建設業許可 取得要件

建設業許可の常勤性とは?他社役員・個人事業との兼務はできる?【宮城県】

料金の目安【知事許可・新規申請】

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建設業許可の常勤性とは?他社役員・個人事業との兼務はできる?【宮城県】

建設業許可の相談で判断に迷いやすいのが、「この人は常勤として扱えるのか」という問題です。

たとえば、次のようなケースです。

  • 代表取締役が別会社の役員もしている
  • 法人を設立したが、以前からの個人事業も残している
  • 営業所技術者等になる予定の人が別会社からも給与を受けている
  • 会社には毎日出勤せず、一部をテレワークにしている
  • 自宅から営業所まで片道2時間以上かかる
  • 社長1人で「常勤役員等」と「営業所技術者等」を兼ねたい

結論からいうと、「他社役員だから不可」「個人事業をしているから不可」と肩書きだけで一律に判断することはできません。一方で、建設業許可上の常勤性は、単に役員登記がある、社会保険に加入している、給与を受けている、という1点だけで決まるものでもありません。

常勤役員等については、原則として本社・本店等で、休日などを除き、一定の勤務計画のもとで毎日所定の時間中に職務へ従事していることが求められます。営業所技術者等についても、その営業所に常勤し、原則として専らその職務に従事できる体制が必要です。

宮城県知事許可では、こうした勤務実態を、健康保険・厚生年金の標準報酬決定通知書、資格取得確認・報酬決定通知書、住民税の特別徴収関係資料、確定申告書などで確認します。さらに、遠距離通勤や出向など、通常とは異なる勤務形態では追加資料が必要になることがあります。

当事務所では、宮城県内の建設事業者から、建設業許可の新規申請だけでなく、常勤役員等・営業所技術者等の変更や許可取得後の管理についても相談を受けています。この記事では、経営経験や資格の要件そのものではなく、「常勤性と兼務」に絞って整理します。

建設業許可全体の要件を先に確認したい方は、宮城県の建設業許可完全ガイドもご覧ください。

この記事の結論

建設業許可の常勤性は、形式だけではなく、実際の勤務場所・勤務時間・職務内容・他の仕事との関係を含めて判断されます。

特に押さえておきたい点は次のとおりです。

確認したいこと基本的な考え方
他社役員を兼務している肩書きだけで直ちに不可とはいえないが、他社で常勤しているなど、申請会社で日常的に職務へ従事できない実態があると常勤性の説明が難しい
個人事業も行っている個人事業の内容・稼働時間・事業所との関係を確認する必要があり、一律に可否を断定できない
別法人から給与・役員報酬があるそれだけで直ちに不可とは限らないが、どの法人を主たる勤務先としているか、実際の勤務状況を確認される可能性がある
常勤役員等と営業所技術者等を兼務したい必要な要件を双方とも満たせば、同一営業所内で兼ねることが認められている
複数営業所の営業所技術者等を1人で兼ねたい営業所ごとの専任が原則であり、単純に複数営業所を1人で担当する考え方にはならない
テレワークをしているテレワークというだけで常勤性が否定されるわけではない。ICTを活用し、営業所勤務と同等に職務を遂行でき、所定時間中に常時連絡できる環境などが前提
営業所まで遠距離宮城県では、標準的な通勤経路で概ね2時間を超える場合、通勤定期券、経路図、高速料金・ETC利用明細等の追加資料を求める取扱いがある

迷いやすいのは、「登記上は役員だから大丈夫」「社会保険に入っているから大丈夫」と判断してしまうことです。

常勤性を確認するときは、最初に勤務実態を整理し、その実態を何の資料で裏付けられるかをセットで考える必要があります。

対象読者

この記事は、特に次のような宮城県内の事業者を想定しています。

建設業許可の新規申請を予定している法人・個人事業主
法人成り後も個人事業を残す予定の方
複数法人を経営している代表者
他社役員を兼ねている方を常勤役員等にしたい会社
社長や役員を営業所技術者等にもしたい会社
常勤役員等や営業所技術者等の変更を予定している許可業者
テレワークや遠距離通勤をしている要件者がいる会社

建設業許可でいう「常勤性」とは

建設業許可上の常勤性は、原則として、勤務を要する日に所定の時間中、その営業所で継続して職務に従事できる状態をいいます。

国土交通省の建設業許可事務ガイドラインでは、常勤役員等の「役員のうち常勤であるもの」について、原則として本社・本店等において、休日その他勤務を要しない日を除き、一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事している者としています。現在は、一定の条件を満たすテレワークもこの考え方に含まれます。

ここで大切なのは、「毎日会社の机に座っていればよい」という意味ではないことです。

確認されるのは、たとえば次のような点です。

  • どこを主な勤務場所としているか
  • 所定の勤務時間はどうなっているか
  • 実際にどの会社の仕事へ継続して従事しているか
  • 別会社や個人事業に多くの時間を使っていないか
  • 営業所まで現実的に通勤できるか
  • 給与・役員報酬や社会保険の状況と勤務実態が矛盾していないか

したがって、「代表取締役として登記されている」という事実は重要ですが、それだけで常勤性を証明できるとは限りません。

建設業許可の5つの要件全体については、建設業許可取得の5つの要件で確認できます。

常勤性が問題になるのは主に「常勤役員等」と「営業所技術者等」

建設業許可の人的要件では、常勤役員等と営業所技術者等の双方で勤務実態の確認が重要になります。

常勤役員等

「常勤役員等」とは、法人であれば常勤の役員のうち、建設業に関する一定の経営経験などの要件を満たす者をいいます。個人事業であれば、原則として個人事業主本人または支配人が対象です。

経営経験が何年必要か、どの経験を使えるかについては別の論点です。詳しくは常勤役員等(経管)の要件をご覧ください。

この記事では、その候補者が「現在、申請会社に常勤しているといえるか」に焦点を当てます。

営業所技術者等

「営業所技術者等」とは、建設工事の請負契約を行う営業所に配置する、一定の資格や実務経験を持つ技術者です。一般建設業では「営業所技術者」、特定建設業では「特定営業所技術者」となります。

建設業法では営業所ごとに営業所技術者等を専任の者として置くことが求められています。そのため、単に資格を持っているだけでは足りず、その営業所に常勤し、その営業所の職務へ継続的に従事できることが必要です。

資格・実務経験・配置要件の詳細は、営業所技術者等(旧・専任技術者)の解説を参照してください。

他社役員との兼務はできる?

他社の役員であることだけを理由に、建設業許可上の常勤性が直ちに否定されるとは限りません。ただし、他社でも常勤として勤務している場合などは、申請会社での常勤性を説明することが難しくなります。

ここは「役員登記が2社にあるから即NG」「非常勤役員なら必ずOK」と単純に分けない方が安全です。

判断するときに確認したいポイント

たとえば、A社で建設業許可の常勤役員等になろうとする人がB社の役員もしている場合、次の点を整理します。

  1. B社では常勤役員か、非常勤役員か
  2. B社へ出勤している日・時間はどの程度か
  3. A社での勤務日・勤務時間はどうなっているか
  4. A社・B社のどちらから役員報酬を受けているか
  5. 社会保険上の所属はどうなっているか
  6. 実際の経営判断や日常業務をどちらの会社で行っているか
  7. A社の主たる営業所で継続して職務を遂行できるか

特に、B社でも「平日の日中は毎日勤務している」「常勤役員として社会保険・給与資料が整っている」という状況では、A社でも同時に常勤しているという説明と整合しない可能性があります。

逆に、別法人の非常勤役員として月に数回の会議へ参加する程度など、申請会社での常勤勤務を妨げない事情がある場合は、その具体的な勤務実態を整理して判断することになります。

役員の肩書きではなく、どの会社にどのように勤務しているかがポイントです。

別法人から報酬を受けている場合

別法人から役員報酬や給与を受けていることも、単独の事実だけで可否を断定するのではなく、その報酬の性質と勤務実態を確認します。

役員報酬があるからといって必ず「常勤」とは限りません。ただし、申請会社での標準報酬月額が極端に低い一方で、別法人から高額な給与を受けているなど、資料から主たる勤務先について疑問が生じる場合は、追加説明や資料が必要になる可能性があります。

宮城県の手引きでは、常勤性確認資料について標準報酬月額を確認することが明記されています。

このため、申請前に「社会保険に入っているから大丈夫」と考えるのではなく、給与・役員報酬・勤務時間・勤務場所まで矛盾がないか確認しておくことをおすすめします。

個人事業を続けながら法人の常勤役員等になれる?

個人事業をしているという事実だけで一律に判断することはできません。個人事業の内容、稼働時間、事業場所、申請会社での勤務実態を確認する必要があります。

建設事業者では、個人事業から法人化した後も、別分野の個人事業を残したいということがあります。また、法人の役員になりながら、不動産賃貸業や別の事業を個人名義で継続している場合もあります。

このとき重要なのは、個人事業の存在そのものではなく、その事業にどの程度の時間と労力を使っているかです。

判断が難しくなりやすい例

次のようなケースは、事前に宮城県の管轄土木事務所へ確認することをおすすめします。

  • 個人事業の店舗を毎日自分で運営している
  • 個人事業でも建設工事の営業・施工管理を日中継続して行っている
  • 法人と個人事業の事務所が離れている
  • 個人事業からの所得が中心で、法人からの報酬がごく少額
  • 法人の勤務実態を確認できる客観資料が少ない
  • 法人成り直後で社会保険・給与資料がまだ揃っていない

一方、個人事業が資産管理に近いもの、稼働が限定的なものなど、法人での常勤勤務と両立し得る場合もあります。法人成りにともなう許可の引き継ぎ自体については、個人事業主が法人化すると建設業許可はどうなる?もあわせてご確認ください。

したがって、記事だけで「この副業なら大丈夫」と決めるのではなく、個別の働き方を具体化して確認することが大切です。

常勤役員等と営業所技術者等は1人で兼務できる

常勤役員等が営業所技術者等の資格・実務経験要件も満たしている場合、同一営業所内で両者を兼ねることができます。

これは国土交通省の建設業許可事務ガイドラインに明記されています。小規模な建設会社では、代表取締役1人が、常勤役員等と営業所技術者等の両方を担当することは珍しくない組織形態です。

同一営業所内 常勤役員等 営業所技術者等 要件を満たせば1人が兼務できます 別々の営業所 A営業所:営業所技術者等 × B営業所:営業所技術者等 営業所ごとに専任が必要(原則不可)

ただし、「社長だから営業所技術者等にもなれる」という意味ではありません。常勤役員等として必要な経営経験と、営業所技術者等として必要な資格・実務経験は別の要件です。両方を満たしたうえで、同じ営業所に配置する必要があります。

また、営業所技術者等を実務経験で証明する場合は、過去の勤務・工事資料の確認が必要です。詳しくは営業所技術者等を実務経験で証明する方法をご覧ください。

複数営業所の営業所技術者等を1人で兼ねられる?

営業所技術者等は「営業所ごとに専任」が原則であるため、離れた複数の営業所について1人を単純に営業所技術者等として配置することはできません。

たとえば、仙台市の本店と大崎市の営業所の双方で建設工事の請負契約を行う場合、それぞれが建設業法上の営業所に該当し、それぞれで許可業種を営業するのであれば、営業所ごとの人的配置を検討する必要があります。

ここで混同しやすいのが、常勤役員等と営業所技術者等の兼務、営業所技術者等が複数業種を担当すること、1人の営業所技術者等を複数営業所へ配置することの3つです。

同一人物が複数の許可業種について必要な資格要件を満たしていれば、同一営業所内で複数業種の営業所技術者等を担当できる場合があります。一方、物理的に別の営業所へ同時に専任配置できるかという問題は別です。

営業所の新設や移転を予定している場合は、人的配置まで含めて営業所を新設・移転・廃止するときの手続きとあわせて先に確認しておく方が安全です。

テレワークでも常勤と認められる?

テレワークをしているという理由だけで、常勤性・専任性が否定されるわけではありません。

国土交通省の建設業許可事務ガイドラインでは、常勤性に関する説明の中にテレワークが含まれています。ここでいうテレワークは、単に「自宅で仕事をする」というだけではなく、ICTを活用して営業所で職務に従事する場合と同等の職務を遂行でき、所定の時間中に常時連絡を取ることができる環境などを前提とする考え方です。

したがって、日中ほとんど連絡が取れない、建設業の契約・技術管理業務を実際には別の人が行っている、勤務実態がなく名義だけ営業所技術者等になっている、といった状態をテレワークとして説明することはできません。

テレワークで確認しておきたいこと

  • 勤務日・勤務時間
  • 会社との連絡方法
  • 業務用PC・ネットワーク等の環境
  • 契約書、見積、技術資料等へアクセスできる体制
  • 営業所との連絡・指示命令体制
  • 必要なときに営業所業務へ対応できる体制

なお、営業所技術者等と現場の主任技術者・監理技術者との兼務については、2024年12月13日施行の制度改正により一定の場合に特例が設けられています。これは「テレワークなら自由に現場兼務できる」という制度ではなく、別途要件があります。本記事では詳細を割愛します。

遠距離通勤の場合|宮城県では「概ね2時間超」で追加資料

宮城県知事許可では、現住所から勤務する営業所まで、標準的な通勤経路で概ね2時間を超える場合、通勤の実態を確認する追加資料が求められます。

令和8年3月31日改定の宮城県「建設業許可の手引き」では、常勤役員等について、現住所が勤務を要する営業所から遠距離にある場合の取扱いを具体的に示しています。標準的な通勤経路で概ね2時間を超える場合は、次のような資料を追加で提出する取扱いです。

通勤方法宮城県の手引きに示されている追加資料の例
公共交通機関通勤定期券
車通勤通勤経路図(所要時間を明記)
高速道路を利用高速料金領収証、ETC利用明細書等

ここで注意したいのは、「2時間を超えたら自動的に不許可」という意味ではないことです。宮城県は、遠距離であれば追加資料により通勤実態を確認する取扱いを示しています。実際に常勤できるのか、資料でどのように説明できるのかを確認する必要があります。

新規申請の直前に住所と営業所の距離に気付くと、必要資料の準備に時間がかかることがあります。常勤役員等・営業所技術者等の候補を決める段階で、住所と営業所の位置関係も見ておきましょう。

宮城県で常勤性を証明する資料

宮城県知事許可では、常勤役員等と営業所技術者等について、現在の常勤性を公的資料等で確認します。

令和8年3月31日改定版の手引きでは、常勤役員等の常勤性を証明する資料について、法人は原則として次の順に確認する取扱いが示されています。

常勤役員等の主な確認資料

  1. 健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書の写し等
  2. 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認及び報酬決定通知書の写し
  3. 住民税特別徴収義務者指定及び税額通知の写し
  4. 確定申告書(法人:法人税確定申告書の表紙、役員報酬手当等及び人件費の内訳書/個人:所得税確定申告書の表紙、第二表)

宮城県の手引きは、法人についてイ→ロ→ハ→ニの順に確認する取扱いを明記しています。また、標準報酬月額の確認を行うこと、出向の場合は別途確認資料が必要になることも記載されています。

営業所技術者等の常勤性

営業所技術者等についても、宮城県の電子申請版手引きでは、現在の常勤性を証明する資料として、健康保険・厚生年金関係の標準報酬資料、資格取得確認・報酬決定通知書、住民税特別徴収関係資料、確定申告書などを挙げています。

営業所技術者等の場合は、常勤性に加えて、資格や実務経験そのものを証明する資料も必要です。

「この1枚があれば必ず大丈夫」と考えない

宮城県の手引きには、必要に応じて記載資料以外の資料を確認する場合がある旨が示されています。「標準報酬決定通知書がある=常勤性が必ず認められる」という理解は避けた方がよいでしょう。他社役員、個人事業、出向、遠距離通勤などの事情があれば、通常の資料だけでは勤務実態が十分に分からず、追加確認が必要になることがあります。

他法令で「専任」を求められる資格者との兼務

建設業許可上の常勤役員等について、他法令で別の場所への専任を求められる立場と重複する場合は、原則として常勤性に問題が生じます。

国土交通省の建設業許可事務ガイドラインでは、たとえば、建築士事務所を管理する建築士、宅地建物取引業者の専任の宅地建物取引士など、他法令で専任を要する者と重複する場合について、専任を要する営業体・場所が同一である場合を除き、「常勤であるもの」には該当しないとしています。

これは「資格を2つ持っているから不可」という話ではありません。問題になるのは、別の法令により「別の営業所・事務所へ専任しなければならない」という義務が重なり、建設業の営業所でも常勤できるのかという点です。

建設業以外の許認可を同じ法人で行っている場合は、各制度の配置要件を並べて確認する必要があります。建築士事務所登録など行政書士の業務範囲外となる専門判断については、必要に応じて建築士など他士業との連携が必要です。

常勤性の判断でよくある誤解

「代表取締役なら必ず常勤」

代表取締役という役職だけでは常勤性の結論は出ません。実際にどこで、どの程度の時間、その会社の業務に従事しているかを確認します。

「社会保険に加入していれば必ず常勤」

社会保険関係資料は重要な確認資料ですが、それだけで勤務実態の全てが決まるわけではありません。他社勤務や遠距離通勤など別の事情があれば、追加資料を求められる可能性があります。社会保険そのものが建設業許可要件としてどう扱われるかは、建設業許可の社会保険加入要件で詳しく解説します。

「非常勤役員なら他社兼務しても必ず問題ない」

非常勤という社内上の呼称だけでなく、実際の勤務時間・権限・報酬・勤務場所を確認する必要があります。

「テレワークならどこに住んでいても問題ない」

テレワークが認められる考え方はありますが、営業所で勤務する場合と同等に職務を遂行でき、所定時間中に常時連絡が取れるなどの実態が前提です。また、宮城県では遠距離通勤の場合に追加資料を求める取扱いがあります。住所と営業所の距離は無関係ではありません。

宮城県知事許可で申請前に確認する順番

常勤性に不安がある場合は、資料を闇雲に集めるより、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

1 候補者の役割を決める 常勤役員等・営業所技術者等・兼務のいずれか 2 勤務実態を時系列で整理する 勤務日・時間・場所・他社兼業の有無を確認 3 給与・社会保険を確認する 標準報酬決定通知書や確定申告書などを確認 4 通勤距離を確認する 概ね2時間超なら追加資料が必要になる 5 他の専任資格を確認する 宅建士・管理建築士等との重複がないか確認 6 判断が分かれれば県へ相談 管轄の土木事務所へ事前確認する

宮城県知事許可では、主たる営業所の所在地を管轄する土木事務所が相談・申請窓口です。電子申請(JCIP)を利用する場合も、宮城県の電子申請版手引きでは、事前の要件審査を受ける運用が示されています。

宮城県への事前確認を検討したいケース

次のケースは、申請書を作り終えてからではなく、人的要件の候補者を決める段階で相談する方が安全です。

  • 複数法人の代表取締役・取締役を兼ねている
  • 他社でも「常勤役員」として扱われている
  • 個人事業を継続している
  • 別法人から給与・役員報酬を受けている
  • 出向者を常勤役員等または営業所技術者等にする
  • 法人成り直後で社会保険資料が揃っていない
  • テレワーク中心で営業所への出勤が少ない
  • 現住所から営業所まで概ね2時間を超える
  • 他法令の専任資格者を兼ねている
  • 常勤役員等・営業所技術者等が近く退任・退職する予定

常勤役員等が退任する予定がある場合は、常勤役員等が退任・退職した場合もあわせて確認してください。営業所技術者等の退職・異動については、営業所技術者等が退職した場合で詳しく扱います。

常勤性に関係する変更が生じたら「許可維持」の視点で考える

常勤役員等や営業所技術者等は、許可を取るときだけ揃っていればよい要件ではありません。許可取得後も継続して要件を満たす必要があります。

たとえば、常勤役員等が他社へ常勤勤務することになった、営業所技術者等が転勤した、営業所技術者等が退職した、役員が個人事業を本格的に開始した、主たる営業所が移転し通勤状況が大きく変わった、といった場合は、単なる社内人事ではなく、建設業許可の人的要件へ影響しないか確認する必要があります。

変更内容によっては、建設業法上の変更届が必要になります。役員の異動については建設業許可の役員変更届、営業所の移転については本店移転・所在地変更をご覧ください。変更事項全体については、建設業許可の変更届一覧をご覧ください。

「後で後任者を探せばよい」と考えると、人的要件を欠く期間が生じるおそれがあります。退任・退職の予定が分かった時点で、後任候補者の経験・資格・常勤性を確認しておくことが大切です。

実務上は「人物」より先に「資料」を見ると判断しやすい

常勤性を確認するとき、当事務所では、単に「この人は毎日働いていますか」と聞くだけではなく、実際に何の資料が出せるかという観点で整理することを重視しています。

たとえば、標準報酬決定通知書では誰がどの会社の被保険者になっているか、役員報酬はどの法人からいくら支給されているか、住民税はどの会社で特別徴収されているか、確定申告書に他の事業所得・給与所得があるか、他社の登記事項証明書に役員として登記されているか、営業所までの通勤は現実的か、といった資料を並べると、勤務実態の説明で不足している部分が見えやすくなります。

これは「資料さえ形を整えればよい」という意味ではありません。実態と資料が一致していることが前提です。

申請直前に常勤性の問題が見つかると、役員変更、給与設計、社会保険、営業所配置など、建設業許可以外の論点まで影響する場合があります。早い段階で確認しておくと、組織体制を無理に変更せずに済む可能性があります。許可取得後に必要となる各種手続きの全体像は、建設業許可取得後にやること一覧でまとめて確認できます。

当事務所が支援できること

当事務所は宮城県名取市を拠点に、仙台市を中心に宮城県全域の建設業許可に対応しています。

常勤性の確認では、申請書を作成する前に、常勤役員等の候補者、営業所技術者等の候補者、他社役員・個人事業の兼務状況、社会保険・給与・役員報酬、現住所と営業所の距離、出向やテレワークの状況、現在の許可体制と今後の人事予定を整理し、必要な確認資料を検討します。

新規許可だけでなく、更新、業種追加、常勤役員等・営業所技術者等の変更届、決算変更届にも対応しています。また、社会保険・労務、税務、法人登記、建築関係など、行政書士だけでは対応できない分野が関係する場合は、必要に応じて社会保険労務士、税理士、司法書士、建築士等との連携を検討します。

建設業許可は取得時の一度だけ要件を確認すれば終わりではありません。人的要件の変更や更新時期まで見据え、許可を安定して維持できる体制をつくっておくことが大切です。

常勤性について自社だけで判断しにくい場合は、現在の勤務状況とお手元の資料を整理したうえでご相談ください。

まとめ|「兼務しているか」ではなく「実際に常勤できているか」を確認する

建設業許可の常勤性を判断するときは、他社役員、個人事業、テレワークといった肩書きだけで結論を出さないことが大切です。

確認すべき中心は、申請会社・営業所で、所定の勤務時間中に継続して職務へ従事できる実態があるかです。

宮城県知事許可では、常勤性について標準報酬決定通知書、資格取得確認・報酬決定通知書、住民税特別徴収関係資料、確定申告書などを確認します。遠距離通勤や出向などの場合には、追加資料が必要となることがあります。

特に、複数法人の役員を兼ねている、個人事業を続けている、別法人から給与・役員報酬を受けている、テレワーク中心である、営業所まで遠距離である、他法令の専任資格者も兼ねている、という場合は、申請直前ではなく、人的要件の候補者を決める段階で資料を確認することをおすすめします。

常勤役員等・営業所技術者等の常勤性について判断が難しい場合は、宮城県の管轄土木事務所への事前確認も含めて進めると安心です。

FAQ|建設業許可の常勤性・兼務でよくある質問

他社の代表取締役でも常勤役員等になれますか?
他社の代表取締役という肩書きだけで直ちに可否を判断することはできません。他社での勤務時間・勤務場所・役員報酬、申請会社での日常的な勤務実態などを確認する必要があります。他社でも常勤として勤務している場合は、申請会社での常勤性との両立について事前確認をおすすめします。
別会社から役員報酬を受けていると不利ですか?
別会社から役員報酬を受けていることだけで常勤性が否定されるとは限りません。ただし、どの会社が主たる勤務先なのか疑問が生じる場合には、報酬額、勤務時間、社会保険、職務内容などを追加確認される可能性があります。
個人事業主を続けながら会社の常勤役員等になれますか?
一律に可否を断定できません。個人事業へ日中どの程度従事しているか、事業所の場所、法人での勤務時間、報酬・所得状況などを整理して判断します。個人事業の実働が大きい場合は事前相談をおすすめします。
社長が常勤役員等と営業所技術者等を両方できますか?
双方の要件を満たしていれば、同一営業所内で兼務できます。常勤役員等の経営経験と営業所技術者等の資格・実務経験は別々に確認されます。
営業所技術者等は在宅勤務できますか?
テレワークという理由だけで否定されるわけではありません。ただし、ICTを活用し、営業所勤務と同等に職務を遂行でき、所定時間中に常時連絡できるなどの体制が必要です。個別の勤務形態は許可行政庁への確認をおすすめします。
営業所まで片道2時間以上なら常勤として認められませんか?
宮城県の手引きは「概ね2時間超」を自動的な不適格基準とはしていません。標準的な通勤経路で概ね2時間を超える場合、通勤定期券、経路図、ETC利用明細などの追加資料を求める取扱いです。実際に通勤して常勤できるかを資料で確認します。
健康保険・厚生年金に入っていれば常勤性の証明は十分ですか?
必ず十分とは限りません。宮城県では標準報酬決定通知書等を重要な確認資料としていますが、出向、他社役員、遠距離通勤などの事情によっては追加資料が必要になることがあります。
常勤役員等や営業所技術者等が退職したら、すぐ許可がなくなりますか?
退職・退任により人的要件を満たせなくなると、許可維持に重大な影響があります。後任者を含めて速やかに確認し、必要な変更届を行う必要があります。退職が決まった時点で、後任候補者の要件確認を始めることをおすすめします。

よしだ行政書士事務所が常勤性・兼務の確認を支援します

  • 常勤役員等・営業所技術者等の候補者の適格性確認
  • 他社役員・個人事業との兼務可否の整理と必要資料の洗い出し
  • 宮城県土木事務所への事前確認・申請書類の作成

宮城県名取市を拠点に、宮城県全域を中心に東北6県からのご相談に対応しています。オンライン相談、訪問相談、土日祝日の予約相談も可能です。

参考資料

  1. 建設業法(e-Gov法令検索)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100
  2. 建設業法施行規則(e-Gov法令検索)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/324M50004000014
  3. 建設業許可事務ガイドライン(国土交通省)
    https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk1_000002.html
  4. 建設産業・不動産業:許可の要件(国土交通省)
    https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html
  5. 監理技術者等の専任義務の合理化・営業所技術者等の職務の特例(国土交通省)
    https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk1_000001_00038.html
  6. 建設業許可の手引き 令和8年3月31日改定版(宮城県土木部)
    https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/jigyokanri/newkensetsugyoukyoka2602.html
  7. 建設業許可の手引き(電子申請版)令和8年3月改定版(宮城県土木部)
    https://www.pref.miyagi.jp/documents/11957/202603kyoka_denshi.pdf
本記事の内容は、2026年9月1日時点で確認できる建設業法、建設業許可事務ガイドライン、宮城県「建設業許可の手引き」(令和8年3月31日改定版)等に基づく一般的な情報提供を目的としています。個別の常勤性・兼務の可否や必要資料は、勤務実態や事業形態によって異なり、本記事の内容がそのまま個々の案件にあてはまるとは限りません。制度は改正される場合があるため、最新情報は宮城県または国土交通省の公式情報をご確認いただくか、当事務所までお問い合わせください。

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    建設業許可の常勤性とは?他社役員・個人事業との兼務はできる?【宮城県】
  5. 建設業許可 業種別解説

    宮城県で防水工事業の建設業許可を取得するには?
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