建設業許可 取得要件

自宅でも建設業許可の営業所にできる?

料金の目安【知事許可・新規申請】

報酬 120,000円(税別) 法定手数料 90,000円 計 210,000円

自宅でも建設業許可の営業所にできる?宮城県の営業所要件について詳しく解説

「自宅を事務所にして建設業を始めたいが、建設業許可は取れるのか」

「賃貸マンションの一室でも営業所として認められるのか」

「自宅兼事務所の場合、生活スペースと完全に別の部屋が必要なのか」

建設業許可の新規申請を検討している個人事業主や小規模法人から、よく出る疑問です。

結論からいうと、自宅だからという理由だけで建設業許可の営業所にできないわけではありません。

建設業法上、重要なのは建物が「住宅」か「事務所」かという名称ではなく、その場所で建設工事の請負契約に関する営業を実際に行う体制が整っているかです。

宮城県の建設業許可Q&Aでは、営業所について、請負契約の見積り・入札・契約締結等の実体的な業務を行っていること、電話・机・各種事務台帳等を備え、居住部分等と明確に区別された事務室等があることなどを要件として示しています。

また、宮城県知事許可の申請では、営業所の外観、入口付近、内部前景などの写真を提出し、営業所の実態を確認します。

自宅兼事務所で申請する場合は、単に「住所を自宅にする」だけでは足りません。申請前に、営業所としての実体・人的配置・使用権原・写真で確認できる状態を一つずつ整えることが重要です。

当事務所では、宮城県全域の建設業許可申請について、営業所の状況も含めて申請前の確認を行っています。

この記事では、自宅や賃貸住宅を建設業許可の営業所にする場合の考え方を、全国共通の制度と宮城県知事許可の申請実務を分けて詳しく解説します。宮城県の建設業許可制度の全体像については「宮城県の建設業許可完全ガイド」もあわせてご覧ください。

結論:自宅でも、建設業法上の営業所としての実体があれば申請できる可能性があります

宮城県が示している営業所の基本要件は、次の4点です。

  1. 請負契約の見積り、入札、契約締結等の実体的な業務を行っていること
  2. 電話、机、各種事務台帳等を備え、居住部分等とは明確に区別された事務室等が設けられていること
  3. 常勤役員等または建設業法施行令第3条に規定する使用人が常勤していること
  4. 営業所技術者等が常勤していること

戸建住宅、賃貸住宅、マンションなどでも、この要件を満たし、実際の営業所として使用できる状態であれば、建設業許可上の営業所として認められる可能性があります。

反対に、登記上の本店だけを自宅に置いている場合、郵便物を受け取るだけの場所、資材置場、工事現場の仮設事務所などは、建設業法上の営業所とはいえません。

対象読者

この記事は、主に次のような宮城県・仙台市の建設事業者を対象としています。

自宅で建設業を始める個人事業主
法人の本店を代表者の自宅に置いている事業者
賃貸住宅や賃貸マンションを営業所にしたい事業者
自宅兼事務所で建設業許可の新規申請を予定している事業者
既存の営業所を自宅へ移転したい建設業者
事務所を借りる前に営業所要件を確認したい事業者
宮城県知事許可の営業所写真をどのように準備すればよいか分からない事業者

建設業許可における「営業所」とは

建設業法上の営業所は、単なる住所や連絡先ではありません

国土交通省の建設業許可事務ガイドラインでは、「営業所」とは、本店または支店、もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所とされています。

ここでいう「請負契約を締結する」とは、契約書にハンコを押す行為だけではありません。例えば、工事の見積りを行う、入札に参加する、請負条件を協議する、工事の請負契約を締結するといった、請負契約の締結に関する実体的な行為を行う場所が営業所になります。

また、本店や支店で直接契約を締結していない場合でも、他の営業所に対して請負契約に関する指導・監督を行うなど、建設業の営業に実質的に関与していれば、営業所に該当する場合があります。

一方、登記上の本店であるだけの場所、郵便物を受け取るだけの連絡先、工事現場の現場事務所、資材置場、建設業とは無関係の店舗などは、通常、建設業法上の営業所には該当しません。

「工事をする場所」と「営業所」は別です

建設業許可でいう営業所は、工事を施工する現場ではありません。たとえば、仙台市に営業所を置く事業者が名取市、岩沼市、大崎市、石巻市などで工事を施工しても、それだけで各工事場所に営業所を置いていることにはなりません。

知事許可と大臣許可の区分も、工事現場の場所ではなく営業所の設置状況によって判断します。宮城県内だけに営業所を置く場合は、営業所が複数あっても原則として宮城県知事許可です。宮城県外にも建設業法上の営業所を置く場合は、国土交通大臣許可の検討が必要になります。

自宅でも建設業許可の営業所にできる

住宅であること自体は、営業所として認められない理由にはなりません

建設業許可制度では、「事務所専用のテナントでなければならない」という要件はありません。そのため、次のような場所でも、営業所としての実体を備えていれば申請できる可能性があります。

物件の例営業所にできる可能性主な確認ポイント
自己所有の戸建住宅あり居住部分との区分、事務設備、営業実態、写真
親族所有の住宅あり得る実際の使用状況、使用権原、居住部分との区分
賃貸戸建住宅あり得る建設業法上の要件に加え、賃貸借契約上の事業利用可否
賃貸マンション・アパートあり得る居住部分との区分、管理規約、賃貸借契約、来客・看板等の制限
バーチャルオフィス一般に難しい専用の事務室・営業実態・常勤体制を確認できるか
資材置場のみ原則不可請負契約に関する営業を行う事務所ではない
工事現場の仮設事務所原則不可一時的な工事拠点であり通常の営業所とは異なる

重要なのは、物件の名称ではなく実態です。「自宅だから大丈夫」「賃貸だから不可」と一律に判断するのではなく、その場所が営業所の4要件を満たしているかを確認します。

宮城県が示す営業所の4つの要件

自宅を営業所にする場合も、宮城県が示す4要件をすべて確認します

宮城県の建設業許可Q&Aでは、建設業法上の営業所として少なくとも次の要件が必要とされています。

請負契約に関する実体的な業務を行うこと

営業所では、見積り、入札、契約締結等の業務を実際に行う必要があります。たとえば、代表者の自宅住所を申請書に記載していても、見積書の作成や契約の協議などは別の事務所で行い、自宅では何も業務をしていない場合、営業所としての実態に疑義が生じます。

自宅兼事務所で申請するのであれば、その場所が日常的な営業拠点になっていることが前提です。

電話・机・各種事務台帳等があり、居住部分と明確に区別されていること

自宅営業所で最も確認しておきたいポイントです。宮城県は、営業所について、電話、机、各種事務台帳等を備え、居住部分等とは明確に区別された事務室等が設けられていることを求めています。

したがって、リビングの食卓を必要なときだけ事務机として使うような状態よりも、日常的に建設業の事務を行うスペースが明確になっている方が、営業所としての実態を説明しやすくなります。

常勤役員等または令第3条の使用人が常勤していること

主たる営業所では、建設業の経営体制に関する要件を満たす常勤役員等が常勤する体制が必要です。従たる営業所の場合は、請負契約の見積り、入札、契約締結等について権限を与えられた「建設業法施行令第3条に規定する使用人」を置くケースがあります。

単に住宅として存在するだけではなく、営業所を運営する人的体制が必要です。

営業所技術者等が常勤していること

建設業許可では、営業所ごとに、許可を受ける建設業について一定の資格や実務経験を持つ「営業所技術者等」を置かなければなりません。自宅を営業所にする場合でも、この要件は変わりません。

営業所技術者等を実務経験で証明する場合は、経験年数だけではなく工事内容や在籍期間を確認する資料が必要になります。詳しくは「営業所技術者等を実務経験で証明する方法」で解説しています。

営業所の4要件チェックフロー 要件1 請負契約の見積り・入札・契約締結等の実体的な業務を行うこと → 自宅で日常的に建設業の営業を行う拠点であること 要件2 電話・机・事務台帳等を備え、居住部分と明確に区別された事務室等 → 生活空間と事務スペースの区分を写真で説明できること 要件3 常勤役員等または令第3条の使用人が常勤していること → 主たる営業所:常勤役員等 / 従たる営業所:令3条使用人 要件4 営業所技術者等が常勤していること → 許可業種ごとに資格・実務経験を満たす技術者を配置 4要件すべてを満たせば営業所として申請可能

自宅兼事務所では「居住部分との区別」がポイント

生活空間と営業所として使用する空間を、写真でも説明できる状態にしておくことが重要です

宮城県は「居住部分等とは明確に区別された事務室等」を営業所要件の一つとして示しています。ここで大切なのは、単に「自宅の一部で仕事をしています」と説明することではありません。

申請時の写真を見た審査担当者が、どこが事務スペースなのか、机や電話等があるか、建設業の事務を継続的に行える状態か、私生活だけの空間ではないかを確認できるようにしておく必要があります。

独立した一室が絶対条件とは限らない

宮城県の公表資料では「必ず壁と扉で完全に独立した一室でなければならない」とまでは記載されていません。一方で、「居住部分等とは明確に区別された事務室等」が必要とされています。

したがって、LDKの一角にノートパソコンを置くだけのような状態ではなく、少なくとも事務所として使用する範囲や設備が外形上分かる状態にしておくことが重要です。

間取りによって判断が変わる可能性があります

間取りや同居家族の生活状況によって判断が変わる可能性があるため、区分が分かりにくい場合は、申請前に管轄土木事務所へ確認することをおすすめします。

戸建て住宅を営業所にする場合

自己所有の戸建住宅は比較的説明しやすいですが、営業所の実体確認は必要です

自己所有の戸建住宅を営業所にする場合でも、次の点を確認します。

  • 建設業の事務を行うスペースがあるか
  • 居住部分と営業所部分を区別できるか
  • 机、電話、事務書類等があるか
  • 営業所として継続的に使用しているか
  • 常勤役員等・営業所技術者等が常勤できるか
  • 外観、入口、内部を写真で確認できるか

たとえば、1階の一室を事務室とし、机、パソコン、電話、書類棚等を設置しているケースは、営業所部分を説明しやすいでしょう。

ただし、物件の状況だけで営業所要件を満たすわけではありません。常勤役員等や営業所技術者等など、他の許可要件も併せて満たす必要があります。

賃貸住宅・賃貸マンションを営業所にする場合

建設業許可上の営業所要件に加えて、賃貸借契約・管理規約上の事業利用可否を確認してください

「賃貸住宅だから建設業許可は取れない」というルールはありません。しかし、賃貸住宅では自己所有物件と違い、その物件を事業用に使用できるかという別の問題があります。

申請前に、少なくとも次を確認してください。

  • 賃貸借契約で事務所利用が禁止されていないか
  • 「居住用に限る」など用途制限がないか
  • 管理規約で事業利用や看板掲示が制限されていないか
  • 法人名義での利用や法人登記に制限がないか
  • 来客や従業員の出入りに問題がないか
  • 貸主・管理会社への届出や承諾が必要か

建設業許可の要件と、賃貸借契約上の利用ルールは別問題です

建設業許可行政庁が営業所として認めるかどうかと、貸主との契約上その物件を事務所として使用してよいかどうかは、同じ問題ではありません。仮に営業所としての設備を整えられたとしても、賃貸借契約で事業利用が禁止されている場合は、契約上の問題が生じる可能性があります。

賃貸マンションは特にご注意ください

賃貸マンションでは、管理規約や建物全体の使用ルールも確認してください。看板・表札の掲示制限、来客の出入りに関する制限など、建設業許可とは別の問題で営業所利用に支障が出る場合があります。

貸主の「使用承諾書」は必ず提出するのか

宮城県の現行手引きでは、営業所所在地の標準的な確認資料として、建物登記事項証明書や賃貸借契約書を一律に提出する取扱いではありません。

宮城県は令和2年3月の手引き改正で、建物登記事項証明書・賃貸借契約書等の提出を不要とし、写真台紙に「自己所有」「賃貸借」の別を記載する方法へ変更しました。

ただし、宮城県の現行手引きP33には、営業所所在地に疑義がある場合は必要に応じて追加資料を確認する旨が記載されています。したがって、「賃貸だから契約書は絶対不要」と断定するのも、「使用承諾書が必須」と一律に説明するのも適切ではありません。

物件の使用状況や契約内容に不明点がある場合は、管轄土木事務所へ事前相談するのが安全です。

法人の登記上本店と実際の営業所が違う場合

建設業許可では、登記上の所在地より「実際に建設業の営業を行う場所」が重要です

会社設立時に代表者の自宅を本店登記したものの、実際には別の事務所で建設業の営業を行っているケースがあります。

宮城県のQ&Aでは、登記上の所在地と実際に営業を行っている営業所の所在地が異なる場合、実際に営業を行っている営業所が建設業法上の営業所に該当すると案内しています。申請書では、登記上所在地と事実上所在地を二段書きにする取扱いも示されています。

したがって、「登記上の本店が自宅だから、自宅を建設業許可の営業所にしなければならない」というわけではありません。反対に、実際の営業所は自宅なのに、登記だけ別住所にある場合も、実態に合わせて申請内容を整理する必要があります。

宮城県で提出する営業所写真

宮城県知事許可では、営業所の実態を写真で確認できるように準備します

宮城県の令和8年3月31日改定「建設業許可の手引き」P33では、営業所所在地の確認資料として、営業所の写真を求めています。撮影するのは、原則として次の4種類です。

  1. 外観全景 — 建物の外観が分かるように撮影します。看板等を確認できる写真を想定しており、入居者案内板等がある建物では、その写真も添付します。自宅兼事務所の場合は一般住宅の外観になることもありますが、申請する住所の建物であることが分かるように撮影します。
  2. 入口付近 — 表札等を確認できる状態で撮影します。法人名や屋号を表示している場合は、それが分かる写真にします。ただし、賃貸マンション等では看板・表札の掲示自体が管理規約で制限される場合があります。
  3. 内部前景 — 電話や机等の什器備品が確認できるように撮影します。自宅兼事務所の場合は特に重要で、事務机、電話、パソコン、書類棚、建設業の事務を行うための設備などが確認できる状態にしておきます。
  4. 建設業の許可票 — 既に許可を受けている営業所について、標識の記載内容が判読できる写真を提出します。新規許可申請では不要です。

写真台紙には使用権原も記載する

宮城県では、営業所写真の写真台紙に、営業所名、使用権原(自己所有・賃貸借の別)、撮影年月日等を記載します。事業管理課の写真台紙を使用しない場合も、これらの事項が分かるように記載します。

宮城県では賃貸借契約書の提出が原則必要なのか

現在の宮城県知事許可では、賃貸借契約書を営業所確認資料として一律に提出する取扱いではありません

この点は、古い建設業許可情報と現在の取扱いを混同しないよう注意が必要です。

宮城県の手引きの改訂履歴では、令和2年3月改正版から、建物の登記事項証明書、賃貸借契約書等について、営業所確認のための標準提出を不要としています。その代わり、営業所写真の写真台紙に「自己所有」「賃貸借」の別を記載します。

現在の令和8年3月31日改定版でも、営業所所在地の確認資料として写真を求める取扱いが続いています。ただし、営業所所在地に疑義がある場合は追加資料を求められる可能性があります。

「提出不要=確認不要」ではありません

賃貸借契約書を宮城県へ提出しないからといって、賃貸借契約の内容を確認しなくてよいわけではありません。賃貸物件の場合は、許可申請前に事業利用の可否を必ず確認しておくことをおすすめします。

自宅を営業所にする前のチェックリスト

物件を整える前に、次の項目を順番に確認すると手戻りを減らせます

  • この場所で見積り・入札・契約締結等の建設業の営業を実際に行う
  • 事務机を常設できる
  • 電話その他の連絡手段を確保できる
  • 建設業の事務書類・台帳等を保管できる
  • 居住部分と事務部分を明確に区別できる
  • 営業所内部を写真で説明できる
  • 建物外観と入口付近を撮影できる
  • 自己所有か賃貸借かを説明できる
  • 賃貸の場合、契約・管理規約上の事業利用に問題がない
  • 主たる営業所に常勤役員等が常勤できる
  • 営業所技術者等が常勤できる
  • 法人の場合、登記上所在地と実際の営業所所在地の関係を整理している
  • 他社・他事業と同じ場所を使う場合、営業所としての区分を説明できる
  • 不明点がある場合、管轄土木事務所へ事前確認している

賃貸物件は契約前に確認してください

賃貸物件を新しく契約する場合は、契約してから営業所として使えないことが判明する事態を避けるため、契約前に確認するのがおすすめです。

申請前に確認しておきたい人的要件

営業所だけ整えても、建設業許可は取得できません

自宅を営業所にする相談では、物件の話に意識が集中しがちですが、建設業許可には他の要件もあります。代表的には、適切な経営能力を有すること、営業所技術者等を配置すること、請負契約に関して誠実性を有すること、財産的基礎または金銭的信用を有すること、欠格要件に該当しないこと、適用事業所について適切な社会保険加入状況であることなどを確認します。

自宅営業所を整えた後で、「営業所技術者等の実務経験を証明できない」「常勤性を確認できない」と判明すると、申請準備をやり直すことがあります。そのため、営業所・人的要件・財産的基礎などを同時並行で確認することが大切です。

建設業許可申請全体の流れは「宮城県の建設業許可申請方法」、財産的基礎については「建設業許可の財産的基礎とは?」も参考にしてください。

営業所を移転・新設した場合の変更届

許可取得後に自宅へ営業所を移す場合も、営業所要件を確認した上で変更届を行います

既に建設業許可を受けている事業者が、事務所を代表者の自宅へ移転する場合、単なる住所変更ではありません。新しい場所が建設業法上の営業所としての要件を満たしているかを確認し、宮城県知事許可では営業所所在地の確認資料を準備します。

営業所の所在地変更は、原則として変更後30日以内の届出対象です。

また、従たる営業所を新設する場合は、営業所の住所だけでなく、建設業法施行令第3条に規定する使用人、営業所技術者等、営業する許可業種、営業所の実体を併せて確認します。営業所技術者等の変更・追加など、別の変更届が必要になる場合もあります。

詳しくは「建設業許可の変更届一覧」で解説しています。

よしだ行政書士事務所が自宅兼事務所の建設業許可申請を支援します

  • 自宅が営業所要件を満たすかの事前確認
  • 営業所写真・確認資料の準備サポート
  • 常勤役員等・営業所技術者等の人的要件の整理
  • 建設業許可の新規申請・更新・業種追加・変更届
  • 許可取得後の届出管理・継続サポート

宮城県名取市を拠点に、宮城県全域を中心に東北6県からのご相談に対応しています。オンライン相談、訪問相談、土日祝日の予約相談も可能です。

まとめ

自宅を営業所にできるかは「住宅かどうか」ではなく「建設業の営業所としての実体があるか」で判断します

自宅でも、建設業法上の営業所として必要な実体を備えていれば、建設業許可の営業所として申請できる可能性があります。

宮城県が示している主なポイントは、見積り・入札・契約締結等の実体的な業務を行うこと、電話・机・各種事務台帳等を備えること、居住部分等と明確に区別された事務室等を設けること、常勤役員等または令第3条の使用人が常勤すること、営業所技術者等が常勤すること、外観・入口・内部等の写真で営業所の実態を確認できることです。

賃貸住宅の場合は、これに加えて賃貸借契約や管理規約上、事業利用に支障がないかも確認してください。

特に、自宅兼事務所、賃貸マンション、親族所有物件、他社と同じ所在地を使用する場合などは、個別事情によって確認資料や説明方法が変わる可能性があります。

営業所を借りたり設備を整えたりした後で申請できないことが判明すると、時間と費用のロスにつながります。宮城県で建設業許可の新規申請、更新、業種追加、営業所変更などを検討している場合は、申請前の段階で営業所要件と他の許可要件を一緒に確認することをおすすめします。

当事務所では、宮城県・仙台市の建設事業者から、自宅兼事務所や賃貸物件を含む建設業許可の相談に対応しています。

よくある質問

自宅のリビングを事務所にしても大丈夫ですか?
一律に不可とはいえませんが、宮城県は「居住部分等とは明確に区別された事務室等」を求めています。リビングの一角を使う場合でも、事務スペースの範囲、机、電話、事務設備等が明確で、継続的に営業を行う場所であることを説明できるかがポイントです。区分が不明確な場合は、写真を撮る前に管轄土木事務所へ確認することをおすすめします。
自宅に固定電話がないと申請できませんか?
宮城県のQ&Aでは営業所の要件として「電話、机、各種事務台帳等」を挙げています。実際にどの通信設備で営業所の連絡体制を確認するかは、申請時点の運用や個別状況によります。携帯電話のみで足りると自己判断せず、管轄土木事務所へ事前確認してください。
賃貸マンションでも申請できますか?
可能性はあります。ただし、建設業法上の営業所要件だけでなく、賃貸借契約や管理規約で事業利用が認められているかを確認してください。また、居住部分との区分や営業所写真で営業実態を確認できる状態にする必要があります。
賃貸借契約書は必ず宮城県へ提出しますか?
宮城県の現行手引きでは、営業所所在地確認の標準資料として賃貸借契約書を一律提出する取扱いではありません。営業所写真により確認し、写真台紙には自己所有・賃貸借の別を記載します。ただし、所在地や使用実態に疑義がある場合は、追加資料を確認されることがあります。
法人登記の本店が自宅なら、自宅を営業所にしなければいけませんか?
いいえ。建設業許可では、登記上の所在地ではなく、実際に建設業の営業を行う場所が営業所に該当します。宮城県は、登記上所在地と事実上所在地が異なる場合、申請書に両方を二段書きする取扱いを示しています。
自宅とは別に資材置場があります。資材置場も営業所になりますか?
資材を置いているだけで、見積り、入札、契約締結等の営業を行わない場所は、通常、建設業法上の営業所には該当しません。
自宅を営業所にした後、別の事務所へ移転したらどうなりますか?
営業所所在地の変更届が必要です。宮城県知事許可では、新しい所在地の営業所確認資料も必要になります。営業所技術者等や令第3条の使用人の配置に変更がある場合は、それらの届出も併せて確認します。

参考資料

  1. 建設業法(昭和24年法律第100号)第3条、第7条、第15条ほか — https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100
  2. 建設業許可事務ガイドライン(国土交通省・令和7年2月1日から適用)第3条関係「2.営業所の範囲」ほか — https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001860020.pdf
  3. 建設業許可の手引き(宮城県土木部・令和8年3月31日改定)P33、P111~115ほか — https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/jigyokanri/newkensetsugyoukyoka2602.html
  4. 建設業許可Q&A(宮城県)Q1-7、Q1-11 — https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/jigyokanri/newkyokaqa.html
  5. 建設業許可の手引き 電子申請版(宮城県・令和8年3月改定) — https://www.pref.miyagi.jp/documents/11957/202603kyoka_denshi.pdf
  6. 建設業許可・経営事項審査(国土交通省東北地方整備局) — https://www.thr.mlit.go.jp/Bumon/B06111/kenseibup/kensetsu_kyoka/kensetsu_kyoka.html

この記事は2026年8月時点の法令・通達・宮城県の公表資料に基づいて作成しています。制度や手続の運用は改正・変更される場合があります。個別の申請については、管轄の許可行政庁または専門家へご確認ください。

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