・営業実態を証明する
  • 過去勤務先での経験は原則として当時の法人代表者等による証明が必要
  • 電気工事・解体工事等は他法令上の資格・登録にも注意する
  • 現在の営業所での常勤性も別途確認される
  • 資料が不足する場合は申請前に管轄土木事務所へ確認する

実務経験による営業所技術者等の証明は、建設業許可申請の中でも資料準備に時間がかかりやすい部分です。大型工事の受注予定や業種追加の予定が具体化してから10年分の資料を探し始めるのではなく、早めに「誰を営業所技術者等にするか」「何の資料で何か月分を証明できるか」を確認しておくことをおすすめします。

宮城県・仙台市で、営業所技術者等の実務経験証明、新規許可、業種追加、変更届についてお困りの場合は、当事務所へご相談ください。建設業許可の全体像については宮城県の建設業許可完全ガイドもあわせてご覧ください。

よくある質問

資格がなくても営業所技術者等になれますか?
一般建設業では、対象業種について10年以上の実務経験を有するなど、法定の実務経験ルートを満たせば営業所技術者になることができる場合があります。ただし、電気工事等のように他法令上の資格・登録が関係する業種もあるため、個別確認が必要です。
10年経験なら、10年前と現在の工事資料だけでよいですか?
原則として足りません。宮城県では10年なら120か月分の実績を確認するため、必要月数を満たす工期の資料を準備する必要があります。
請求書だけで実務経験を証明できますか?
請求書と入金確認資料を使用できる場合はありますが、請求書の記載内容だけで工事業種や工期を判断できない場合があります。手元資料を確認したうえで、必要に応じて発注証明書などを組み合わせます。
工事請書だけでも大丈夫ですか?
宮城県の令和8年3月改定手引きでは、証明者が建設業許可を有していない場合の工事内容確認資料について、工事請書のみの提出は不可と明記されています。
前の会社での経験を使えますか?
使える可能性があります。原則として、当時在職していた法人の代表者等から実務経験の証明を受け、工事内容と在籍期間の確認資料をそろえます。
前の会社が倒産している場合はどうなりますか?
正当な理由で法人代表者による証明ができない場合、宮城県Q&Aでは、その理由を記載し、当時の取締役等、事実を証明できる他の者から証明を受ける取扱いが示されています。具体的な証明方法は事前相談をおすすめします。
個人事業主時代の経験も使えますか?
対象業種の建設工事を実際に営んでいたことを確認できる場合は、実務経験として使用できる可能性があります。工事資料に加え、確定申告書等で営業期間を確認します。
仙台市の事業者はどこへ相談しますか?
宮城県知事許可の場合、主たる営業所が仙台市にある事業者の申請・相談窓口は仙台土木事務所です。なお、仙台市が建設業許可を行うわけではありません。仙台市内の事業者であっても、宮城県知事許可は宮城県の手続です。

注釈・凡例

営業所技術者等
建設業法第7条第2号に規定する営業所技術者および第15条第2号に規定する特定営業所技術者の総称。以前は「専任技術者」「営業所専任技術者」と呼ばれていました。
実務経験証明書(様式第九号)
建設業許可申請の際に、実務経験による営業所技術者等の要件を証明するために提出する書類です。
決算変更届(変更届出書・決算報告)
建設業許可業者が毎事業年度終了後に提出する届出。「事業年度終了届」とも呼ばれます。
120か月
宮城県知事許可において、10年の実務経験を「12か月×10年=120か月分」の工期で確認する取扱いです。

参考資料

  1. 建設業法(昭和24年法律第100号)第7条第2号、第15条第2号ほか|https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100
  2. 建設業法施行規則(昭和24年建設省令第14号)第1条、第3条、第7条の3ほか|https://laws.e-gov.go.jp/law/324M50004000014
  3. 宮城県「建設業許可の手引き」令和8年3月31日改定|https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/jigyokanri/newkensetsugyoukyoka2602.html
  4. 宮城県「建設業許可Q&A」|https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/jigyokanri/newkyokaqa.html
  5. 宮城県「建設業許可申請書等ダウンロード」|https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/jigyokanri/kyokashinseisho20201001.html

本記事は2026年8月20日時点の情報に基づいて作成しています。建設業法、建設業法施行規則、宮城県の手引き・Q&A等は改正・改定されることがあります。実際の申請にあたっては、最新の法令・手引き・管轄土木事務所の運用を確認してください。本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の案件に対する法的助言ではありません。

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